あの時 こうだったんです 劇場

タイトルにはあまり意味はありません。
いや、ない訳じゃないけど

だいぶ時効?だし
大人になったんだし
笑い話に出来るくらいになったから
もう人に話してもいいかなって話。

先日、鼻炎のレーザー治療をしてきた。
もう何度目かは覚えていない。花粉症に効くと評判になり始めた頃からやっているので、かなり初期からと思われる。
これだけ続けていると、さすがに医学の進歩ってすごいなぁと思い知るよ。

そもそも、私は通年性のアレルギー性鼻炎で、花粉症とか関係なく、慢性で一年中鼻炎に悩まされている。現在進行形。
それも物心ついた時には既に鼻炎持ちだった。

紆余曲折して今の先生に出会ったのだが、苦節○十年、ようやく良い先生に出会えた。
(全員が全員ダメな先生ではなかった、けど一つ前の先生はホントにダメダメ過ぎた。その話はまた今度)

私の鼻炎の主な原因は気温とハウスダスト。
とにかく気温がまっこと厄介で、暑過ぎても寒過ぎても鼻水が出る。
つまりは身体にそぐわない気温や湿度で首筋がぞわぞわし、鼻水が出るのだ。

昔は保温性や発熱性のある下着や服なんてなかったから、寒かったら重ね着するしかなかった。
今でも覚えてるのは、大学受験の時、教室が寒かろうとコートの下に5枚くらい?ぱんぱんに着てたなぁ…
身体優先で、ファッションとは縁遠かった。。

だからヒートテックが出た時には「神‼︎」と思ったよね。

そんな私の子供の頃、一番恐ろしいのは体育館の行事だった。
全校集会や、何かの式の練習で、大勢が体育館に集められ、立ったままか椅子に座って1時間ほど過ごすのだが、体育館ってのは往々にして寒い。昔の公立小学校だから暖房もないし、心地良い気温の場所ではない。
体育館に行くときは鼻水が出るのを覚悟して、ポケットティッシュを必ずポケットに忍ばせていった。
しかし…体育館の寒さはそれを軽々と超えていくのだ。
鼻水が出過ぎてティッシュを使い切ってしまう事も多く、あまり濡れてないティッシュを更に使い回したり、と工夫をする。
が。
そもそも、しょっちゅう鼻をかんでいる事が恥ずかしい。
しかも小学生って少し男女の違いがわかってきて、気になる男の子とかいたりするじゃないですか。
そういう子からも見えるところで、頻繁にティッシュを出して、もそもそと鼻をかんでいる…
年頃の女子としてはこんな恥ずかしい事はない訳だ。

ある時から、私は途中で諦める事にした。

ティッシュがなくなったら
「手で鼻を覆う」という手段に出たのだ。

大切な事は
ティッシュがなくなったからって
鼻水が止まる訳でもない。
つまり、鼻を覆ってる手の中に鼻水が流れ放題溜まり放題なのである。

この場合、集会が終わって教室に戻るまで、ずーっと鼻を手で覆う。途中トイレに寄って、手も鼻もキレイにして出てくる事になる。
途中で手を鼻から離そうもんなら、まるで溶けたチーズのように、鼻水がねちょーーーっと…
大惨事が起きる。

これで何回かはうまく行った。

でも、手で鼻を覆ってる姿は、口を覆っているようにも見える。
そうすると何人かから「気持ち悪いの?」「具合悪いの?」と質問が来るようになったので、私は首を横に振り「違う」と伝えた。

答えられるはずがない。

鼻水がぁ〜なんて理由が恥ずかしいのもあるけど、そもそも口の周りも鼻水でべしょべしょなのだ。
口を開けようもんなら、溜まった鼻水が口の中に入ってくる事になる。溺れる。

私の周りがざわざわし、そうこうしてるうちに担任の先生がこっそりとやってきた。
その時の担任はS先生。
年配の女性で、熱血系の良い先生で私は好きだったんだけどね。

S先生が私に「どうしたの?具合悪いの?」と小声で聞く。
私、無言で首を横に振る。(悪くないです)
S先生「じゃあ、手を離しなさい」
私、無言で首を横に振る。(離せません)
S先生「やっぱり具合悪いの?」
私、無言で首を横に振る。(大丈夫です)
S先生「そしたら手を離しなさい、離せるでしょ?」
私、無言で首を横に振る。(離せません)
S先生「具合悪くないなら、手を離せるでしょ?」
私、無言で首を横に振る。(無理です)
S先生「なんで何も答えないの!手を離しなさい!」
私、無言で首を横に振る。(本当に無理です)

集会中なのに、先生に怒られた。
周りはざわつく。

確か、横か斜め後ろに、その頃気になってた男の子がいたんだよ。
私は一切言葉を発さず、絶対に手も離さなかった。頑なに何も答えなかった。

その後のことはあまり覚えてないけど、怒った先生は自分の席に戻っていった。
そしていつもと同じように鼻水を処理したんだと思う。
みんなの前で鼻水を見せなかったことだけは覚えてるから。
説明も言い訳も何もしなかった。

あの時手を離して、みんなに鼻水が見られようもんなら、間違いなく卒業までからかわれるネタになったであろう。
それだけは絶対にやだった。

それからはその方法を使う事はやめた。
ティッシュをなるべくちゃんと、多く持っていくことにしたのだ。

そういえば、どーにもならない時だけやったかも。
でも、みんな前回のことがあるから、何も言わなくなった。先生も何も聞いてこなかった。

S先生が今どこで何をやってらっしゃるのかは知らない。
最近この事をふと思い出すのだ。
そしていつかS先生に「あの時はこーだったんですよ」ってお伝えしたいなーって思う。
今なら思いっきり二人で笑えるね。

でも今書いててふと思った。

先生、途中で気づいたのかもなー
私が鼻水隠してたの(笑)

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