#3 社会性は、●●があるからこそ成り立ってるっぽい

【声優 佐原誠って?】

●アルビン!&しまっピーズ「サイモン」役
●カードファイト!! ヴァンガードoverDress「コイデ」役
●ぷよぷよテトリス2「スクエアス」役
●アサシンクリードヴァルハラ「オズワルド」役
●CallofDuty:ModernWarfare:Warzone「アズール」役
●ロシャオヘイ戦記「冠萱」役
●真心が届く「チェユンヒョク」役
等のボイスを担当しております。
宜しくお願いいたします!

*この動画のトークを「だいたいの形」で書き起こしました。
*動画を観る時間取れないよー!という超絶お忙しい方向け。
*あるいはテロップがわりとしてどうぞ。

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どうも、佐原です。
【声優 佐原誠のサハラジ!!】にお越しくださいましてありがとうございます!
ではさっそくサハラジオ、始めて行きますよ、というわけで今回のテーマはこちら

「社会性は、●●があるからこそ成り立ってるっぽい」

はい。
というわけで今回もですね、またまた「続きの話」となります。しかも3つめ。

1回目「叱る行為に効果はあるのか問題について」
2回目「叱るではなく諭す。それを実現するために必要なモノの話。」

これに続きまして、今回3回目となります。

まさかここまで話が分割するとは……はっきり言って想定外。
でも一度にばー--っと長話しても内容わけわかんなくなるでしょうし、かといって端折って誤解されても困るし、という事で、わけました!!

1回目と2回目を聴いて(読んで)らっしゃらない方は、先にそちらの方を経由していただけると「ビュー数が増えて」佐原さん喜びます(

そんなわけでさっそくお話していきたいと思いますが、その前に少し1回目と2回目のおさらいを。

1回目では、「叱る行為」について議論する番組を佐原さんがみて、それに触発されて、自分も「叱る」をテーマにお話しするよ、という流れから、心理士「村中直人」先生が語る「叱る依存」の話をしていきました。

2回目は、「何故人は、他人に改善要求する時に怒りなど、負の感情をセットにお付けしがちなのか」という事に足を踏み入れまして、その理由のひとつに「試し行動」というものがあげられる可能性があるよーというところで、終わりました。

今回はここからお話をしていきたいと思います。

「試し行動」とは何かといいますと。
●「自分をどの程度まで受け止めてくれるのかを探るために、わざと困らせるようなことをする子供の行動のこと」
を言います。

これは(説明文通り)基本的には「子供の行動」とされておりまして、一般的には大人になると、このような試し行動は卒業してやらなくなります。
が、「大人になってもこの試し行動をする人」というのは一定数いらっしゃるんです。

どういう人がそれをするかというと…一般的には「精神が未成熟な人」とされています。「大人になりきれていない大人」とでも言いましょうか。(アダルトチルドレンとはまた別です)

「精神が未成熟ってなに?」って話なんですけど、言い換えると「社会性の未成熟」です。社会性というのは「集団をつくって生活しようとする人間の持つ基本的な傾向」の事なのですが「それが育ち切っておりませんね」という事ですね。

この原因の一つとして考えられるのは「前頭葉の発達の遅れ」があげられます。
前頭葉というのは人間の脳の一部の事でして、これは理性や思考力、自制心など、つまるところ「理性のストッパー」的役割を担う器官です。何かしらの事情でこの前頭葉の発達が遅れると、ざっくり言えば「社会性の発達が遅れる」という事になります。

一説によると人間は、「社会性というものを持つために前頭葉を発達させた」という話があります。何故そう言えるかと言うと……19世紀のアメリカで起きた事故が参考になります。

「フィニアス・ゲージ」さんという方がいらっしゃったのですが…その人の頭に大きな鉄の棒が刺さる、という事故がありました。その結果彼は、「左前頭葉」の大部分を破損したそうなんですね。

普通に考えたら即死しそうなものですが、なんと彼はそこから見事生還し、しばらくしたらその傷も治り、なんとか普通の生活を送れるまで回復したそうなんですね。

しかしながら……ひとつ大きな変化が彼におこったそう。何が起きたかと言うと……人格が豹変してしまったそうなんです。

事故前のゲージさんは、勤勉で責任感があり、周りの人たちから非常に好かれていた「とてもいいひと」だったそうです。しかし事故後のゲージさんはまったく変わってしまった。

気まぐれで、礼儀知らずで、きわめて冒涜的な言葉を口にして喜んだりだとか。また他人に敬意を示さない、忠告は聞かない、時にはとてつもなく頑固になり、しかし気まぐれで移り気。また、言動には子供っぽさが見られ、同時に、なんか妙に野生的な側面もみせるようになったと。

事故前のゲージさんを慕っていた人達はみな「あれはゲージさんではない」と口をそろえたほどの、性格の変貌ぶりだったそうです。

この事故でゲージさんが特に損傷したのは、先ほども申しました通り、「前頭葉」。この事から、脳科学者は「前頭葉に、思考力や理性などをつかさどる機能があるのではないか」と仮説をたてて、研究をしたそうなんですね。

実際人間の前頭葉というのは、他の動物たちにくらべて圧倒的に進化しているそうです。

哺乳類は全般的にこの前頭葉をそなえているそうですが、人間ほどではまったくないと。でもそう考えると、哺乳類って、小さいながらも集団生活をおくる動物、多いですよね。ネコとかイヌとか、ゾウとかカバとか、カンガルーとかネズミとか、イルカとかクジラとか、もちろんサルも。それはこの、前頭葉の賜物といえるわけです。

先ほど、この前頭葉というのは、理性をつかさどる場所と言いました。いわば「ストッパー」だと。いったい何に対してのストッパーかというと、色々な欲望に対するストッパーなのですが、「怒り」へのストッパーという機能もついているんですね。

「怒り」というものがそもそも何か、ここらへんの仕組みを話し出すと大変なので簡単に話しますが……ざっくり言うと、地球上の生き物ほぼすべてが備える「種の保存の生存戦略」ですね。

基本的に地球上で生きるという事は、パイ争い(パイの奪い合い)みたいな側面があります。何故ならば、資源が有限だからです。ですのでそれぞれの生き物が、生き残るためにその資源を求めて活動すると、どうしても、他の生物とエンカウントしてしまうと。

人で言えば、例えばー………キノコを求めて山の中を歩いていたら、同じくキノコを求めてさまよっていた熊と遭遇してしまった、みたいな感じ。こうなってしまったらさぁ大変です。だって言葉が通じないんだもの。説得することができません。

こんなふうに、目の前に「敵」っぽいものが現れたとき、もっと厳密に言うと「ストレスを与えてくる対象」が現れたとき、生き物は「怒りスイッチ」が入ります。

このままどちらかが逃げ出してくれれば、闘う必要はない。だがもし相手が襲い掛かってきたら、闘うか逃げるかしないと、殺されてしまうわけじゃないですか。ですから防衛機能として、怒りスイッチというものがあるんです。

この怒りスイッチ。備えているのは人間や熊だけじゃありません。サルやイヌだけでもなくて、なんと、トカゲにもあります。あんな小さいナリして、しっかり怒るんですね。トカゲというといまいちピンとこないですけど、爬虫類ってことで考えるともうちょっとわかりやすいかも?例えば……「ヘビ」とかも怒りますよね。しゃー--ってね。

この怒りスイッチが入ると生き物はどうなるかというと、アドレナリンとドーパミンがでます。ざっくり説明すると、アドレナリンは興奮作用のある物質で、ドーパミンは快楽物質です。で、これらが出るとですね、体が「戦闘態勢」に入ります。

戦闘態勢に入ると、心臓が強く脈打ち、全身に血液と酸素を供給します。
その結果体温は上昇し、筋肉はパンプアップして、動きやすくなります。また目にも血液が送り込まれ、動体視力もあがります。

なぜこんな事になるかというと、敵と戦うにも逃げるにも「体を使う」からです。

そして同時に、前頭葉の機能が低下し、感覚器官が鋭くなります。何故なら敵と相対している時は「どうしようか考える時間」などなく、刹那的な判断を求められるからです。それに対応するために「闘うのに必要な機能以外はコストカットの対象」となり、活動が鈍ります。

怒りスイッチには、このような効果があるんですね。そして多くの生き物には、この「怒りスイッチ」が標準装備されているわけです。もちろん、人間も同様です。

しかしながらですね、この怒りスイッチは、社会を築く上では、とても邪魔なものなんですね。

先ほど何故、あえて「ストレスを与えてくる対象を前にすると怒りスイッチが入る」と言ったかというと……それは必ずしも「敵」ばかりじゃないからですね。
共同生活を営むという事は、人と人との距離感が近いわけじゃないですか。そうすると、自然と摩擦もおこりやすくなるわけです。

シェアハウスで暮らす友達に聞いた話ですが、「まったく生まれ育った環境が違う人たちが一緒に暮らす」と、最初は「こんなにも細かな違いがあるのか」と驚かされる、と。トイレに備え付けるトイレットペーパーが「シングルロール」なのか「ダブルロール」なのかでももめるらしいんですね。

それくらいに、他人と一緒に暮らすのはストレスフルな事なんです。

ですから、普通にそのまま(怒りスイッチ野放し状態)一緒に暮らしたら、ケンカばかりおこっちゃって生活にならないわけですよ。だって、そこかしこに「ストレスを与えてくる人」がいるんだもの。状況(前頭葉による抑止力の無い集団が生活する事は)としては、先ほど例に出した「ゲージさん」が何人もいて、一緒に暮らすようなものなわけです。

絶対に無理。

しかしながら、種として生き残るためには、力を合わせて共同生活を営んだほうが都合がいいと。そのために、怒りを制御する「前頭葉」を発達させた、そういう事なわけですね。

そう考えると、社会性というものと前頭葉の発達には、非常に強い相関関係がある事が見えてきます。つまり「人間は、他人と共同生活するために、理性を必要とした。そのために前頭葉を発達させた」と言えるわけです。

逆に言えば、成人しても「試し行動」など、社会性が低いとみられるような行動をする人というのは、前頭葉が未成熟なのではないか、と考えられるわけですね。

そして前頭葉というのは「思考力」もつかさどる器官でありますから、それが未熟という事は「エビデンスに基づく論理的思考も十分にできない」という事になります。その結果、感情論一辺倒の力押し戦法「改善要求に怒りをセットでお付けします」をするわけです。

前頭葉、大事すぎませんか……??大切にしなきゃ……。どう大切にしたらいいかわからんけど。

そんなわけで、前頭葉というものの大切さ、重要さはなんとなーくご理解いただけたかと思います。

今回のテーマ「社会性は、●●があるからこそ成り立ってるっぽい」の●●は、そう、「前頭葉」ということでございます。この前頭葉があるからこそ、人間は社会性を持って、他の動物と比較しても、複雑かつ高度な共同生活が営めるわけですね。

しかしながら。

この前頭葉があるからこそ生まれた問題というのも、なんかあるっぽい。

それは何かというと………



うん、この話をするとまた長くなりそうなので、次回にまわします…。
ほんとごめんなさいね……3回にわけたのに終わらせられなかったよ……。

そんなわけでして、今回も最後まできいてくださって、ありがとうございました。それでは、またね!!!



【了】



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