見出し画像

「入院生活」14 あと少し

12月25日

 午後、退院準備の段取りをノートに書くのに疲れて、ベッドの上にひっくり返った。
 体調がおかしい。頭痛はほぼない。熱もなさそうだ。首からうなじにかけて痛いが、これはきっとスマホやノートを下向いて見続けたための、ストレートネックによるもの、緊張型頭痛だろう。昔、整骨院で習った首の痛みを和らげる運動をしなくては。もう退院間近のはずなのに、何か作業を連続してやると、疲れて横になりたくなる。まだ回復していないんだろう。病み上がりとは、こういう状態か。

 病気療養中。ムリはしない。疲れたら、具合が悪かったら休む。できるときは動く。働く。書く。
 横になった、布団もかけずに。窓からは冬晴れの光がベッドに差しこむ。私の体を光が包む。

 横になっていると、肌着の感触が乾いた皮膚に心地よい。乳首に触るか触らないか、ぐらいの感覚。

 明日で退院する。したい。しなくてはならぬ。
 しかし、この2週間の入院生活は、他国への留学にも似て、私の創造性が全開になる体験だった。

 新しい表現(お絵かき、エッセイ、ギャグ小説)に挑戦した。
 新しいアイデアが生まれた。
 新しい友ができた。
 新しい夢が生まれた。

 創造的な生活って、この入院生活そのものじゃないの。

 会社のこと、地域のこと、家のこと、一切心配せず、テレビもYoutubeも見ず、ただ一日寝て、身体感覚とか夢とか、五感とかとにかく頭に浮かぶこととか、モニペに書き続ければ、質はともかく量は書ける。この「量」から、新しい展開がきっと生まれるだろう。

 こういう生活で暴れまくった、私のアーティストチャイルドを守らなきゃ。現実社会に戻れば、諸々は、私らしさ、私のしたいことの逆風になるだろう。会社、地域、家、生活の基盤、義務もしなくちゃいけない。

 でも、週1日、年に2,3回、こういう生活をすることはできるんじゃない?

 スペシャル・アーティストデートをするため、働いて、他でこういう時をとる。それを来年2023年の目標にしよう。1月2日からやってみよう。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?