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#7 コロナウィルス入院記-DAY2

 そういうわけで、入院翌日、2日目のお話です。

思いかえすと、この頃から既に病み始めていた、というより、ピークはこの日にあったように思います。。


 隔離病棟生活2日目は5時に起床しました。

私のベッドは窓側だったため(と言っても、当然、病室には私ひとり分のベッドしかないのですが・・)、外を見ると、かなり本降りの雨のよう。

「静かだ。閉鎖されている。。。」

このなんとも重い気持ちを抑えようと、持参してきた「ちょっぴりお高めな基礎化粧品でテンションを上げよう作戦★」を試みるものの、「こんなに落ち着いて静かな朝はないなぁ」と虚無感を覚えるばかり。

そもそも、嗅覚欠如で、ハイブランド特有の香りが分からないのですから、感覚的な多幸感が感じにくいのは当たり前なような気がします。「効果に期待」という感じでしょうか。(ちなみに、退院時の肌状態はここ数年で一番良かった気がしました。さすが、1本ン万円の美容液やクリーム類・・・)

それでもまだ朝の6時45分。前日、ほぼ食事を取っていなかったのにもかかわらず、いっこうに食欲が湧きません。これは動いていないからなのか、ウィルスのせいなのか。そんなことを考えながら、持参してきた「ボールペン時講座」で軽く指を動かします。元気な時なら、一種の朝活的なものなのかもしれませんが。。


 8時。看護師さんが朝食を持ってきて下さいました。

まるで食事瞑想のように、嗅覚をチェックするも、相変わらず何も感じず。酢の物と思われる見かけのものも、お酢の味が分からず、味覚も狂っているということを改めて感じました。味覚嗅覚は後遺症としても残りやすいようです。1時間ほどかけて、食べられたのは全体の半分以下。白米に関しては、申し訳ないと思いつつ、最終日まで一口も食べる事ができませんでした。

 その後、検温をし、担当の先生が問診にきて下さいます。

2日目の体温はやや高めの37.8度、味覚嗅覚の異常と吐き気の症状は変わらないまま。まだまだ1日は始まったばかりです。。。

そして、その1日というのは、1日3度の診察を除けば、ボールペン字、Kindleでの読書、考え事、ちょこっとゲームをする、ちょこっとメールをする、食事をする、歯を磨く、外を見るといった感じが主で、たいてい14時ごろには既に1度目の「退屈だと叫びたいタイム」がやってきます。


 ところで、陽キャと思われがちなこのアチキ、友人も恋人も両親もおりません。。。

つまり、PCR検査以降約5日、誰からのLINEもなければ、気軽に電話ができるような人もいない悲しい現状に、惨めさ、情けなさ、孤独感、自己嫌悪が、物音一つしない環境も相まり、潜在的に膨らんでいたようです。

家族がいたら、自宅隔離でも「おはよう」とか「大丈夫?」とか壁越しに話が出来たかな。友達がいたら、「寂しいよ〜><」なんて、気軽に電話が出来たかな。誰かの声が聞きたかったのかもしれません。

大切なことは、入院生活は2日目であっても、隔離はPCR検査時から始まっているのです。

 そんな時に、看護師さんの下さった「色々心細くないですか?」という優しい一言に、涙が溢れ・・・「精神科の先生を呼びましょうか」と言われるお恥ずかしい始末(笑)。

「大丈夫です」と感情をグッと堪え、布団を抱えて夜通し泣き続け、眠りについたのは23時前になりました。


 1日を通して熱は37度台、食欲・味覚・嗅覚は皆無、吐き気はなし。

2日目にして号泣を経験するという、なかなかハードなスタートダッシュです。


 何度も申しあげている通り、コロナウィルスでの入院やホテル生活は孤独との戦いでもあります。あなたの周りに、もしもそういう方がいらしたら、相手が迷惑でない場合を除いて、メールより電話をしてあげてみて下さい。

その声が、励みなり、

その会話が、暇つぶしなり、

きっと患者さんの不安を拭ってくれるはずです。

電話をかけて、数コールで出なければ、「おk察し」という感じで良いんです(笑)。逆もまた然りです。甘えられる人がいるならば、話に付き合ってもらいましょう。もちろん感謝を忘れずに・・・ね。


→3日目に続きます。


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