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【かってに自主調査】コロナ禍でなにがどうかわったか~その1~

企業のマーケティング活動において今もっとも気になるのは、コロナ禍を経験してみんなの意識がどう変わって、それによりどのような新しいニーズが生まれたのか、ということです。

コロナ禍での2ヶ月弱にわたるステイホーム生活で、今までなかった選択肢が突然追加されたり、あった選択肢が突然無くなったりという経験をみなさんされたことと思います。

はい、元に戻しましょうね、と言われて、もう一度選択肢を元に戻した時、選択肢ごとの割合はどう変化するのでしょう。

どのような割合の変動が起き、それがマーケティング活動にどう影響するのかを明らかにすべく、多くの企業がコロナ禍における意識変化を調査しています。

【調査一例】

博報堂生活総合研究所「第2回 新型コロナウイルスに関する生活者調査」(2020年5月)

電通報 【コロナ禍】本音調査から見る、生活者の「リアル」とは?

クロス・マーケティング 新型コロナウイルス生活影響度調査(第6回)

筆者が調査白書プロジェクトリーダーを務める一般社団法人 プロフェッショナル&パラレルキャリア・フリーランス協会から本日発表された「フリーランス白書2020」【第6章コロナ禍でのフリーランス・会社員の意識変容調査では、意識変化により働き方はどう変わるかについての大規模アンケート結果が示されています。

この調査は、フリーランスのみならず、会社員にもアンケートを実施しており、その中で会社員の副業意向が大きく高まっていることがわかります。(出典;フリーランス白書2020 p.129 【会社員】 <before/after>今の仕事や働き方の問題解消・満足度向上のために考えていること ※before/afterは同一パネルの比較ではありません)

この背景には、緊急事態宣言発令による外出自粛で、新規にテレワークが導入されたことにより、時間的にも精神的にもゆとりが出たことがあるのかもしれませんし、インターネットを利活用して業務を行う自信がついたせいかもしれませんし、純粋に収入が減ったことに対する補填の意向があるのかもしれません。選択肢が増えたことで意識が変化したことは明らかです。

働き方の変化、消費の変化、まさに新しい日常が生まれるんでしょうね。

フリーランス個人では大規模な調査はできないので、ミルトークを利用し、私自身が知りたいことをこじんまりと「かってに自主調査」をしてみました。

前回の「Q1.コロナ禍で増した力は何ですか?」を合わせ、コロナ禍における意識と行動の変化について聞いたのは5問。

Q2.緊急事態宣言が解除されたら、一番初めにしたいことはなんですか?
  外出に対する自粛要請がなくなった時、あなたが一番初めにしたいことを教えてください。

Q3.コロナ前に戻りたいことと、戻りたくないことを教えてください!
  いよいよ全国での緊急事態宣言解除が表明されました。
  解除後の生活がどうなってほしいと思うのか。全国解除前夜の率直なお気持ちを聞かせてください!

Q4.外出自粛生活があと2週間長かったら買っていたものは何ですか?利用しただろうサービスでも構いません。
     5月25日に全国の緊急事態宣言が解除されましたが、もしもあと2週間解除時期が延びていたら、思わず買っていたもの・利用し始めただろうサービスを教えてください。

Q5.ステイホーム期間中にあなたの生活に新しく取り入れた商品やサービスを教えてください。
      外出が難しい時だからこそ必要を感じ生活に取り入れた商品やサービスはありませんか?

どの質問も、自由回答形式で答えていただいた30回答をユーザーローカル社テキストマイニングツールで分析しています。

そのうち2問を今回の記事に書いてみたいと思います。

Q1.緊急事態宣言が解除されたら、一番初めにしたいことはなんですか?
    調査期間;2020/05/08~2020/05/15
 調査方法;インターネットアンケート(ミルトーク)
 回答数;30回答

緊急事態宣言が解除されたらしたいこと..._wordcloud

図1はワードクラウドという表示方式で、AIによって一般的な文書ではあまり出現しないが、調査対象の文書だけによく出現する単語に重みづけをし、大きく表示するという解析がされています。

一番中心に大きく出ているのは「外食」その右横に、「気兼ね」「ランチ」「通う」などのテキストが見られます。普段通っていたお店に早く食べに行きたいという気持ちが表れていますね。

「ウィンドウショッピング」も大きく表示されているテキストです。すぐ下に「不要不急」という文字があるように、購入するものが決定している買い物ではなく、「ぶらぶらと買い物したい」という意見がありました。

緊急事態宣言が解除されたらしたいこと_wordcloud (共起)

図2は共起キーワードという表示方式で、文章中に出現する単語の出現パターンが似たものを線で結んだ図です。

「外食」「行く」のそばに、「潜在」「感染」などのテキストがある事を見ると、外食による感染を特に気にしていたようです。

「水族館」「動物園」などのほかに、「実家」というテキストも見られました。

昨日東京アラートが解除されましたが、まだまだ気兼ねなくというわけにはいかないですね。行きつけの店舗や施設との新しいかかわり方が必要なのかもしれません。

Q2.コロナ前に戻りたいことと、戻りたくないことを教えてください!
  調査期間;2020/05/25~2020/06/01
  調査方法;インターネットアンケート(ミルトーク)
  回答数;29回答(1名無効回答)

戻りたいこと_wordcloud

戻りたくないこと_wordcloud

図3・図4は、回答者の答えを『戻りたいこと』と『戻りたくないこと』に分けて解析したものです。

ミルトーク無料版は1問1答形式なので手作業で分けたものを、AIテキストマイニングの”2つの文書を比較”機能を使って解析しました。

まず『戻りたいこと』はQ1にもあったように「出歩ける」「外食」「自由」などのテキストが大きく表示されています。

それ以外には「仕事量」というテキストもあり、「在宅勤務は仕事量がちょうどよく、疲れがたまらなかった。仕事量はこのままが良い。」という回答者の意見があった。一方で「戻りたいのは仕事。また忙しくしたい。暇になってしまった。」という意見も。

「海外旅行」「旅行」に関しては、「海外旅行に気軽に行きたい。」「毎年のように気軽にいろいろな所に主人や友人と旅行を楽しみたい。」などの回答があり、”気軽に”がキーワードとなりそうです。

『戻りたくないこと』は「満員電車」「人ごみ」「過密」などの都心部特有のテキストが大きく表示さました。

同様に大きく表示された「量り売り」は、「惣菜やパンの量り売り」についての回答。総菜やパンのむき出し陳列に関しては他にも「お惣菜をむき出しで売ることがなくなった事や、テイクアウトが充実したことはこのまま続いてほしい。」という意見も。

今後の店舗MDに関しては、貴重な意見ではないでしょうか。

戻りたいこと戻りたくないこと頻出単語

表1は単語分類という表示方式で、2つの文書(『戻りたいこと』『戻りたくないこと』)にあらわれる単語を、それぞれどちらの文書に偏ってあらわれているかでグループに分けています。

仕事に関しては前述の通り、どちらの捉え方もあるというのが面白いですね!

回答者29名のうち「戻りたくないことはありません」と記載した方は0名で、2名のみ『戻りたいこと』のみを記載していました。

もちろん質問文が『戻りたいことと戻りたくないこと』となっているので、両方を記載する方が大半なのですが、このことからも今までの日常ではなく、新しい日常を求める消費者のニーズがわかるのではないでしょうか。

以上でコロナにおける意識や消費行動の変化をこじんまりと調査する「かってに調査」のQ1、Q2の分析を終わります。

Q3、Q4については、次の記事でお書きしたいと思います!


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