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15年前の姉弟

約15年前の冬の話。1月か2月やったかな?
私は中学2年生だった。

その時は1.2限が体育の授業で跳び箱をしていた。
台上前転、前方倒立回転とびなど、小学生でできなかった技を覚えて跳び箱の上でクルクル回っていた。

授業の終わりが近づき、跳び箱を片付けていると、感じたことのない寒気がした。その当時は知らなかった言葉だが、悪寒と言うやつだ。

元気はあるけど、体が寒い。確かに、冬の体育館はかなり寒い。しかし、体が温まったはずだ。
そして、さっきまでぴょんぴょん跳んでいたのにだるい感じがする。いや、元気ねんけどね。

とりあえず体に違和感を覚え、授業が終わり、体操服のまま保健室に行った。体温を測る。38度あった。「さっきまで、普通に跳び箱跳んでたんやけど…」

即、帰宅だ。

その日はたまたま父が仕事が休みで家にいた。父に車で迎えに来てもらうことになった。その間に自分の教室に荷物を取りに行き、友だちに別れを告げた。

保健室に戻り体操服のまま父を待っていた。ちなみに中学の保健室は1階にあり、外と保健室が行き来できるドアがあった。
しばらくして、父が外から保健室のドアを開けた。
さて、帰るか…と腰を上げると、
「さっきと同じお父さんや」と保健室の先生が私に笑いながら言った。「?(なんのことやら)」

「さっき、弟も帰った」と父が言った。
どうやら、弟も熱があったらしく私より先に早退して、父が迎えに行ったのだ。約2時間に。ちなみに、弟は同じ学校に通う当時中学1年生だ。

保健室を利用した人や手当を受けた人が氏名と治療の内容(手当や体温)を書く紙があるのだが、そこに私の弟の名前があった。あるんかい。

帰宅する。弟はしんどそうだった。対称的に私はなぜか悪寒がなくなり元気になった。とりあえず、つらくもないが布団に入り横になる。



後で知ったのだが弟は朝、学校に行き教室の自分の席に着いたら体に違和感が出てきたようだ。そして体温を測ると熱があったのだ。そして、朝礼も受けずに帰宅した。…何しに学校へ行った?
そう言う私も跳び箱しかせずに帰ってきたが。

昼に仕事から帰ってきた母に連れられて、私と弟は病院に行った。時期的に感染の可能性が高いインフルエンザの有無を調べた。ちなみに鼻に綿棒のようなものを入れて粘膜を採取する方法だ。痛かった。本当に痛かった。

結果、私は陰性。弟はインフルエンザA型だった。
弟には悪いが、自分はインフルエンザではなく、安堵した。インフルエンザ=辛い、怖いのイメージがあったのだ。

病院で薬をもらい、家に帰る途中に中学校の駐輪場に寄った。私も弟も自転車で朝学校へ行ったから自転車のかごに合羽を入れたままだった。風が強かったから飛ばされると思い回収しに行ったのだ。
弟がふらふらで飛ばされそうだった。

帰宅した。
時間が経つにつれ徐々に体がだるくなった。全身熱くなり、顔が真っ赤になってしんどくなった。ここにきて、症状が悪化した。

ちなみに、私はこのあと3日くらいはしんどい状態が続きほぼ寝ていた。弟はなぜかすぐに体調が回復し元気になった。私が死にかけている間に弟はゲームをしていた。解せぬ。再度、別の日に検査したら陽性だったかもしれない。私と弟の診断逆にしてしまったんじゃない?と大変失礼なことを考えた。

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コロナ感染者が濃厚接触者である家族に感染させてしまうということがある。そのニュースを聞くとこの14年前のことを思い出す。当時は私が弟に移したのか、弟が私に移したのか、はたまた別々のところからもらってきたのか分からないが、一緒に住んでいたら移るわ、と思った。

コロナにインフルエンザ。家族に移さないためにも予防をしっかりしていきたい。

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