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エンタメマーケターのわたしが、推しに時間を捧げる理由

今週、私が推しに費やした時間を計算してみると、350分超になることに気づきました。
6時間....
もしかしたら、リモートワークで会わない同僚や家で働き詰めの夫との時間より長いかもしれません....

インターネットによって、エンタメコンテンツは次から次へと消費者の前に現れては消えていきます。
私の仕事であるマンガも、次から次へと新しい作品が生み出されます。

さらに読者は漫画以外のエンタメにも触れているはずで、YouTubeやNetflix、テレビやSNSと時間の奪い合いです。
すぐ乗り換えられてしまうので、定期的に情報発信したり、オンラインオフライン問わずイベントを開催したり、興味を惹き続ける必要があります。

対して、インターネットによって、同じエンタメコンテンツを楽しむ仲間同士でコミュニティを作りやすくなった面もあります。
仲間がいれば熱量を上げたり保ったりできる。
ハマってもらえさえすれば、消費者が一つのコンテンツに費やす総時間を伸ばしやすくなったとも言えます。

まさに私もコミュニティによって熱量をあげている消費者のうちの一人。
350分のうちの1/3は、コンテンツそのものではなくコミュニティに費やした時間です。

また、仲間同士だけでなく、提供側と一緒にコンテンツを作り上げていくスタイルも一般的になっています。
ファンと一緒に商品開発!のような大規模なものだけでなく、instagram等のライブ配信で参加型で盛り上がるのもそのうちの一つだと思います。

自分だけがエンタメを楽しむだけではなく、誰かと一緒に応援する、一緒に作りあげていくという集団性が、エンタメの主軸になりつつあると言います。
この、お客さんを取り込んでしまうスタイルは、お客さんの本音を聞く、マーケティングの真髄なのかも、と思います。

家電のように機能や価格によって差別化できないエンタメ商品は、「共感」というつかみがたいものを商売にしています。
共感できるかどうかは、自分との共通点の多さによって決まります。
お客さんとの距離が近く、たくさん取り込んでしまえるほど、共感される可能性が高く、強くつかみ続けられるのかもしれません。

コンテンツを提供する側としては、お客さんとの距離感を詰めてコミュニティに入り込んでいくことこそがエンタメ商材を扱うマーケターの仕事なのだな、と思いつつ、
コンテンツを消費する一ファンとしては、コミュニティの中で応援する時間さえも楽しんだもの勝ちだなと思うのでした。




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