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編集者ってどんな仕事?

年末年始、久々の長い休みで「編集者」とはどういう仕事だろうと改めて考えたくなった。
職場でわたしは、編集者の側にいながら編集者ではない。
広報でメディアの人と関わったり、webメディアの事業部にいたこともあったけれど、編集者の定義を特に意識せず日々仕事に追われていた。
特に日々わたしが接しているエンタメの編集者はどうだろう。

共感は、未知と既知をつなげた時に起こる

世の中はエンタメにあふれている。
おうち時間にスポットライトが当てられるようになってからは、家で楽しめるエンタメがさらに増えたようにも思える。

そんな中ヒットするエンタメは、多くの人々共感が得られるものなのだと思う。
共感とは、自分が持っている情報と受け取った情報の間に共通点を見つけたときの心の動きのこと。

人間は、未知を分かろうとするために既知を使って想像をする。
未知の情報と既知の情報の間につながりを見つける。

編集者は、自分が伝えたい作品や商品をたくさんの切り口で切って、他人の既知の情報に当てはめさせる仕事なのかもしれない。
つまり、情報をいかに多面的に捉えられるかが勝負だ。

情報の切り方は、この3つ

では具体的に、情報を多面的に捉える方法にはどのような考え方があるだろう?

この3つがあるとされている。
・ステレオタイプ(典型)
・プロトタイプ(類型:一般的な概念によって示されるもの)
・アーキタイプ(原型:文化や文脈の奥に秘められたもの)

ステレオタイプは、世間一般でいわれているイメージにあてはめること。
ネガティブな意味で使われがちだけれど、分からないことを理解するために典型にはめるのだ。

プロトタイプは、いわゆる「型」のこと。
考え方の型にはめることで、物事を整理して理解しやすくする。

アーキタイプは、文字通り元の形のこと。
物事が生まれたときの文化や文脈に当てはめて、理解する。

この3つの型を使うと、情報の切り口を見つけやすい。

情報は常に乗り物に乗っている

また、情報は常に何かと組み合わせながら認識されている。
メディアや発言者などの乗り物に乗っていて、同じ情報でも乗り物によって意味が変わることもある。

人々が、こちらが意図した通りに情報を照らし合わせ、共感してもらうためには、何に乗せて情報を伝えるかも重要。

文字なのか音声なのか、ビジュアルなのか。
webなのか紙なのか。どの面に載せるのか。
偉い人の発言か身近な人の発言か。

情報の届き方を考えるのも、また編集の仕事なのだと思う。

編集者は情報の料理人なのかもしれない

情報をたくさんの切り口で切って、適切なお皿に乗せて届けていく。
編集者の仕事は、情報の料理なのかもしれない。

美味しく味わってもらえるように、切り方と乗り物についてもっと知らなければならないな、と思う。





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