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書評 - 中小企業の管理会計活用術

管理会計をもうちょっとすぐにご利益が得られる形で学んでみたいと思って、この書籍を買ってみたところ当たりだった。

基本的には、「細かいところは人数も少ないんだから、最小の手間で最大の効果があるところをやろうぜ」という思想で、実践的でよい。

ところで管理会計とは?

管理会計とは事業をすすめるための会計のこと。税務申告のための決算書をつくる財務会計と違って、法的なルールが無く、事業の状況が把握できればよい。
そのため、どこまで何をすればいいか、まずはどこから手を付ければいいかがわかっていなかった。

学んだこと

具体的に学びがあったのはこの5つ
1. とにかくまずは月次で決算を出したほうがいい
ちょうど弊社も定着したところだが、管理会計とか言う前に月次で会計が締まるのがすべての前提だということで、まずはその社内の仕組みが大事。

2. 売上を顧客ごとに細分化してみると傾向がわかる
LTV とか他の計算のベースもすべてこれなので、ひとまずは売上に補助科目をつけたら会計システムそのままでいけるよ!というのが二度手間を避けるようなアドバイスでよかった。

3. 売掛金等の回転期間は定期的に計算しておくとよい
ROEとか安全率とか、経営分析の本を読むと色々指標が計算できるが、とりあえず回転期間だけ見ておけばあとはいい、みたいなアドバイスがあった。これは、後から色々と足すにしてもひとまず始めるための探索の枝刈りとしてとてもよかった。

4. 管理会計の基本である固定費と変動費はとりあえず科目でバッと決めて計算したらいい
これも同じく、毎回どう決めるのかが悩んでいたが、「とりあえず中小企業庁の指定似合わせるとこの科目はこれ!」みたいな基準が示されていて、ひとまず手を出せるという意味でよかった。

5. 安全余裕は計算しておいたらいい
損益分岐点分析も、可視化して次どうするかについて、とりあえずこれ!というのを指示してくれているのが良かった。

とにかく、管理会計は自分にあんまり土地勘が無い割にデータと分析項目が大量にあるので、一旦探索範囲を狭めてくれるこの本で、管理会計的な取り組みを始めるための心理的ハードルが下がった。

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