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海外で注意したい「法の不知はこれを許さず」

※AIさんに相談したら変なタイトル画像ができてしまいましたmm

(ご注意)

このNOTEは海外で仕事をしたり長期間滞在することを想定しています。
常識的な方が1週間以下のツアー旅行などで短期間外国に行く方のためのものではありません。

海外の法律知識は必要?

海外へ出るなら必要です。単に法律ではなく宗教が強い国であればその禁忌についても知る必要は当然あります。宗教が法律・司法をになっている時代が続いている国もあるので、むしろそっちのほうが重要な場合もあります。
ちなみにベトナムでは仏教寺へは肌の露出の多い服装は禁止されていて、農業時代の男尊女卑っぽいところもある文化度なので特に女性には厳しめ。大きなお寺ではゲスト用の袈裟?みたいなのを貸してくれ着用を指示されます。法律まではいきませんがルールとして常識となっています。

こちらの記事はマレーシア人が自国でやらかしてしまった事件の記事で、イスラム教のルールが厳しいと話した動画が旅行者によってSNSにアップロードされ逮捕されてしまったというもの。逆もまた有りえるわけですが、外国人が同じことをしたときには、しがらみのない自国民よりも見せしめにしやすいので注意が必要です。

ベトナムの持ち込み禁止品

例えばベトナムに上陸するときには動植物の防疫規定で以下が持ち込み禁止です。

  • a:植物類(種子等も含む)、植物製品、果物

  • b:きのこ類(塩漬け、缶詰、冷凍、酵母を除く)

  • c:カイコ、繭

  • d:昆虫、真菌、バクテリア、ウイルス

  • e:動物加工食品(生鮮食品)

法律条文に書かれていない場合も多いかと思いますが、条文を読んでいれば「いずれにしても自己責任になるな。。。」ということは理解できます。逆に法律を読んでいて資料として持っていれば、「確認したけど具体的に書いてなかった」と反論して穏やかめに着地させる事も可能でしょう。(交渉力によりますが)これってなんでしたっけ?そう、皆さんご一緒に?

「知は力なり」
byフランシス・ベーコン

はい正解!これテストに出るところです。(笑

飲酒も注意

日本も条例ができつつありますが、海外だと基本は路上・公共の場所での飲酒はNGです。ベトナムはおおらかなのですが、実はかなり軽蔑されるそうです。ヨーロッパでは公共の場所で飲食も禁止な国があるので、周囲の人達の行動と身なりをよく見て行うのが安全です。(ホームレス扱いされる可能性あり)
また、進んだ国では鳥など野生の生物に餌をやるのも禁止だったりします。見つかって罰金刑とか意識高い人に叱られる可能性があるそうです。日本でも看板とかでていますが法律がいまいち甘いですね。 

ベトナムはほかにも色々と注意どころがあるようです。例えば↓

このNOTEにもありますが現地の人がやっているのにつられたらダメです。
ベトナムでは驚くほど人々が交通法規などのルールを守っていませんが、勘所を押さえてやっていたり、異常な交渉力があるおばちゃんとか現地人なりの勢いを持っているので、外国人は真面目にするのがおすすめです。

共産国での写真撮影

あまり知られてないっぽいですが、共産国や権威主義の国で写真は逮捕される可能性があります。身柄を拘束されると法治国家じゃないのでその先、どうなるかわかりません。。。特に政府の建物、公共の場所では気をつける必要があります。逮捕まで行かなくてもその場でデータを消すように求めらたことは何度もあります。ベトナムだと通信塔とか基地が厳しめな印象です。少し前になりますが、北京へ観光に訪れた際に、タクシーの中から取ろうとしたらガイドの方にメッチャ叱られたことあがあります。たまたま共産党のビルの近くだったようですが、外の人には区別がつきません。

また、女性や他人の子供の写真を取るのも厳禁です。欧米は子どものポルノの法律が厳しく、その気がなくても捕まったら大変ですし、ベトナムにも法律ができたので知らない人の写真を取ってSNSなどに投稿すると罪に問われる可能性があります。


代表者でも法律無知が多い日本人

労働者が非常に真面目かつ平和なので、マネージャーの職責が曖昧で専門性が殆ど無い日本では仕方が無いことですが、海外だと無知であることは職務・会社だけでなく自分にも直接、害が及ぶ可能性があります。

ベトナムの仕事で特に驚いたのは関係者一同、誰もベトナムの法律に一度も目を通したことがない、ブログや情報サイトの”情報”を丸呑み・鵜呑みにしていて、さらに会社の内外に広めてしまう人ばかりなことです。 
すごく不思議なのですが、まったく条文を見たことがないのに「OOだから大丈夫です」とかいい切る人がすごく多いのがASEAN界隈かもしれません。

会社の経営をしていれば流石に?と思いますがベトナムの日系企業は殆どが海外支社で、形式的に代表になっている会社員さんなので無理はないかもしれませんが、現実には書類にサインをする係なので現地の法律に問われる立場です。現地代表はいわゆるカンバンというやつですが、逮捕されてもokなほどのお手当は出ていないと思われますので、無関心なのは本当に不思議です。

日本の常識が通じない国が殆ど

もう1つ驚くのは、その国の体制について全く無知であったりすることです。日本から出たら安全について知るべきなのは2つで、1つは問題の起きづらさ、もう1つは問題がおきたときの社会的・法律的な安全性です。
日本のような法治国家では、法律を逸脱して警察官や軍隊が動くことはもちろん出来ませんし、役所でも病院でも「正しいこと」が当たり前すぎて法律の出番がないのが普通です。 が、海外だと法律を超えて普通に問題を起こす人が多い上に、法の統治が完成していない国では、事が起きても法律を頼れません。運用している当の警察や役人は法律と対応業務を知らないことが多く「知らんから帰って」という対応だったり、法律を守るどころか弱みにつけこみ賄賂を要求するようなことが当たり前です。

以下はASEANの主な国と国体の一覧です。ほとんどの国が日本の水準から見れば権威主義、人治国家なのです。高齢な方は日本だから大丈夫!とまあまあ横柄に立ち振る舞ったりしているのをたまに見ますが、日本の円が強くバンバン現地にODAでお金をばら撒いて威信を深めていた時期ならともかく世界の基軸通貨はドルであり円は暴落しました。 現在はフィリピン以外は中国の強い影響下にあると考えた方が良いかと思います。

ASEANのヤバい国体

前述のニュースと国旗が示すようにマレーシアはイスラム教。嗜好品、特にお酒の販売は規制が厳しめです。
インドネシアも国民のほとんどがイスラム教徒でバリなどではお祈りが爆音放送されてますが、国教ではないせいか、そこまで厳しくは感じませんでした。

表の赤い色で表面的な権威主義度を表してみました。後進国あるあるな「権威主義」という言葉、日本では意味がわかってない人が多いと思います。わたしも住む前はうっすら認識で舐めてました😓 日本は君主制民主主義で「権威主義」が一部残っているので「共和政」についても学校で真面目に教えにくいせいか、海外・地勢について会話が成立しない場合が結構ありそうです。(日本人側だけそれにすら気がつけないパターン)

権威主義(けんいしゅぎ、英語: Authoritarianism、ドイツ語: Autoritarismus)とは、権威をたてにとって思考・行動したり、権威に対して盲目的に服従したりする個人や社会組織の態度を指す。 政治学においては、権力を元首または政治組織(政党など)が独占して統治を行う政治思想や政治体制のことである。

メッチャ恐ろしいことが書いてありますが、実質的には後進国では殆どの国が権威主義と言って良いと思います。言い換えると北朝鮮の親戚。ベトナムは名実共に親戚で国交がありますし。

権威主義の何がまずいのか? 最近もこんな問題が日本で起きています。官尊民卑でしょうか、役所と猟友会の話がまとまらず大変なことになっています。


権威主義の問題は、サービス業と国際競争の時代の経済にとって非常に深刻な影響があります。ひとつは信用基盤を損ない商談が成立しないこと、もうひとつはやる気をなくさせて生産が低下することです。イギリスが世界の中で独走した背景にはこれにいち早く気がついて公平を担保しようとしたことがあると言われています。みるみる差がつくので近い国から順に真似せざるを得なかった。
自由な競争社会では金額と信用(好き嫌い)で結果決まることが税金で食べている公立学校の先生や役人は直感的に理解できませんから、常にミスマッチが起き得ます。学校のサービスが向上せず時代遅れなことばかり教えるのもこれが原因です。

権威主義の本質は土地を基本にした農業時代の経済の既得権保護のための権力構造で、それが工業の時代でも国によっては引き継がれたり、工業時代に自力で移行できない国で権力基盤として残っている状態で、そういう意味では法運用が適当な日本でもかなり色濃くみられます。これは市民がインテリでないので司法が恐れずに適当なことをやれる、いわゆる衆愚民主制の欠陥でしょう。

考えてみると、もともとフランスや英国が既得権を打倒して広がった民主政はごく珍しい現象で、日本や韓国もあとからアメリカなどに半ば命令されてやっているようなところもあります。人間のほとんどの人が考える「自分の利益が一番」という性質を考えると、なかなか難しい奇跡的な状況なのが民主国家かもしれませんが。


法の不知はこれを許さず

”Ignorantia juris non excusat.”
 (Ignorance of the law will not allow this)

「法の不知はこれを許さず。」ローマ法由来の法諺(法律の格言)で、直訳すると「法を知らないことは言い訳にはならない。」

マネージャーでも「法律?そんなの知りません」と言ってのけられる環境があるので難しい所はありますが、「法の不知はこれを許さず」は2000年以上歴史がある文明国のルールです。

世界の法律は欧州を手本としていて、欧州の文化・文明の起源はギリシャ・ローマですので、これは世界的な「あたりまえ」でドイツ、フランスの法律を手本にした日本の法律でも条文として記載されています。

第38条
1項 罪を犯す意思がない行為は、罰しない。ただし、法律に特別の規定がある場合は、この限りでない。
3項 法律を知らなかったとしても、そのことによって、罪を犯す意思がなかったとすることはできない。ただし、情状により、その刑を減軽することができる。

なのですが、自信満々で「しらない」「知らないんだから悪くない」という人がいるのは後進国や後進国へ来る日本人の共通点な気がします。
東京で仕事をしていると流石にそういう場面はオフィスでは少なかったですが、役所だと多いですし検索エンジンの時代なのにナゼ?と思ってしまいます。

メッチャ短いベトナムの法律

近代文明領域の歴史が国内にないに等しい上、法律がお粗末なソビエトを手本にしたため、法律の定めることが大雑把でかなり少ない内容になっています。仕事・生活に関わるのは民法ですので必ず目を通すべきと思いますが150ページくらいなので簡単です。

https://www.jica.go.jp/Resource/project/vietnam/021/legal/ku57pq00001j1wzj-att/legal_60.pdf

読むとわかりますが、法律に「おや?」っということが時々書いてあります。たとえば祭日。外国人には自国の建国記念日を休む権利があると定めていますが、これまで関わった会社で知っているマネージャー・社長はゼロでしたし、もっと業務上ヤバい法律もあるのですが知りませんでした。(笑


法律整備が遅れて問題だらけのベトナム経済

コロナ後に特に不動産中心に不況が広がっているベトナムですが、理由の1つが法律の未整備、欠陥問題。もともと細かいルールが定められていない法律を「お客人」がおいしく活用するロシアの共産主義ルールをコピーさせられてしまったせいで、所有権や登記、商取引で様々な問題・事件が発生しています。実はロシアや旧ソビエト傘下では問題となっていて、法律がアヤフヤなため特に経済活動で問題が起きていると国内でも度々報道されました。チェコやポーランドなどEUに加盟した国は逆にガチガチのルールだらけになり苦労していますが、苦労の甲斐あって経済はものすごく成ています。こういうのを見ると、信用や安全(ルール)が経済にとっていかに大切なものかわかります。

ベトナムで経済ニュースを見ているとやったもの勝ちでたくさん金を借りて土地などを我先に専有して行けるところまで行だだもの勝ち。しかし不正がある前提でバブルと破産がおきやすく、泣くのは一般の消費者です。
これは社会の「信用低下」につながり、結果として海外からの投資もはかどりませんし、イケイケの反動で不動産プロジェクトの頓挫や破綻は後を立ちません。場当たり的な様々な「謎ルール」だけは作るのでそれを活用して賄賂をとるなど、悪いサイクルになっています。


知的文盲になりやすい日本の教育

それにしても、現地法人を任されて民法に目を通さないとか、プログラムする前に仕様書に目を通さな位にはありえないと思うのですが、なぜそんなことになるのでしょうか。(※ベトナムの技術者はまず読みません。女子社員が無理やり読み聞かせをします🤣)

法律は社会・文明の根本基盤ですが、その成り立ち・歴史を日本では教えません。なぜか関係ない武家諸法度とか現在の生活や生産活動と無縁な戦国時代の人間関係、人名や年号ばかり。 欧米だと子どものうちに基礎の哲学と文明の歴史をセットで学ぶので法律や社会ルールの根本理解に差が出るのは当たり前ですが、会社や社会の指導層、リーダーまでそうだと様々な問題が発生します。実際に日本だとブラックな会社が普通にあり退職サービスが乱立するような状態にまでなっています。日本も権威主義が根深いことの証拠でしょう。

これほど勤勉で合理的な人多い日本がどうにも世界でパワーを発揮できないのは、ひとえにこの「幼稚にさせておく教育」「権威主義が」が原因だ、とEUとアジア後進国の比較や海外日本企業やそこで働く人たちを眺めていると思わざるを得ません。 思考停止なことはこれに限らず日本が凋落している原因かと思います。労働者・構成している人の質は極めて高いので、やはり中間のマネージャーやリーダーが頭を使わない上の顔色見るだけの組織構造だったり単なる労働者のスライド昇進というのもありがち。いえば経営者が悪いのですが…エリートシステムで実質労働時間がはるかに少ないEUやシンガポールに生産性で負けるのは当たり前なのです。

広告の奴隷?

脱線しますが、日本人が残念だなと思うのはもう1つ。海外で必要な情報・必要な知識については無関心なのに、カフェとかサンダルのメーカーとかには外国の人たちに比べてすごく詳しかったりします。
海外にいると感じるのは、一般的な話としてモノについてメーカーとかそんなに気にしない人が多いです。日本もZ世代以降はそうですがiPhoneじゃないと恥ずかしいとか、島の小作マインドみたいなのはやっぱり強い。
カフェ好き!というので、じゃあコーヒーが好きかというとアラビカとロブスタの区別もなかったり、スムージーが好きだけど実際には全く無知であったりして、「単に消費するように仕向けられている、反応しているだけ」 という印象を受けることが「安い観光地」であるベトナムではよくあります。あんまり知的な人が来ない雰囲気(笑
そしてこの無知な性質はベトナム人やフィリピン人とそっくりです。逆に戦争で非難してきているロシア人とかウクライナの人と話すと、割とモノの本質や行動経験の話になります。広告に沿った消費の話とかまずありませんし、意見を聞くとたくさん出てきて面白い。逆に共産国のベトナム人に意見を聞いても諸々知識がなさすぎで好き嫌いしか出てこないし、知ってるものが好きで知らないとなんか気分悪いので嫌い、くらいの頭の悪さが普通です。まあ反応なんでしょう。
こういう差を見ると日本は外貨は稼いだけど教育や文化は後進国とさほど変わらないことを痛感します。

個人の自由ではありますが、働いて手にした僅かな可処分所得を広告をみて消費するのが生きがいで大丈夫なのかな〜、っと心配になります。


ベトナムの入国法:

https://www.jica.go.jp/Resource/project/vietnam/021/legal/ku57pq00001j1wzj-att/legal_60.pdf

検疫対象植物:

https://www.ippc.int/static/media/files/reportingobligation/2015/09/01/Circular_30_2014_tt-BNNPTNT.pdf

その他法律一覧:

https://www.globalipdb.inpit.go.jp/laws/21218/



記事:
(日本の法律、そのルーツは古代文明ローマにあった)


(知は力なり)

なんと旧約聖書にも「「知恵ある男は勇敢にふるまい、…知識ある男は力を発揮する」という記述があるとか。




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