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元から怪しめ?ベトナム学生の学力低下

「PISA」とは、国際機関であるOECD(経済協力開発機構)が行う世界的な学力調査です。Programme for International Student Assessmentの略称で、日本語の正式名は「OECD生徒の学習到達度調査」で、3年毎に行われています。


ベトナムのランキング急落でショックのニュース

2022年のPISAランキングで急落が話題となっています。背景としてはこれまで4位になるなど「ベトナムは優秀」という情報が多かったのに?というのがあるかと思います。

PISAが2022年調査の得点低下傾向を説明(ベトナムの記事)

「PISA 2022 調査結果によると、ベトナム人学生の 40% が、新型コロナウイルス感染症の影響で学校が 3 か月以上閉鎖しなければならなかったと回答しました。OECD加盟国では、51%の学生が同様の長期休校を経験している。」

「遠隔授業中、ベトナムの学生の 43% は少なくとも週に 1 回割り当てられた宿題を理解するのが困難で、29% の学生は宿題を手伝ってくれる人を見つけるのが困難でした (OECD 平均はそれぞれ 34% と 24%)。」
。。。ということで、コロナで遊んでしまったのが原因としています。

一方、日本は非常に優秀な成績を収め、OECD(先進国)では1-2-1 位であわやトップ独占、世界81カ国でもシンガポールや台湾などの下にはなりましたが総合ではシンガポールの次の2位と言って良いでしょう。

年々賢くなる、という仮説のフリン効果はすでに過去のもので年々愚かになる時代に入っているそうですが、日本は先進国の中に居て、唯一抗っている雰囲気です。😅 

1つ注意したいのは他の国が別の教育方法と結果確認に移行している可能性。覚え教育より自分で考える指導にシフトし出来な人は切り捨てムードも多いため、その国の平均学力に意味がなくなってきている21世紀なのでトップグループ(エリート教育)の海外比較について日本は真剣に考える時期に来てる(遅すぎるけど)と思います。

日本の政治家がバカなのは有権者のせいではなく、教育ステムが整備されていない為、というのがわかります。基礎を作ったナポレオンは偉大でした!

割と持ち上げ気味の界隈の存在

(人手不足や人材中間搾取モデルがあるため)何かと産業界のバイアスがかかった情報が多いのが日系から出るベトナムの情報ですが、以前はこんなレポートも。
http://www.capital-am.co.jp/research/pdf/2019/report_20190704.pdf

実際に仕事をすると、ITの現場でもゲームなどでは必須の1次・2次方程式やsinなど三角関数の概念を理解してないとか、見たこともないという理系の大学出の人がほとんどです。

数学どころか、読解力も怪しい。。。

あんまり言いたくないですが数百人~1000超人規模のIT開発会社で仕事をしても、「方程式」「数の性質」「幾何の基本」を理解しているベトナムITマンにはこれまで出会ったことがありません。 理解とか知識のレベルがかなり異質で、日本でよく見る「あ〜、sinとか習いましたね〜、忘れちゃった」という感じではなく「???」という未知の概念に驚くような反応がほとんどです。

実務では、仕様書などの文書を読んで理解する力も驚くほど低く、多くの開発では読み合わせの会を開いて「皆で理解したフリ」をする儀式をします。
メンバーは言い訳がしづらくなるけど理解はしていないので、その会議で一番わかっていそうなベトナム人(多くは女性)に後でこっそり聞きながら作業をします。

調べてみると、国民の読む本の量の平均は1冊未満/年と、読書好きな日本とかなりの差がありますし、何語でも翻訳して圧倒的な本の質・量がある日本と、母国語の本すら僅かなベトナムでは社会一般の言語運用能力で圧倒的な差があるように感じています。

それにしても、、、どんなテストをしたらベトナムが世界8位になれるのかな? ということで過去について調べたら面白いことがわかりました。

2015年のランキング

数学  日本4位  ベトナム22位
科学  日本2位  ベトナム4位
読解力 日本8位  ベトナム32位  

読解力が32位で科学が4位って….ちょっと考えても不思議です。(笑

※は、コンピュータ型調査の実施ではなく、筆記型調査で実施した国を示す。

2018年ランキング

数学  日本6位 ベトナム N/A
科学  日本5位 ベトナム N/A
読解力 日本15位 ベトナム N/A 

2018年のランキングではベトナムはランク付けから外されています。
教育訓練省によると、この国の得点は読解力テストで505点(13位)、数学で496点(24位)、科学で543点(4位)と主張していますが、何があったのでしょうか?

1つの理由としてベトナムだけがペーパーテストで、コンピュータを利用してい無いから外された、とベトナムのメディは報じていますが…これまでも今後も利用していないんですよね😥

※は、コンピュータ型調査の実施ではなく、筆記型調査で実施した国を示す。

2022年ランキング

数学  日本5位 ベトナム  31位
科学  日本2位 ベトナム  35位
読解力 日本3位 ベトナム  34位

2018年に外された後の復帰第一線は散々だった事がわかります。
お、おう。。。っとなんとなく感じるものがあります。まあ、そういうことなのでしょう(遠い目

※は,コンピュータ使用型調査の実施ではなく,筆記型調査で実施した国を示す。

ベトナムの統計、GDPも怪しいという話

世界情勢や経済に詳しい方には当たり前なことみたいですが、ベトナム関連のニュースなどでよく出てくる「急成長」も数値は怪しいようで、下の動画でメカニズム詳しく解説されています。

大成長を遂げた時期のベトナム11位も、実態は20位以下の圏外だそうで。。。

ベトナムは最近の経済開放までは農業国=18世紀以前の水準の地域がおおく、19世紀の植民地〜ベトナム戦争・中越戦争は荒れ果てたマイナス成長地域だったので、少しの外資が入れば巨大な成長ができる状況であったのは確かと思いますが、他の国と比較する指標にはなり得ないですよね。

差別と思い込み?ベトナム優秀バイアスの実態

気軽にOO人は頭が良い、とか言いますが、これは裏を返せば差別の別の現れです。現在では研究が進み、人種間の頭の良さの差は個人差の大きさを考えるとあまり意味がない、ということがわかっているそうです。

また集団を検査すると学校の偏差値のように、残念ながら人の能力は生まれながらバラバラ、ついこの間までは狩猟採集や原始的な農耕をしていた私達は、アマゾン奥地の原住民と何ら変わりがない知性であることがわかっているそうです。要するに皆、あまり頭が良くなく努力した人が能力を身につける、ということでしょう。要するにPISAの結果はその国の教育システムがPISAのテストで良い点を取れるものか?を示していると言えます。

この動画の中にもアマゾンのエピソードが出てきますが、ある人の考え方は社会構造が決める、というのが定説で、ベトナムの社会状況をよく見れば「これで優秀になる?」というのは(そんな難しいこと考えなくても)疑問符だらけでしょう。

教育システムの問題

ベトナムの学校は日本の斜め下を行く覚え&トコロテン卒業方式で、学力や知識を保証していないことはベトナム人が一番良く知っています。

ベトナムの某一流大学を優秀な成績で卒業された方に聞いた話で「そりゃ、哲学の時間にホーチミン思想教えてるくらいだから」というわかりやすい説明がありました。もちろん共産主義、カール・マルクスを教えるのがベトナムの学校における哲学・社会のスタンダードです。

理系の教育を受けたり、そっち方面に興味がある方は科学と哲学は両足のように互いに支えあって(少なくても西洋史の)文明の進歩を担ってきましたが、学校で教えるところでそもそも「質問を許さない」教育があるというのは「丸覚え教育」になるのも当然と言えるでしょう。

残念ながら日本の教育も未だにその傾向があり、戦前からの覚え教育や「先生」と呼ばせる専制時代・儒教などの影響がもろに残っている社会が学校で、文化性がベトナムと似ているため、日本政府はこれまで前例がないほどベトナム人の労働輸入に前向きなのでは、と見ています。

もう1つ、ベトナム人が優秀(従順な労働者)というときに比較対象は白いアジア人こと日本人との比較ではなく、他のアジア人と比べて(もしくは通貨がベトナム並みに弱い国の人に比べて)という(カッコ)付きの条件があり注意が必要です。


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