RON JUDE の「Nausea」


この前代官山の蔦屋書店に行った時にたまたま手に取ったRON=JUDEの「Nausea」という写真集がすこぶるよかったので簡単に感想を。

RON=JUDEはアメリカ人フォトグラファーなんですけど、私もこの写真集を見るまで全く知らなかったん

この写真集を見て感じたのは、人影なんですよね。
写真集には人一人登場しない。
それなのになぜか人の影を感じる。
自分は全く知らない誰かの記憶を覗いているような、それでいて不思議なことに、自分もその感覚を味わったことがあるような悲しく、儚い印象を受けました。
で写真集のタイトル「Nausea」の意味を調べてみると「嘔吐」なんですよ。
その時ピンときました。これは誰かとの別れを意味する写真集なんじゃないかと。
それは恋人との別れなのか、家族との別れなのか。失恋なのか、死別なのか。
ともあれ悲しい気持ちになる。
今まで他人の写真を見ていて、ある種の感情移入をすることはあったんですけれど、それを他人事ではなく、自分事として捉えたのはこの写真集が初めてでした。
この写真集はアメリカのルイジアナ州とジョージア州にある公立学校の室内を撮った作品らしく、アメリカの公立校など行ったことがない私が、それを自分事として感じるなんて。
それぐらい引き込まれる写真集でした。

蔦屋書店なり大型書店に行く機会があれば、是非一度手に取って見て見てください。
代官山の蔦屋書店にはあるはずです!!


ちなみに。どうやらこの記事を読む限り、私が感じた感覚は、本人が意図したものではなさそう。
書籍要約を読む限りでは漠然とした不安に関しての物語なんですかね。
サルトルの「嘔吐」読んだ事ないので今度読んでみよう。

フランスの実存主義小説家であるジャン=ポール・サルトルが1938年に著した「嘔吐」からタイトルを採った本書

LIVING WITH PHOTOGRAPHY

ロン・ジュードの原点的な写真集『NAUSEA』未発表写真も収録 https://imaonline.jp/news/photobook/20170803-3/ @imaonline_jpより


一つの作品に興味を持つことで、また別の作品に興味を持つ。素晴らしい繋がりですよね。
意図せぬ「きっかけ」としての作品。セレンディピティ。いいですねそういうの。
そんなに深い内容は書いていない。でも、このページに来たら何かしら新しい出会いがあるかもしれない。し、ないかもしれない。
それも自分が予期していないような。出会いがあるのかないのか。
そのような偶然性。きっかけ。を作れたら嬉しいですね。

ここから彼の写真を見ることができます。
ただ、できれば紙媒体で見て欲しいと思う。
可能あれば。人生の15分ほどの出来事。液晶画面越しではなく、そこまで分厚くない書籍を手に取って、その重みを感じなからこの写真集と向き合って欲しいな。と個人的には思います。
Nausea — Ron Jude


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