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私の妊活日記 ~夫のハードル~

不妊治療専門クリニックに通い始めると、私の中にあったもやもやの霧が少し晴れてきたような気がした。


先生に、自分で記録した基礎体温表を見せると、だいたい2層に分かれてるから排卵はしてそうですね、と言われた。
「自分で図る基礎体温は記録自体あいまいなものだから、これくらいで大丈夫です、もし負担になるようなら計測はやめてもらってもいいですよ。」
この言葉だけで毎朝ドキドキしながら計測するあの5分間から解放された。

検査は、まず血液検査から始まった。
そもそも、私に残っている卵子の数が少なかったらどうしよう、とか、どこかに重大な欠陥があったら?とかネットで調べた知識から色んな心配をした。
けれど血液検査は正常だった。
まずは1つ目クリア、そんな気分だった。

それから今後、精液検査やフーナー検査といった次の検査に進むためには、感染症の血液検査が夫の分も必要だという話があった。


夫の帰宅を待って、初めてのクリニックの様子を話した。
それからまずは血液検査が必要だという話をした。

夫は「ふーん。」という興味があるのかないのか分からない返事をしながらも、血液検査については次の休日にすぐに行ってくれた。


後日、私は再診に伺い、夫の血液検査結果も無事に受け取った。
今周期については、検査をしながらタイミングをしっかり取っていきましょうとのことだった。

これまで自己流で基礎体温表を見ながらとか、排卵検査薬を使ってタイミングをはかって夫に伝えてきたが、病院の先生に”今日です”とはっきりと決められるのは案外潔くて、夫にも伝えやすくなった。
この部分でも、私のもやもやは少し減った。


問題はここからだった。
一度目のフーナー検査で、精子の姿さえ見えない「不良」。
先生から”精液検査”を早めに行うように言われた。

そもそも最初から、夫の検査も行うべきことは私も重々承知していた。
けれど私が「病院に行ってみる」と宣言したあの時から、何となく前向きではない雰囲気を察していた。
だから本当は血液検査と同時に精液検査も説明されていたけれど、最初からは伝えなかった。

私側の検査が進むにつれて、夫の検査の重要性が増していく。
たぶん本人も分かっていると思って、いよいよ検査に行ってみようと伝えた。


結論から言えば、夫はまだ病院には抵抗があるという。
”自分たちは不妊だ”と認めたくないのだそうだ。

そんな男のプライドは私には全く理解ができなかった。
そんなプライドよりも、早く現状を理解して”子ども”という目的を得るためにどう行動すればいいのかをなぜ知りたくないのか疑問だった。


私たち夫婦の場合、早く子どもが欲しいと言い出したのは夫であり、私は1年間自由に2人だけの暮らしをしたいから待って欲しいと言った側だった。

女性の方が積極的に友だちと話したり、自分で調べたり知識があるからだろうか。
私は医学の力を借りて子どもが授かるなら、いくらでも借りたい。

毎月毎月、生理が来たら落胆し気分が重くなる。身体だってだるい。
これを身をもって体感するか、ただ報告を聞くだけか。
子どもが欲しいと思い始めたら、少しでも早く授かりたいしそのためには手段を講じたい。

それに出産育児によって生活が変わるのは、やっぱり女性の方が比重が高い。
そのタイミングがいつになるか、自分の人生設計や体力面の心配もする。

こういうことが男性には想像できないのだろうか、と落胆した。


こうして雰囲気の悪い1か月を過ごし、もはや子どもどころではないのでは?とも思った。
しつこく言えば余計に嫌になるだろうと思って、あえてそっとしておいた。
それが功を奏したのか、夫はその1か月で自分の中で整理をつけて決意をしたようで、唐突に今月もタイミングをとってダメなら検査をしに行くと言った。


そして、2度目のフーナー検査も「不良」。
とうとう夫の精液検査へと進むことになり、そこからまた1つ階段を上ることになる。

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