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「本当の自分」と「仮面をかぶった自分」

今日も一日が始まる。

会社では管理職。同期の中でも、先頭を切って管理職入りした。

朝から溜まったメールを読み、テキパキと自分の仕事をこなしていく。

今、数名の部下をかかえている。そして、チャットで投げかけられる部下からの資料確認依頼や相談。それらは頭の中で瞬時に判断がなされ、テキパキと指示をする。

きっと会社の同僚たちは思わないだろう。

目の前で指示を出している私が「一年間も学校へ行ってなかった」なんて。いや、行けなかっただなんて・・・。

ましてや、それから三十年間ずっと、電話恐怖症や醜形恐怖症といった後遺症を抱えていたなんて、思ってもいないだろう・・・。

だって、普通の会社員を演じているから・・・。

「かつて不登校児だった」なんて一言も言ってないから。いや、言えないから。

誰しもが、「仮面の自分」と「本当の自分」といった二面性は多少なりとも持っていると思う。

だけど、そのギャップが激しすぎるせいか、「仮面の自分」をずっと演じているのが、時々しんどくなる。

一方、学校へ再び通い始めてから、もう三十年も経っている。

たしかに、今から三十年前の自分と比較すると、今の自分はだいぶん変わったと思う。これは自分でも認めることができる。

だから、実は「仮面の自分」は、今の「本当の自分」なのかもしれない。演じていた自分が、もう「本当の自分」になってしまったのかもしれない。

でも、何故か腑に落ちない・・・。

きっと、今の自分を演じることに無理をしているからかもしれない。そして、かつて学校へ行けなかった自分を、やはり昇華しきれていないからかもしれない。

演じることが上手になりすぎたのかもしれない。「本当の自分」が分からなくなってきた。どれが「本当の自分」なんだろうか・・・。

「本当の自分」が迷子になっている・・・。