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光の作家「オラファー・エリアソン」の個展に行ってきました

東京都現代美術館で開催されている個展「オラファー・エリアソン ときに川は橋となる」に行ってきました。オラファー・エリアソンさんは世界的に活躍をされているデンマーク人の作家さんです。

作品をつくる上で何を使うか、という選択は作品や作家性に大きく影響します。絵画を描く上で油彩なのか、水彩なのか…また彫刻をつくるのならば木材を使うのか、鉄を使うのか…素材の持つ特性も違いますし、もちろん作品として完成した時の印象も異なります。弊社の事業であるイラスト制作でもPhotoshopやSAIなどソフトウェアにも特性がありますし、自分の作品のためにどう活用するかは各作家さんのこだわりや信念があります。そういったツールや素材で話をするならば、オラファー・エリアソンさんは「光」を使って作品をつくる、そんな作家さんです。

今回の記事では展覧会で見た私の好きな作品を3つ程紹介できたらと思っております。作品の写真なども含むため「情報を入れず観に行きたい!」という人はご注意くださいませ…!

■太陽の中心への探査

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ガラスでできた多面体の中にライトが入っている作品です。中の光が反射し、交錯し、いろんな色の光が展示室を彩って、万華鏡の中に放り込まれたような気分でした。なぜかゆーっくり揺れて回っていたんですが、すこしずつ動いていく景色をずーっと楽しむ事ができます。

オラファー氏は「持続可能な展示」というテーマにも取り組んでおり、この作品に使われている光などもすべてソーラーエネルギーとの事です。独自のソーラーシステムを開発するなど、表現を裏付ける技術さえも突き詰めているところがまたカッコいいんです。

■あなたに今起きていること、起きたこと、これから起きること

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構造としてはとてもシンプルな作品で展示室の一方に5-6個のカラーフィルターをかけたライトが置いてあり、もう一方を照らしているというものです。多方から照らされるので影が多く生まれ、またカラーフィルターの色が違うので影が重なりあう事で影に色がつきます。

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光がポジティブで影はネガティブみたいな語られ方はよくある印象ですが、こんな楽しい影は初めてでした。他の人が動いたり、入ってきたりすると景色が変わるのもこの作品のおもしろさのひとつです。自分がこういう影出したい!って思って動いても他の人の動きと重なってうまくいかなかったり…逆に自分の影と他の人の影が重なってまた違ったキレイな色になったり…なんだかコミュニケーションそのものじゃないですか?なんちゃって。

ちなみに時世を考慮し、展示室に入れる人数はかなり制限されています。そのため土日祝は長く待つ事もあるそうなのでご注意ください!

■人間を超えたレゾネーター

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この作品が一番好きでした!大きなボール状のガラスに光が当たっているんですが、光の屈折などで色が変わり多彩な円を壁に描いてるんです!シンプル!かっこいい!

『新世紀エヴァンゲリオン』の海が赤いのはセカンドインパクトで地球の地軸が変わり太陽光の入射角がズレたから青から赤になった…という話を聞いた事があるんですがそれを思い出してました。(調べてみたんですが劇場版から違う解釈なんですかね…違ってたらすみません…)

とにかく力強い作品でした。仏像をみてるような緊迫感すらありました。また解説によると「暗い海を明るく遠くまで照らす灯台の光の仕組みが応用されて」いるそうで、どうやらフレネルレンズというものらしいです。作品を見たその時はシンプルだと感じましたが、こういったレンズの構造を使って光の強さを調整したり、屈折率や入射角を計算し色を表現していると考えると…この作品の緻密さが伺えますね…。

■まとめ

というわけでなんの文脈もなく好きだった作品を紹介させて頂きました!冒頭でネタバレ注意的なことも書きましたが、展覧会の醍醐味はそれが「体験である事」だと思っています。レストランや遊園地にネタバレが無いように、展覧会もまたその場にいって作品に対峙して五感を使って体験をする事こそが楽しみだと思います。会期はあと少しになってしまいますが、ぜひ脚を運んでみてください!お読み頂きありがとうございました!

東京都現代美術館「オラファー・エリアソン ときに川は橋となる」

■おまけ

「おさなごころを、きみに」という展覧会が同時にやっていたのですが、その名の通りおさなごころを思い出させてくれる作品が多々あるステキな展示でした。あの時憧れていたヒーローになれた、35歳。(撮影時のみマスクを外しています!)

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