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『無門関』第三十六則 路逢達者

本則提唱口語訳

五祖法演禅師は「道で道に達した人に出会ったならば,言葉や沈黙で相対してはならない。

さて何をもって相対したら良かろうか。」と修行僧達に問うた。

説明

道の達人とは言うまでもなく禅の高僧ですね、

ところが道で合ったら言葉であいさつをしても、

黙って通り過ぎてもいけないと言います。

さてそれではどのようにすればよいのでしょうか。

願っても出会えない最高の機会を逃す手は無いでしょう。

ここで仕掛けてみるのが生きた機鋒を学ぶチャンスです。

指を一本立てた和尚さんが居ましたが。

拳を高く上げるのも良いかもしれません。

おそらく何も起こら無かった如く見て見ぬふりするでしょう。

なに吹く風の如く、達人であればそれくらいでは驚きません。

ただし我を忘れて命を捨ててかからなければいけません。

というのは気を抜いた瞬間一喝を食らうのは覚悟しておく必要があります。

気を抜いた瞬間は人間の一番弱い所でもあるのす。

しかしこれも経験で座って居るばかりが修行ではありません。

禅とは命を懸けた集中力が大切です。

一喝を食らえば考えなくっても集中するものだと知ることに成ります。

禅者は殺人剣を何時も持ち歩いているから気を付けなければいけません。

返す刀で必殺間違いなしです。

殺人剣を軽く考えてはいけない、刃より恐ろしいのです。

これを活人剣と言い生き返ること間違いなしです。


参考引用
『公案実践的禅入門』秋月龍眠著 筑摩書房
『無門関』柴山全慶著 創元社
『碧巌録』大森曹玄著 柏樹社

最後まで読んでくださり、ありがとうございました。


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