妙高から教育の未来はつくれるのか
こんにちは、みょうこうミライ会議事務局の藤田です。
日本の教育は今大きな変化の中にいます。
平成29・30年の学習指導要領の改訂やコロナ禍で前倒しでの導入が進められているGIGAスクール構想。
当の子どもたちは知識の習得だけでなく、非認知能力とも言われる思考力・コミュニケーション力・人間性などが、より求められるようになっています。
一方で、実際の教育現場を見てみると、不登校やいじめ、子どもの貧困、教職員の多忙化、また、地方においては過疎化による児童数の減少など、国が定める方針とは裏腹に、より複雑で深刻な課題を抱えています。
本当に”地域の教育”は変われるのだろうか。
しかも、そのモデルを一地域から作り出すことはできるのだろうか。
そんな地域の教育の課題にアプローチしていく「みょうこうミライ会議」が新潟県妙高市ではじまります。
今回は、地域の教育課題にアプローチするために準備している3つのことについてご紹介させていただきます。
みょうこうミライ会議とは、
妙高市が抱える課題を行政だけでなく、妙高市民、都市部企業人材とともに、解決に向けての道筋を考える官民連携プラットフォームです。3~4ヶ月の政策検討の末、妙高市長に対してプレゼンテーションをし、市やまちとしての事業化へと繋げて行きます。
教育委員会や行政職員とともに検討テーマを設定
みょうこうミライ会議では、各チームの検討テーマや内容などを “仕様書” という形でまとめ、検討の方向性を定めています。
今回はこの仕様書作成段階から、教育委員会やこども教育課などの妙高市役所職員の方々に議論に参加いただき、検討テーマを設定しました。
議論を通じて設定したテーマは「夢を持ち、自ら人生を切り拓き、生き抜く 妙高版 ”ほんもの教育” の実現」です。「自ら夢を持って、それに向かって頑張る子」が増えて欲しいという皆さんの意見から、このようなテーマにしています。
さらに、妙高市の教育方針である「第Ⅳ期 妙高市総合教育基本計画」が掲げる「夢に向かって人生を切り拓き、たくましく生き抜く妙高っ子の育成」にも沿ったテーマにすることで、公教育の方向性に合致した枠組みにしています。
「ありたい姿」ベースで考えていく。そして構想だけで終わらない本気の政策立案
妙高の教育における課題は、他の自治体の学校が抱える課題と大きく変わりません。児童数の減少、不登校やいじめ、子どもの貧困、教員の多忙化など、課題ベースで考えていくとキリがないのです。
なので、今回の会議では「ありたい姿」ベースで考えていくようにしています。
妙高市内の学校では、コミュニティ・スクール、キャリア教育フォーラム、部活動指導員制度の活用などすでに様々な取り組みが実施されています。
一方で「夢を持ち、自ら人生を育む子どもたちを育てたい」という「ありたい姿」を考えたときに、自ら考えて行動する子どもを育成するようなプログラムが不足していることがわかりました。さらに、そのプログラムを持続的に提供するための教員側の環境整備が必要であるという認識も共有できました。
ありたい姿の達成に向けて、「検討テーマ①:妙高市の資源を活用した次世代型の教育プログラム開発」と「検討テーマ②:テーマ①を実現する上で必要になりそうな教職員側の環境整備」その2つを検討軸として進めていきます。
教育現場の課題をオープンにし、民間・NPOとの接点をつくっていく
未来の教育を考えるためには地域の教育における課題をオープンにし、先進事例を持つ民間の取り組みとの接点を作っていくことも重要です。
今回の検討に当たっては、4つの都市部企業・NPOが会議に参画し、妙高市とともに次世代育成に向けた教育プログラムや教員の多忙化解消政策を考えていきます。
具体的な企業名などはまだお伝えできないのですが、教育と言えばこの企業・団体という方々がこの夏、妙高に大集結する予定です。
国や世界が未来に向けた方針を描けども、地域の教育もすぐに変われるとは限りません。そんな公教育に、行政だけでなく民間企業や NPOとともに本気でアプローチしていくみょうこうミライ会議がこの夏、妙高市で幕を開けます。
乞うご期待ください!