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liner notes#01│The 3rd Album ‘Sticker’ - NCT 127

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2021年9月17日にリリースされたNCT 127のThe 3rd Album ‘Sticker’は、2020年3月に発表した「NCT #127 Neo Zone」以降、約1年6ヶ月ぶりのカムバック。予約開始1日で予約注文数が130万枚を超え、発売から1週間で200万枚を突破しダブルミリオンセラーを達成。11月2日現在で販売数は2,406,507枚。韓国の音楽番組1位10冠を達成し、11月2日(EST)に発表された米国ビルボードのメインチャート「ビルボード200」では106位で6週連続チャートインを記録。

全11曲で様々なジャンルの曲が収録され、NCT 127のカラーがたっぷり表現された、まさにNEOなアルバム。ボーカル、ラップ、パフォーマンスなど、耳で聴いて目で見て楽しめる五感をNEOに刺激してくる期待作。

オンラインインタビュー会にて今回の活動を通じて得たい目標や成果を尋ねられ、ドヨンは「数字でもよい成果を得ることができたことはとても意味のあることだが、長い時間を経てカムバックしたアルバムなので、今回の活動が全て終わった時に”今回はとても充実したものだった”と長く記憶に残るものになるよう、すべてを注ぎ込んで活動したい」と語っている。彼らがそれをまさに体現したアルバムになっているのではないだろうか。

Who is STICKER

Sticky Mood Sampler

Album Type

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Sticky ver.
メンバーごとにフルーツやフラワーがあしらわれたキービジュアルで、イリチルカラーの緑ベースに黒を基調としたカラフルでNEOなデザイン。それぞれのメンバーに対して、本人が出てこないイメージのみのビジュアルで世界観を表現しているところがイリチルらしい。まさに、それぞれに意味があるのでは?と読み解きたくなるイリチルの世界観。このVer. はジョンウのお気に入りだそうで、「全体的な雰囲気とコンセプトがファンタジックでポイント。ゼリーをくわえている姿が何より致命的にかっこいいと思っている。」と語っている。

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Seoul City ver.
ソウルの夜の街と彼らが大人っぽく妖艶に馴染むデザイン。含みのあるしっとりとした表情が魅力的。開封動画によると、ヘチャンのシーンは真っ昼間に撮影されたが、夜の方が雰囲気が出るからと編集したそう。NCTの世界観では外せない重要な赤と青が基調となっているところもポイント。

ORICON NEWSのインタビューでティザーフォトのお気に入りカットを聞かれ、ジョンウ以外がSeoul City ver. と回答。都市の夜景や感性がうまく表現されており、ソウルを基点に羽ばたくイリチルにぴったりとのこと。テヨンは「ソウルってこんなにきれいだったんだ!と、改めて、新鮮に感じられた」そうで、ユウタは「ソウルの夜景だったが、不思議と日本の夜景のようにも感じられて、親しみを感じられた」と語っている、感性豊かな彼らに似合うコンセプト。

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開封動画

Teaser

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1. Sticker

中毒性強いシグネチャーの笛の音が印象的で耳に残る楽曲。強烈なベースラインにジャジーなピアノサウンドが加わり、複雑な音の調和がクセになるヒップホップダンス曲で、ラップはもちろん聴きどころなのだが、ボーカルを聴かせる場面もあり、1曲の中に様々な要素が溶け込んでどんどん顔つきを変えて現れてくるような印象。何よりも注目したいのは、実はこの曲はバックサウンドがほぼパーカッションのみでメロディーラインは彼らの歌声で成立していること。こんなにもガイドがない中でブレずに聴かせてくる歌唱力は圧巻。メインボーカルとサブボーカルの組み合わせごとに色合いがあり、さらに合いの手や効果音も全て彼らの声で構成されてるため楽曲の奥行きが深い。声を一つの楽器、構成要素にしてくるあたりや、そらを前提に作られた楽曲を乗りこなしてくる彼らのスキルに感服する一曲。ドヨンいわく、イリチルのカラーとユ・ヨンジンのカラーが一つになった曲とのこと。

歌詞には複雑な世界の中で愛する人といつも一緒にいながら二人だけの歴史を綴っていくという内容が込められている。テヨンとマークがラップメイキングに参加しており、グループ全体のことを考えながら歌詞を書いたそう。テヨンは「最初にタイトルを聞いたときは、”TOUCH”のような爽やかな曲を想像したが、笛の音を聞いた瞬間、『僕たちはこれだよな』と思った。とても難しい曲で、どのように表現するかをとても悩んだ。」と語っている。この難しい楽曲を、「僕たちはこれだ」と言えるのはやはりイリチルの持つ高い音楽性がそうさせているのだろうし、彼らには「イリチル」というジャンルをやっていくという気概があるがゆえなのではないだろうか。マークいわく、イリチルが今までやったことのない新鮮なパフォーマンスも見どころのひとつ。ステッカーが貼り付くようなハンドジェスチャーや、イリチルが得意とするフォーメーションダンスで、全体でカッコいい画を見せるパフォーマンスが特徴。MVのコンセプトは、映画の西部劇をベースに未来的なイメージを加えた不思議な雰囲気に仕上がっており、CGなど様々なギミックが施された新鮮な作品になっている。ラストシーンのピンクの砂嵐は、ワンテイクで撮れるよう最小のスタッフで撮影に挑んだとのこと。ジョンウいわく、自身のパートで登場する「L.O.V.E」のワードについて、レコーディング時にプロデューサーのユ・ヨンジンから「もっと味わい深く歌うように」とアドバイスをもらったそう。まさしく「とても味わい深く」聴ける一曲になっている。

2. Lemonade

レモネードと聞くとぱっと浮かぶのは、甘くて爽やかで明るいポップな雰囲気ではないだろうか。イリチルにかかるとレモネードも辛味のある力強い味になる。爽やかさとは裏腹に一度聞いたら忘れない強烈な印象を残すこの曲は、レモネードをかき混ぜるように自信溢れる態度で「世の中のノイズのような話は聞き流し、苦い味を甘い味に変える」という現代のSNSが発達した社会に一石を投じるような爽快感のあるヒップホップダンス曲。ジェヒョンの粘り気のある「Lemonade」から始まり、メンバーそれぞれが織りなす粘着質のある歌い方が強い味。曲の終わりはテヨンの粘り気のある「Lemonade」で締めくくられ、ループしたくなる中毒性がある。“Sticker”同様に彼らの声が音の構成要素の一つとなりほぼ彼らの声のみでつくられているため、彼らの実力を噛み締めるのに十分な楽曲といえるだろう。

ジャニは「タイトルから連想するイメージとのギャップが魅力で、この曲を一言で表すなら“LAZY”。リラックスしてレコーディングができた」と語っており、ユウタは「僕たちのバイブスやカラーが表現されながらも、とても聞きやすい曲」という理由で最愛ソングに挙げている。ヘチャンいわく、ティザー映像の公開時、ヘチャンのパートの歌い回しが方言のようだと言われ、自分でもキリングポイントに感じているそう。パフォーマンス、衣装もイリチルが表現する「レモネード」を体現したクールな仕上がりになっているので注目。

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3. Breakfast

アップテンポでノらずにはいられないフューチャーハウスダンス曲。愛する恋人と夜が明けて空が明るくなるまで一緒にいたいという恍惚な感情を描いた楽曲。歌詞は恍惚な感情を赤裸々かつ詩的に表現しているが、それをあえてアップテンポの中で、しかし歌声は含みのあるしっとりさを持って歌い上げるところが憎い。ボーカルを聴かせるシーンでは伸びやかで繊細に、ラップでは落ち着いたローボイスで訴えかけるように、彼らならではの心奪われた感情の伝えを極めた楽曲。

4. 같은 시선 (Focus)

イリチルの驚異的なボーカルラインの実力が光るミディアムテンポのR&B曲。原題を直訳すると「同じ視線」。タイトルの通り、深まる愛を、お互いの視線に陥っていく姿で表現したしっとりとした曲で、とにかく感情的にドラマチックに聴かせてくるナンバー。メロディラインがとてもグルービーで雰囲気があり、耳からアーティスティックさを感じる。甘いメロディを消化する個々の能力が響き合った甘美な楽曲。

ユウタいわく海を背景に物語を展開する感覚的なラブソングだそうで、お互いのまなざしに惹かれる姿を、水の中にすべるように沈んでいく姿に例えて表現しているとのこと。そんな意図にのまれるように、聞けば聞くほど魅力に沈んでハマっていく曲。この曲についてテイルは「グルービーな雰囲気を出すために、自分もだが他のメンバーも苦労しながらレコーディングしたことを覚えており、それだけにとてもいいものができあがったので満足している。」と語っており、ジョンウは「リズムを少しずらして歌わなくてはいけない感じが難しかった」とのこと。テヨンは「どのパートもメンバーの力量を感じる仕上がりになった」と話しており、まさしく彼らの力量により、グルービーな雰囲気に沈んでいく感覚を楽しめる楽曲。

5. 내일의 나에게 (The Rainy Night)

「耳を魅了される」という表現が適切な楽曲。別れを受け入れられない状況から抜け出せない、切ない状況をしっとり歌ったポップバラード曲。原題訳は「明日の私に」。イリチルは大衆的には迎合しない、常に驚きをもたらすイリチルジャンルのナンバーが最大の特徴だが、こういったしっかり聴かせてくる、歌声でストレートに仕上げてくる楽曲も魅力。こういった楽曲がタイトル曲になることはほぼないが、他ジャンル曲とはまた一味違う味わいがあり、決して一辺倒ではなく多彩に表現してくるのがイリチルのアルバムだ。彼らの歌唱スキルが高いが故に美しく成立し、落ち着いているようで力強い雰囲気とハーモニーがよい飽きさせないバラード曲。

テイルは「メンバー全体としての魅力を感じてもらえると思う」という理由からこの曲を最愛ソングに選んでいる。メンバー全員が聴かせられる実力を持つことを実感できる曲。

6. Far

夢に向かって宇宙を超えて進んでいくという堂々としたメッセージのポップダンス曲。まるで夢を追い続けてきた彼らの今までと、これからへの意志を力強く打ち出したような歌詞で、勢いと意志を感じる歌いっぷり。イリチルの楽曲全体に通しての注目点ではあるが、勢いのあるアップテンポの楽曲でもボーカルの聴かせどころがあったり、裏側でメロディーラインをしっかり歌っていたりと、多彩な表現が一曲の中に入り混じり次々と現れてきて、一貫した中にも目まぐるしく変わる顔つきがあることが味わいだ。この曲もバックサウンドはほぼビートのみで、彼らの声のみで構成されていると言っても過言ではない。ほぼアカペラでここまで作り上げる実力とはいかに。

7. Bring The Noize

「一撃を加える」という気持ちが込められており、周りの目を気にしないで自分たちだけの道を行くという抱負が打ち出されたインパクトのあるハイブリッドトラップのヒップホップ曲。「Bring The Noize Bring The Noize」が耳に残りクセになる、個性的なラップやトラップなど、ハイブリッドな魅力のある曲。車のエンジン音やクラクションの音など効果音が入り、多様なパーカッションの音により臨場感のある仕上がりになっている。ラップの表現が多彩なのだが、歌のようなラップではなくしっかりラップとして存在しつつも単調にならないとにかく多彩な表現力が魅力。ジャニは「これを聴いて、僕たちのファイトを感じ取ってほしい」と話していた。振り付けにはテヨンが参加している。

8. Magic Carpet Ride

愛する人と夜空を遊泳するような夢幻的なコンテンポラリーバラード曲。ヘチャンの最愛ソングで、童話の中にいるような気分になれるムードと歌詞が大好きでずっとハマっているそう。個人的には「보게 될 테니(見ることになるから)」のメロディーが何とも耳馴染みがよくて好きな楽曲。詩的な歌詞も美しい。フレーズ内で語尾に向けて音程が上がっていくところや、サブボーカルの伸びやかな裏メロディーに実力が垣間見え、メインとサブが固定されず織りなすように入れ替わっていることで楽曲に深みが出ているように感じる。

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9. Road Trip

恋人とロードトリップに旅立った感情を温かく表現したミディアムポップ曲。楽しくてわくわくした感情が目一杯詰まったような、好きな人への溢れでる愛おしい感情が伝わってくる、温かくてポップな、無邪気さのある楽曲。TrackVideoではメンバーでロードトリップに行った模様が描かれており、普段の彼らのままのようなじゃれあいが美しく愛おしい。イリチルの和気藹々とした仲の良さが滲み出たMV。

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10. Dreamer

ジョンウの最愛ソング。朝起きた時やモーニングコールとして聞くと気分がよくなれる、イージーリスニングで気楽にリラックスできる曲とのこと。みんなで一緒に夢を見て楽しもうという希望のメッセージが込められている。軽快に、楽しげに、わくわく感が滲み出る歌いっぷり。イリチルの世界観で重要な「夢」をテーマに描かれた曲で、TrackVideoも読み解きたい作品の一つとなっている。

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11. 다시 만나는 날 (Promise You)

愛する人と別れた後、いつかまた会える日に伝えたい真心がこめられたミディアムポップ曲。ファンに再び会える日を待ちときめく気持ち、ファンに必ず伝えたいメッセージを込めているそう。意図の通り、サウンドからはときめく気持ちを感じ、彼らの優しげで切実げな歌声に感情が揺さぶられる。オンラインで行われたインタビュー会で本アルバムの最愛ソングを聞かれ、ジャニ・テヨン・ジェヒョン・マークが本曲と答えている。 

ドヨンはインタビューで「個人的に大好きな曲です。愛する人と別れた時に、またいつか会いましょう、と願う気持ちが込められています。僕たちとファンの皆さんとの今の状況に似ているなと思い、真心を込めて歌いました。皆さんと再び会える日のことを思って聴くとぐっときます。メロディは清涼感があり、歌詞には真心がある、そんな一曲です。全体を通しても、久々のカムバックなので、待って下さっているファンの皆さんがどんな姿で僕たちが出てきたら喜ぶか考えました。同じものの繰り返しではつまらない。新しいもの、面白いものは何かを考えて作ったので、素敵なアルバムになったと思います。」と思いを語っており、彼らしい優しさのある言葉の通り、穏やかで優しい楽曲。

Stick Together

テヨンが「最近はコンテンツを通じて泣いたり笑ったり、エンターテイメントを楽しむ世の中になった。今回、僕たちは様々なコンテンツを準備しているのでたくさん期待して欲しい。」と語っていたように、NCTは普段からバラエティに富んだ企画力光るコンテンツがコンスタントに公開される。今回のカムバック企画ではメンバーが1泊2日で余暇を楽しむ姿が全4回にわたり公開され、買い出しから料理まで手慣れた感じで楽しむ彼らや、ゲームやカラオケ、スポーツを無邪気に楽しむ彼らに出会うことができる。EP.2のカラオケでのテイルの歌唱は圧巻。家カラオケとは思えないクオリティ。あまりに感動して「ヒョン、ありがとう」というマークと同じ気持ちをみんなが感じたはず。とにかく仲がよく、どの組み合わせも推せる。掛け合わせ無限大のケミも魅力。

彼らの素晴らしさは音楽性だけでなく、人間性にも多分に現れる。互いに違いがあることを当たり前として、自分の価値観を押しつけない、相手の行動や発言を”相手”という視点で汲み取り、尊重する。そんな姿がどんな彼らからも当たり前に感じられるのもコンテンツの見どころのひとつ。多国籍がゆえもあるだろうが、表に出す出さないはありつつもメンバー全員がとりわけ内省力が高く、思考性が深い人格であるがゆえの発言や行動なのではないかと感じることが多い。節々から圧倒的なEQの高さを感じる。それは、彼らが苦労を乗り越えていくなかで自分と向き合い、他者と向き合うことで培ってきたものなのではないだろうか。

Behind

見逃せないのがビハインド。彼らが時間をかけ、思考し、コンセプトを消化していく姿が公開され、彼らの音楽性の高さ、コンセプト消化力の高さが存分に感じられる。自分たちで意見を出し合い磨き上げていく姿は”アイドル”というよりは”アーティスト”に感じる。

デビュー以来努力し続ける秘訣について、ドヨンは、「5年という時間は決して短くはなかったが、デビューし、多くの経験を重ねてきた中でも変わらないのはファンの皆さんとの関係だ」と話している。イリチルの良さは、ファンとの関係を「互いに応援し合い、良い影響を与え合う絆のある関係」とメンバーが認識しているところ。ここでは多くは語らないが、彼らは驚くほど頻繁に配信を行い、近況を話したりコメントを通してファンと会話したりする場面が多々ある。時に1人語りをしたり、悩み相談をしたり、ファンの悩み相談に乗ったり、ファンと絆を深めつつお互いの人生を尊重して生きていこうとする自立した関係であるのとを望む彼らに美しさを感じる。

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#Sticker1stWin 🏆
2021/9/23(THU)│M COUNTDOWN

#Sticker2ndWin 🏆🏆
2021/9/24(FRI)│MusicBank

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#Sticker3rdWin 🏆🏆🏆
2021/9/25(SAT)│쇼! 음악중심

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#Sticker4thWin 🏆🏆🏆🏆
2021/9/28(TUE)│THE SHOW

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#Sticker5thWin 🏆🏆🏆🏆🏆
2021/9/29(WED)│SHOW CHAMPION

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2021/9/30(THU)│M COUNTDOWN

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#Sticker7thWin 🏆🏆🏆🏆🏆🏆🏆
2021/10/1(FRI)│MusicBank

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2021/10/2(SAT)│쇼! 음악중심

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#Sticker9thWin 🏆🏆🏆🏆🏆🏆🏆🏆🏆
2021/10/3(SUN)│SBS 인기가요

#Sticker10thWin 🏆🏆🏆🏆🏆🏆🏆🏆🏆🏆
2021/10/7(THU)│M COUNTDOWN

Media🖋

※画像:公式より

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