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my note#04│NCT 127”THE LINK”の備忘録 - 思慮深さと暖かさに触れて

NCT 127の初の日本ドームツアー「NCT 127 2ND TOUR ‘NEO CITY:JAPAN - THE LINK’」。5公演中、東京2公演と大阪1公演の3公演に行きました。あまりにもいろんな思いが込み上げる素敵なツアーだったので、感じたことを忘れないように書き留めておきたいと思います。

今回のツアーは、NCT 127初となる待望のドームツアーで、2年半ぶりの日本公演でした。とてもありがたいことに全公演席がとても近く、等身大の彼らの表情を肉眼で見れたことと、込み上げるさまざまな感情に自分でも混乱していて、特に東京ドームが終わった後はいろいろな感情が溢れて整理できないまま、余韻に浸るというより、むしろなぜか少し放心状態だった自分がいました。東京ドーム後のなんとも言えない感情を言語化できないまま時間が経ってしまい、あっという間に大阪公演を迎え、全公演を終えた今、今回のドームツアーの感想を忘れないように書き留めています。

メンバー同士の愛、シズニへの愛、支えてくれる全ての人への愛と感謝で溢れた暖かくて包み込まれるような公演でした。彼らが何度も「シズニがいるからここに存在できる」と言ってくれていたのが印象的だったのですが、それは感謝の気持ちからくる言葉だとも思いつつ、やはり本当にそうなのだろうと。アーティストは自身がアウトプットするパフォーマンスを享受してくれる受け手があって初めて成り立つ職業で、ましてや55,000人規模のドームで公演ができるということは、それだけの受け手がいてこそなのだろうと。競争市場の中で戦う彼らはそれがどれだけすごいことかを日々痛感しているのではないでしょうか。イリチルはデビュー時から一貫して大衆に迎合しない独自の音楽性を貫いて来たこともあり、思うようにはいかない時間が長かったグループで、6年という時間をかけて地道にファンダムを形成してきているからこそ、規模を拡大しながら“存在し続けられる”ことの重みを知っているのだと思いました。デビューしてからここまで、やるせない気持ちや葛藤や辛さを感じながらも止まることなくひたむきに歩み続けて来た彼らが、今ここで輝いている理由のひとつになれていることに誇りと幸せを感じ、イリチルを応援したいと思う理由、イリチルを好きでいる理由が詰まったツアーでした。

ここからはメンバー個々人に感じた思いを書き留めていこうと思うのですが、全体を通して、彼らの人間性に改めて感動したツアーでした。個人的に、人間としての素晴らしさを強調して何でも美化することはある種のグロテスクさを感じるので、決して美化したい訳でも、“良い人間であるべき”と言いたい訳でもなく、あくまで私が感動したり美しいと感じたことの感想です。

🌕TAEIL

テイルの歌声と歌う姿に何度鳥肌が立っただろう。言葉にはし難いが、胸の内側からふわっと優しく、けれど強く打たれたような衝撃が彼が歌うたびに何度も走った。テイルのステージはテイルだけのもので、私たちファンは見ることはできても一切入る余地のない世界観が広がっているような、そんな気がした。普段は穏やかでいい意味でマイペースで、イリチルのマンネだと愛される最年長テイルさんだが、ステージに立つと表情も佇まいも全てが異世界の人のように感じた。

名古屋に出られず東京が初ステージだったことや、東京ドームというある種の緊張感がある場所たったことなどのせいか、東京公演では完璧なステージを全うするような硬派さが感じられたが、対して大阪では、のびのびと感じるままに彼の思うままの世界観で歌っているように感じた。のびのびとした世界観が心地よくてずっとそこにいたいと思いながらふわふわした感覚で聴いていたと思う。

思うことはたくさんあっても言葉数は多くないテイル。各公演の最終メントも比較的凝縮されていたが、大阪最終日はめずらしく長く話していたらしい。個人的に、テイルさんは何かきちんと伝えたいときはじっくり考えてゆっくり紡ぎたいタイプだと思っている。故のメントの凝縮さなのだろうと感じているので、サプライズを見てそれだけ感情が溢れたのだろうと愛おしかった。涙を堪える姿も、メントで一生懸命話してくれる姿もテイルさんの素敵なところが詰まっていて、最終日もこの目で見たかったと悔やまれる。

今年からテイルを筆頭に韓国メンバーがお国の義務を全うしに行くことは変わらぬ事実で、今年の活動期間があと半年を切ったテイルには今いろいろな感情があるだろう。そんなことを感じさせずテイルらしいパフォーマンスを思いっきりのびのびと見せて体感させてくれたことに心から感謝しているし、これからもずっとその姿を応援させて欲しいと思った。

🐱JOHNNY

「世界で1番大きい拍手してください」「To the world 여기는 NCT 안녕하세요 NCT127입니다ってする様にシズニ達もTo the world 여기는 NCT 안녕하세요 시즈니입니다って言うのはどうですか?」などと会場を巻き込んで一体になろうとする姿が印象的だったジャニ。

全公演通して暖かさが溢れ出るような笑顔で全力でパフォーマンスをしてシズニへ愛を向けてくれているように感じ、広くて深い包容力と暖かさに溢れた人だと改めて身に染みた。東京公演2日目は開演が早かったためドーム内が明るかったのだが、「今日は明るいので皆さんの顔がよく見えます!可愛いですね〜!」「みなさん本当に美しいです」と優しさと愛情を向けてくれていたジャニ。ジャニという人は、向き合う相手を優しさや暖かさや思いやりで包み込んでくれる人なのだろう。全体を通して、楽しいトークでは更に盛り上げ、少ししんみりすると粋なジョークを交えて場を和ませ、その場に寄り添いつつも明るく暖かい空間になるようにしてくれているような気がした。東京初日にテヨンが「僕は未熟なリーダーですが…」と涙ながらに思いを話し始めたときには一番遠くから真っ先に駆け寄り「お前が一番かっこいいよ」と声をかけ、テヨンの姿を見て自分も涙してしまったユウタのことはすかさず抱きしめていた。ジャニというムードメーカーが寄り添ってくれていることが、イリチルをいつも肯定的な方向へ導いていってくれているのではないだろうか。

以前、自信が揺らいでしまうときや、恐れが出てしまうようなときは「“自分は大丈夫なんだ、自分は怖がってなんかいないんだ”というのをあえて外に表現することによって、克服していきます」「決心だと思います。“これ以外ないんだ、自分にはこれしかないんだ”というふうに思うこと、それが原動力になると思います」と語っていたジャニ。そのインタビューを見てから、根っからの陽気キャラで“ポジティブな人”と見られがちだが、本当は、“ポジティブであろうとする人”なんじゃないかと感じている。「僕たちの幸せになってくれてありがとうございます(手紙)」という言葉には、彼がさまざまな経験を通して楽しさや幸せだけではなく、辛さや苦しみも感じながらここまできたことを“ポジティブに”表現しているように感じたし、「今日が終わりじゃなく始まりです」という言葉の中には、今後に馳せる思いがただ楽観的に未来に期待するだけではないことを感じさせられた。彼のポジティブな言葉の中にはきっとたくさんの感情があるのだろうと思いながらも、彼の言葉をそのままポジティブに受け留めて前向きに応援していきたいと思った。

大阪初日「今日はYUTAにとって特別な日だったと思います。生まれた場所、大きな会場、そしてこんなにたくさんのファンの皆さんの前で公演をすることがどんなに幸せなことか。そしてメンバーにとって大切な一日は、みなさんにとっても大切な一日だと思います。大切な一日を作ってくださって、本当にありがとうございます」と話していた。ユウタの故郷大阪でドーム公演ができることに、メンバーみんなが自分のことのように誇りや幸せを感じていること、彼らが幸せに感じることはファンにとっても幸せなことだというまさに“THE LINK”を体現した発言で、彼らと共に何かを共感したり共有したりできることに幸せを感じた。

「ひまわりはいつも太陽の方を向いているから、いつも前向きにポジティブに捉えようとする気持ちが湧いてくる」と常に太陽の方を見るひまわりのようにポジティブにという意味が込められたタトゥーを持つジャニ。“ポジティブであろうとする”彼の姿をこれからも応援できることがこの上ない幸せだなと思ったツアーだった。

🌹TAEYONG

NCTというグループ全体が持つ穏やかな肯定感、“前だけを向こう!”とか“高みを目指そう!“というのではなく、今がどんな状況だったとしても、肯定的に捉えつつ、かと言って無理にポジティブであろうとすることもなく、時には悲しみや苦しみや辛さをそのまま受け入れると言う肯定も必要だというような、そんな穏やかな肯定感が好きなのだが、その空気感があるのは紛れもなく、テヨンというリーダーの存在が故なのだろう。素敵だよ、かっこいいよ、誇らしいよ、愛おしいよ、といった肯定的な感情をその時に躊躇うことなく表現することのできる人。メンバーにも支えてくれるスタッフにもファンにも。そんな姿が溢れたツアーだった。率直な気持ちを表に出すことは勇気のいることなはずで、ましてや他国でそれをするには言語的ハードルもある。自国の言葉でも他国では伝えたいニュアンスに捉えてもらえるのか、他言語で伝えたいことを伝えられているのか…それでも伝えようとしてくれるテヨンの真っ直ぐな感情が伝わってきて何度も胸がいっぱいになった。

東京初日、最後のメントで堰を切ったように感情が溢れ出したテヨン。メンバーへ涙ながらに思いを口にしていた。涙の背景については「メンバーとここまでくるには多くの努力があって、多くのスタッフの方たちが努力をしてくださったからこそだと思うと感動して涙が出ました。
」と取材に答えている。いつも人として誠実でいよう、相対する人に真摯でいよう、という姿勢を強く感じるが、その姿を目の当たりにした瞬間だったように感じる。

実は僕は今回日本に来て、NCT 127の活動をしながら一番幸せだった記憶があります。メンバーの大切さもより感じる機会になったと思いますし、正直こうして久しぶりに…お互いに忙しかったので頻繁に会えなかったんです。僕たちがここまで来ましたが、なんだかみんな一緒にいるときに温かい言葉を聞くのが久しぶりだったと思います。だから今日僕がメンバーたちに…君たちはとても……
これまでしてあげられなかったことも多い気がしてすごく申し訳ないし、本当はこういうことはリーダーが元気づけなきゃいけなかったんですが…みんなとても愛おしくてかっこいい。
みなさん僕は未熟なリーダーです。メンバーたちがいるおかげで僕もここにいるんです。本当にありがとうございます。
5/28 最終ment

東京初日に溢れ出した涙に対し、大阪最終日のサプライズでは「元々僕はこういう映像を見ると絶対泣くんです。でも、みなさんが泣いてる時には泣きたくないと思いました。だからずっと我慢してみなさんの顔を見てるんですが…(泣きそうになるので)なかなか顔を見られないですね」と語っていたそう。人に対して寄り添う、誠実で真摯な姿勢がここでも溢れ出ていた。大阪公演では2日間ともアンコールのエンディングでセンターの自分のオブジェに乗るようユウタに声をかけ、交換してくれていた。感情も高ぶっている中で、そんなに咄嗟にできることじゃないだろう。彼がいつも周りを気にかけて愛情深く見守っているからこその行動なんじゃないかと胸がいっぱいになる。

リーダーとしても、アーティストとしても、例え足りない部分があったとしても今自分ができることを最大限に真っ当し、今自分が向き合っている人たちへ応えようとするテヨンがこれからの歩みの中でどんなことを感じ、どんなことを経験していくのか。それが今はとても楽しみで、もちろん楽しさだけで進んでいくことは難しいだろうけれど、それでもその時々を穏やかな肯定感を持って幸せに楽しく
歩いて行ってほしいと思った。そんな姿を時たまでもいちファンとして垣間見れたら嬉しい。

🍒YUTA

この人はどこまで落ち着いてどっしりとした人間なんだろうと尊敬を超えて感服した。彼が決意して韓国に渡ってからここまで来るのにどれだけの経験と感情を経てきたかと思うと形容し難い感情になる。やっと掴んだ夢の舞台。母国での公演で自分がはりきったり目立ったりしてしまうのが普通だろうに、むしろユウタは一歩後ろからメンバーを見守っているように感じた。トークでは助けを求められない限りはメンバーの日本語にやたらと口を出すこともなく、メンバーが楽しそうに会話する姿を優しく見ていた。冷静でいようと思ったって感情が高ぶる環境の中で、なかなかできることではないだろう。

名古屋公演での「もしいつかこの場所に立てなくなっても、応援してくれて見てくれるみんながいる限り、僕はどこでも、いつまでも歌って踊れると感じました」という言葉がずっと胸に残っている。ユウタ自身が今の状態が長く続く訳ではないだろうことを痛いほど知っていて、それでも肯定的に目の前の現実と常に真っ直ぐ向き合おうとしているように感じた。東京ドームという大きな夢を叶えた今、ここからがまた始まりだが、今年兵役が始まると次完全体になるのは2030年ごろ。グループとして活動しにくい期間が今年からしばらくの間彼らには訪れる。その間、イリチルとしてどう歩んでいくのか、彼らを取り巻く環境はどうなっていくのか、そんな不安も入り混じる。ユウタの言葉を通して、それを彼ら自体が一番感じているのだろうとなんとも言えない切なさが募ってしまった。この先がどうなろうと、その時のイリチルを最大限応援してあげたいと心に誓った。

韓国に行った時から色んなことがあって、日本デビューして4年、東京ドームでやりたいってずっと言ってて、昨日の夜かな?その夢が目の前にあるのがすごく怖かったんですよ。2年3ヶ月っていう空白もあったし、皆が満足出来るパフォーマンスを出来るかなってずっと思ってました。でもなんかその怖さだったりっていうのがこういう風にみんなの前に立って顔を見た瞬間に自信に変わって、それが凄く楽しい時間に変わって...まぁ異国の地ですごく頑張ってきて、ここだけじゃないんですけど、日本に帰ってくる度にこうやって皆が笑顔で待っててくれてそれが俺にとってはすごい心強くて、こんなに嬉しい事無いなって本当に今日改めて思いました
5/28 最終ment

「Butterflyをやった時、ふと会場を見たらすごく包まれてる感じがして、思わず笑顔になっちゃったんだよね。本当は笑うつもりなかったんだけど」と東京公演2日目に話していた。表現力が高くいつもその表情や所作に機微な感情を感じる。この先もユウタの感じたことを感性のままに表現したパフォーマンスを見続けられたら嬉しい。

🐰DOYOUNG

根幹がプロ意識と誠実さの塊のような人。歌う姿はもちろんなのだが、全公演を通してほぼ全てのトークを日本語で行っていた。私も他言語学習者なので、東京公演でドヨンの日本語を聞いて、相当勉強しただろうなと感じていたのだが、東京公演後に公開された隔離中のVlogで日本語のオンライン授業を受けていて、本当にいつもとことん努力する人だなと。東京ドーム1日目のエンディングではオブジェに乗って上がっていくとき目を瞑って手を合わせていたのだが、「みんな幸せでありますように」とお祈りしていたという。もともとドヨンの発する言葉の数々がとても好きなのだが、こういう人だからこその言葉の数々なんだろうと改めて感じさせられた。

大阪公演初日では、ドヨンの言葉にハグしようと近寄るユウタを「泣きそうになるから」と拒んでいた。メンバーへの愛に溢れているからこそそうなのだろう。大阪公演最終日のサプライズでとめどなく涙を流したドヨン。日頃から授賞式後やカムバのステージ後など、要所要所で思いを語ってくれる彼だが、それでも、そこには収めきれないほどのたくさんの感情があるんだろうなと感じる。何かに向ける思いがいつも真っ直ぐに感じる人だが、それは言葉だけでなく歌や踊り、佇まいからも滲み出ている。この感想もドヨンは思いをまとめられなくてなかなか書き出せず、一番最後に書いている。深くて暖かい誠実さが滲み出ている彼の、その深さをこれ以上拙い言葉で言語化したくないので、ここまでにする。

2020 MAMAの受賞後、「本当に大きな夢を持ってデビューしましたが、時間が経つにつれて夢が小さくなって現実に適応していく僕たちを見るようになって悲しくて辛い時期がありました」と言っていたドヨン。この先も大きな夢を見て幸せな思いが溢れる時間がたくさんあることを願っているし、ドヨンのように私も「みんな幸せでありますように」と祈りながらありたいと思った。

僕たちの夢の舞台だった京セラドームで公演することができて本当に嬉しいです。ホールツアーの時から今まで僕たちのことを応援してくれたおかげでこの舞台に立つことができました。皆さんありがとうございます。
今日悠太お兄さんの故郷で公演できて本当に嬉しいです。
今日特別に、悠太さんに、いつも一緒にいてくれてありがとうございます。そして、今日本当に本当にありがとうございます。またここで会いましょう。
6/25 最終ment
ドームツアーは僕たちの夢のような時間でした。昨日も話したんですけど、約3年前にホールツアーをした時、メンバーたちみんなが必ずドームステージの上で普段のみんなと会わなきゃと思ったんですけど、みんなのおかげでこの機会が出来ました。ありがとうございます。今回の講演を絶対忘れられません。韓国語でちょっと話をしてみます。大丈夫ですか?

本当に…僕もそうだし、メンバーたちもそうだし、皆さんもそうだし…すごく大変なことや心が痛むことがあるじゃないですか。でも本当に…僕も知らない僕の中にある辛くて大変なことたちが癒されていくようでした。みなさんにとっても僕たちがそういう存在になれたらいいと思うし、僕たちを、僕をこうしてより良い気持ちになれるように癒してくれて本当にありがとうございます。
6/26 最終ment

🍑JAEHYUN

イリチルでは普段から口数が多い方ではなく、テンション高くはしゃぐタイプではないが、落ち着いていて悠々とした荘厳な見た目とは裏腹に、意外と人を笑わせるのが好きで笑いに貪欲だったり、楽しい空間では素直ににこにこ微笑んでいたり、決して日頃からクールガイというわけではないところがジェヒョンの魅力の一つだと思っている。そんなジェヒョンの素敵な面にたくさん出会えたツアーだった。

クールな曲はクールに、しっとりとした曲はしっとりと、楽しい曲は明るく、パフォーマンスは各曲の色合いをしっかり出し分け、没入して徹底したクオリティでステージをする人だなと以前から思っていたが、ソロ曲のLOSTを筆頭にジェヒョンの生み出す各曲の世界観に浸ってしまった。そんなプロアーティストの一面とは別に、トークやガチガチに振り付けがない楽しく盛り上がる曲ではめいっぱい楽しそうにしていたことが印象的だった。ソロ曲のLOSTについて「この曲は空虚で憂鬱なときに使った曲なのに、今はとても楽しいです」と大阪最終日に笑顔で話していたというのも印象深い。本人が課題としていると過去話していたストーリーテリングをいろんな色で表現できたということなのかなと感じた。

東京公演では、「僕たちを以前からずっと好きでいて下さった方も、最近好きになって下さった方も、こうして誰かを熱烈に好きで応援して下さるのも、こんなに多くの方々が一つの場所へ集まるのも、決して簡単ではないと考えると、このように信じられないようなことを叶えてくださりありがとうございます」と語っていたジェヒョン。いろんな思いのファンが集っていることを理解した上で、今この瞬間を分かち合おうとしてくれる感じがして好きなメントだった。

大阪初日、「東京のときはオープニングでオブジェに乗って宙に浮いてる時にグッときたけれど、なぜか今日はメアリとParadiseでぐっときました。それが何故なのか、ホテルに戻って考えたいと思います」と話していたが、最終日に、「昨日メアリの時に何故か泣きそうになったという話をしたんですが、それは突拍子もなかったんですけど、さっきの映像がその説明をしてくれたみたいです。僕らが昔からやってきた姿を見たし、誰かを好きになってくれる気持ちを見たし…それで泣きそうでした」と語ってくれていたそう。ファンから向けられる思いにぐっときてくれたことが一ファンとして嬉しく思うし、「こういう感情は簡単に感じられるものじゃないじゃないですか。それを感じさせてくれてありがとうございます」という言葉にも感動した。人を好きになる気持ちの尊さを、人を好きでいる気持ちの尊さを改めて感じさせてくれる言葉だった。

名古屋公演では、「生きてるって感じがする」と話し、始終「DREAMS COME TRUE!ですよね!」と笑顔で語っていたジェヒョン。過去、埼玉スーパーアリーナのオーラスでは「僕は好きな人の前では涙を見せません」と泣くのをグッとこらえて言っていたジェヒョンが最終日に流した涙に一体どんな気持ちが込められていたのか、彼の発する言葉の奥にはどんな心理が込められていたのか、それを憶測することはしたくないが、そういう面を表には出さない彼が、これからもステージの上では無邪気に楽しそうで、“生きてる”と感じながら、たくさんの“DREAMS COME TRUE”をファンと共有してくれることを楽しみにしている。

🐶JUNGWOO

2018年から途中加入したジョンウ。当時はカムバで1位を取ったときも、ツアーのメントでも、いつも「僕には泣く資格なんてないのに」と言いながら込み上げる思いに大泣きしていた。緊張しすぎてステージ前にはガチガチに固まり悲壮感漂う顔になってしまっていたジョンウが、とびっきりの笑顔と自信に満ち溢れた表情でのびのびとパフォーマンスしていたことに何よりも胸打たれるものがあった。ジョンウがイリチルにとってかけがえのない必要不可欠な存在であるということを、ジョンウ自身が自分で自信を持って証明したのだと感じてそのことに感動した。

名古屋公演ではソロパートについて「少し悔しかった部分がある、もっと上手くやりたかった」と溢していたそうだが、東京公演2日目には「昨日はセクシーキューティーだったので、今日はキューティーセクシーな感じにしました」と笑顔で話していたのが印象的だった。自分のステージに自信を持って、魅せ方に悔しさを持ったり工夫をしたり、彼がのびのびと、心からステージを楽しんでいるからこその発言だと感じて嬉しかった。

どのステージも全力投球で歌って踊り、トークでは始終笑顔で楽しそうにしていて、日本のファンが喜んでくれそうと覚えてきてくれたであろう日本語も一生懸命使いながら合いの手を入れたり発言していたことがとても愛おしいかった。全てに対してひたむきで真っ直ぐで全力なジョンウ。ここまで来るのにどれだけのプレッシャーや苦しみ、辛さを乗り越えて来たのだろうかと思うと胸が熱くなるし、それを乗り越えるだけの努力は一体どれほどのものだっただろうと思うと無邪気で明るい笑顔の奥にある彼の感情に思いを馳せたくなる。大阪公演最終日では、サプライズ映像を見て涙した理由を「すごく感動していたんですが、隣を見るとドヨニヒョンがわんわん泣いていて、僕はそれほどでもなかったんですが、泣いてしまいました」と語っていたと言う。過去ずっと、「途中参加した自分には(過去の苦労や苦しかったり辛かったりした経験をしてないから)泣く資格なんてない」と言いながら大泣きしていたジョンウは、きっと、自分がイリチルに相応しく認めてもらえる人にならなきゃと人には見せない努力し続け乗り越えてきた過去よりも、メンバーが苦労しながらここまで来たことに寄り添いたい気持ちが強いのだろうと感じた。彼にとってここまで来るに至る努力は途中参加した自分には当然すべき当たり前のことで、それよりも、デビューから想像以上に長く辛い時間を過ごしたメンバーが今ここで報われて涙している姿に込み上げるものがあったのではないだろうか。そして、その感情を自分も本当の意味で共感し共有できていることにも喜びと感慨深さを感じたのではないだろうか。

のびのび楽しく明るくかわいいジョンウだが、メンバーへの深い愛情や気遣いがあり、自分がイリチルにできることは何か、自分がイリチルとしてできることは何か、をずっと考えてきたのだろう。今まではそんな側面が強く見えていた気がしたが、今回のツアーを通して、これからはもう、イリチルのジョンウとして自信を持ってのびのびと楽しく自分らしく、更に大きな翼を羽ばたかせる姿が見られるのだという確信を与えてくれたような気がして、彼が羽ばたく空がどんな世界なのかと期待が募った。

🐯MARK

全ての公演を通して、この人はどこまでもマークという“アーティスト”なんだとひしひしと感じさせられた。自分が表現する、表出するものに深く意味を持ち、プライドを持ち、丁寧に丁寧に思慮深く生み出していく人なのだろうと。一つ一つの楽曲、一つ一つのダンスの所作、それらによって表出される彼の表現や感性全てに、全力で、ひたむきで、真摯に、真剣に、ただひたすら向き合っているのだと強く感じた。そんなマークが向けるまなざしに、マークの持つ、深く紡ぎ上げられた言葉にならない感情を感じる。彼が今この瞬間に向けるこのまなざしをいつまでも思い出せるように、目に焼き付けたいと心から願った。

東京公演で「言いたいことはたくさんあるのですが…」と言っていたものの、多くは語らなかったマーク。公演後「自分の気持ちをうまく言葉で表現できなかった」と語っていたが、言葉を通さずとも、パフォーマンスとまなざしが彼の感情の深さを語っていたと感じている。マークがあの場で感じた感情はマークの中にのみ存在していて、私たちには図り得ないが、きっとこれからもパフォーマンスを通してマークの感性や感じた感情を体現してくれるのだろうと思っている。

東京公演はパフォーマンスに集中しているように見えたが、大阪公演では客席を見ながらシズニとの時間を味わっているように感じた。大阪初日「僕はステージに立つとき幸せを感じるんですが、皆さんが今日はとっても幸せそうで、それを見て僕もとっても幸せな気持ちになりました」という言葉を向けてくれていた。東京では、ステージに立つときに幸せを感じている姿を、大阪では、幸せそうにしているファンの姿に幸せを感じている姿を、見せてもらったように思う。ファンと幸せな気持ちを共有し高めあえる関係を築こうとしてくれる姿勢にも、マークが向き合うものに向ける真摯さを強く感じた。

僕達も日本に来られない日がずっと長く続いていたんですが、その期間ずっと黙々と待っていてくださって、そして僕達が日本に来たらすぐに会いに来て、そして応援してくださった皆さんありがとうございます。本当に多くの方が助けてくださったから開催することができました。
皆さんにありがとうございますという言葉を伝えたかったですし、メンバーのみんなにも感謝の気持ちを伝えたかったです。ずっと話してきたことですが、僕達の夢であったドームツアーを叶えてくれて、本当にたくさんありがとうございます。これからもたくさん会いたいです。そして会いましょう!そして、ありがとうございます!
5/29 最終ment

大阪2日目、マークが涙を流したと聞いてそれだけで込み上げるものがあった。2018年のTHE DREAM SHOWでは涙を流しながらも落ち着いて自身の卒業に対し「これがもっとなにか、全てのために良いことになるかもしれないので、涙は出ますが、ただ良いことだと思ってもらえたらよいです」と前向きでいようと自分にも言い聞かせるように話していた。これ以上、マークが(DREAMが)涙を流す理由が、悲しみや辛さなど耐えがたい気持ちからくるものでないことを願ったが、上を見上げながら涙でアンコール衣装の袖を濡らしていたと聞き、生きていれば誰もが悲しみや辛さを避けることはできなくて、それを乗り越えた先にある楽しさや幸せ、また訪れる向き合わなければならない悲しみや辛さを繰り返すように経験し、その中で様々な感情が織り成されるのだろうと感じた。織り成された厚みの分だけさまざまな感情が絡み合い、言葉では表現し難い感情を生み出すのだろう。サプライズ映像を見て、「今この状況で、昔の自分たちの姿を見ると、なんだか少し悲しい気持ちになりました」と話していたそうだが、目標であり夢だったドームツアーを達成しても、過去を振り返ると辛く悲しい気持ちを乗り越えなければいけなかった場面は数々あり、手放しに達成感と楽しさだけを感じることはできないのだろう。東京初日のテヨンとユウタが涙した時も、少し離れてただ立ちすくんで見守っていたマーク。いつもはメンバーの涙を見守るマークが、あの場で何を思い、感じて流した涙なのか、その理由を拙く憶測するようなことはしたくないと感じた。

以前「ステージでは幸せに見られたい(※ニュアンスが曖昧です)」と語っていたマーク。彼の言葉を借りるなら「まだ世界を知っていく途中の青年」が、この先さまざまな経験をしながら紡ぐであろうかけがえのない感情を、これからもステージを通して垣間見させてもらいながら、率直に素敵だとその姿に幸せを感じさせてもらえたらと思う。

☀️HAECHAN

その名の通り、イリチルの太陽。全公演を通してキラキラ煌めく光で照らしてくれたヘチャン。持ち前の明るさと愛らしさで見てる人をこれほど幸せに感じさせてくれる人はそんなに多くないんじゃないかと思うような、太陽のような人だが、きっとそれは根っからの明るさや愛らしさというよりは、彼がここまで歩いてくる中でしてきた経験とそれによって出逢った感情や感覚を彼自身が自分で咀嚼し、常にどうありたいのかを考えてきているからなんじゃないだろうかと感じた。そうして表出されたものが私たちが見て感じている太陽のようなヘチャンという人なのだろうと。普段から思慮深くあることを全面に出すことはあまりないが、人には見えないところでいろんなものと深く向き合っているのだろう。私たちが夜には太陽が見えないように、昼には煌めく光で照らし、夜にはじっと何かと向き合っているような、そんなヘチャンを垣間見た気がした。

ルーキーズアプリがあった、彼がまだ“ドンヒョク”で活動していた時代、“ドンヒョクが1番公演をしたいところは?”という質問に「東京ドーム」と答えていた話をしつつ、「東京ドームにはSMTOWNでも来たりしながら、“本当に手にしたいけどいつ手に入るかも分からない、本当に遠くにあるだけのもの”だったそんな場所でこうして楽しく公演をする事が出来ている。その事自体が人生を通して本当に深く感謝しないといけない事だなと思いました」「東京ドームでの時間が過ぎるのが本当に早いです。僕らは東京ドームに来るまで6年かかりましたが、2日で終わってしまって残念です」と語っていた。大阪公演最終日にはしゃがみ込んで立てなくなるほどに涙し、「次に来る時はドームツアーができるだろうか?そんなことを思いました。当たり前なことなんてないじゃないですか。でも、僕らはまたドームツアーができるようなアーティストになって、一生懸命走り続けていきますので…」と語っていたという。ルーキーズ時代から今まで、NCT 127とNCT DREAMという2つの固定グループを兼任しながら歩んできた中で、どれだけのことを経験してどれだけの思いを抱えて来たのだろう。この言葉に至る時間をヘチャンが歩いてきたのだという胸が締めつけられる気持ちと、どこまで行っても謙虚に努力し続ける姿勢を持っていることに尊敬の念を抱いた。 

毎公演、「実は僕が皆さんに必ずお伝えしたい言葉があってここに書いてきたんですが読んでもいいですか?」と準備してきてヘチャン。今回のステージを通して、歌もダンスもアーティストとしてのスタンスも全てにおいてプロ意識の高い人だと感じる場面が多かったが、毎回のそのコメントに特にプロ意識とこの仕事にかける思いや彼自身が大切にしていることが表れていた気がする。

遠くまで行った時にみなさんひとりひとりの顔を見たら、僕らの方が幸せなはずなのに、もっと幸せそうな顔をしていて、もっと頑張らなくちゃと思いました

この空間をいっぱいにしてくれて感謝しています、僕達はいつも皆さんと一緒にいます

大阪まで来られない方もいらっしゃると思うので、そういう方のために僕が書いてきました
5/28,29 最終ment

彼の言葉の中にはいつも愛情と暖かさが込められていると改めて思う。「人前に出て歌って踊ることは僕たちにとって事実上仕事ではあるけど、その瞬間が楽しくて幸せなんです」と言う彼のメントの言葉通り、どのステージもプロ意識を持ちながら心から楽しんでいることが伝わってきて幸せな気持ちになった。過去「この仕事を好きな気持ちだけは絶対に変わらない」と話していたことや、ご時世が落ち着いてきたらやりたいことに真っ先に「コンサート」と回答していたヘチャン。メンバーへの愛情に溢れ、ファンへの感謝と思いやりに溢れた太陽のようなヘチャンが、心から楽しんでステージに立つ姿をこの先もずっと応援したい。

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Ready for tour

NAGOYA -5/22

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TOKYO - 5/28,29

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下段右:ドヨンInstagram 他3枚:Twitter @NCT_OFFICIAL_JP
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ORICON NEWS公式Twitterより/撮影:田中聖太郎 氏
WOWOW公式Twitterより/撮影:田中聖太郎 氏
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OSAKA - 5/25,26

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大阪初日の直前会見の映像が公開されていました。

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