Shure AONIC50 VS BOSE QuietComfortⅡ ノイキャン対決!
今回はShureから出たAONIC50と、私が持ってるBOSEのQuietComfort35Ⅱ(以下QC35)を比較した結果を書いていこうと思います。
まず、AONIC50のスペック。
周波数特性 20 ~ 22,000 Hz
感度@ 1 kHz 97.5 dB/mW
インピーダンス@ 1 kHz 39 Ω
最大入力 100 mW
質量 334 g (11.8オンス)
ゲイン +2.05 dBi
動作周波数 2402 MHz-2480 MHz
モジュレーションタイプ FHSS
RF送信出力 +4 dBm (EIRP)
サポートされているコーデック aptX, aptX HD, aptX Low Latency, SBC, AAC, LDAC
※SHUREの公式サイトより一部引用したものです。
続いてQC35のスペック。
・・・なんと、BOSEの公式サイトには実寸と質量(234g)のみしかスペックの記載がありませんでした。キャリブレーションしてみないと正確な特性は分からないですね。
ブラウンがAONIC50、シルバーがQC35です。
AONIC50のカラーバリエーションはブラウンとブラック。QC35Ⅱはピンク、シルバー、ブラックです。
AONIC50はパッドが厚く、ボディも頑丈ですね。装着した時、結構頭にズッシリ来る印象がありましたが、QC35よりも100gほど重く、長時間装着してると少し疲れそうだな〜と思いました。ヘッドバンドも開き具合が鈍いです。が、その分ちゃんと密着するので、例えば頭を前に傾けたりしても落ちそうな気配はなかったです。
ノイキャン時の音質は想像してたよりもフラットで、中音域が少し弱め。以前試聴したShureのSRH1540を思わせる内容でした。サポートしてる周波数帯域はSRH1540の方が広いですが、がっつり低音が出てるわけでもなく、かと言ってハイファイでもない、かなりバランスの取れた聴き心地です。ノイキャンを使用しなくても、周波数に大幅な違いはないように思えました。強いて言うなら、やや低音域が減少したかな。AONIC50はリスニングだけでなく、モニター用途でも十分活躍してくれそうです。
SHUREはアジャスタブル・ノイズキャンセリングという固有名称の技術を採用してますが、仕組みに関しては公式サイトに記載がありませんでした。BOSEと同じANCなら位相反転で環境音を遮断してます。むしろそれ以外にあるんか?
2.5時間の充電で最大20時間使用可能となってますが、15分の充電でも4時間程度使用可能!
ヘッドホン側で出来る操作は電源、再生・停止、音量調整の他、ノイキャンレベルも調整可能。有線で使用するためのミニステレオジャックを搭載。USB端子はType-Cなのでデジタル音声入力も可能。
静止画で申し訳ないのですが、↑はiPhoneとペアリングして音量MAXで音楽を流して音漏れの度合いをチェックしてます。結果から言うと、ビックリするほど音漏れしないです。音圧バリバリのEDM流してるんですけど、ビート音がかすかに聞こえる程度でした。
ShurePlus Playというアプリをインストールすることで、イコライザー調整が可能になります。プリセットを組むことも出来るので、聴くジャンルによって色々試してみるのも面白いですね。
続いてQC35。
QC35はとりあえず軽い。ヘッドバンドはアルカンターラというカバリング素材を使用しており、頭頂部も押さえつけられてる感じが全くなく、イヤーパッドは軽く耳を覆われてるような感覚。頭を前に傾けるとやや落ちそうになることがあります。これは個人差あるかもしれませんが、AONIC50に比べるとフィット感はイマイチ。
音質に関してですが、ノイキャン時はBOSE特有の低音ブーストが掛かり、フラット時は低音がグッと消えて、高音域が上がりカスッカスな音になります。(これは位相の影響もあると思います)
ノイキャンモードに慣れてしまうと、フラット時のカスッカスな音質に戻ることは出来ません。それほどBOSEの低音は気持ち良いのです。ミックス途中でもBOSEのノイキャンで良い仕上がりに聞こえてしまうので、モニターには不向きです。
ヘッドホン側で出来る操作は、電源、再生・停止、アクション。アクションは割り当てられた機能を使用するためのボタンです。デフォルトはGoogleアシスタントになってます。Bose Connectというアプリで割り当ての変更が可能です。ノイキャンレベルの調整も割り当てれば可能になります。(当初の私はヘッドホン側ではノイキャンレベルを調整出来ないと思ってました・・・)
2時間の充電で20時間使用可能ですが、15分の充電でも2.5時間使用できます。この点はAONIC50に軍配が上がりますね。
USBはMicro-Bなので、この点はType-CのAONIC50に軍配が上がりますが、正直Type-Cで恩恵を受ける人って、普段からハイレゾを好んで聴いてる人ぐらいしか思いつかないです。
では、恒例の音漏れチェッカー!
まあ、私は所持者なので既に結果は分かってますが、はい。
いやぁ、すごい音漏れしますね。AONIC50と同じ内容で曲を流してるんですけど、全パート綺麗に聞こえてきます。改めて確認すると酷いな〜これは。外出時、結構大きな音量で曲を聴くんですけど、上記のこともあって電車やバスの中では比較的小さめの音量で聴いてます。この点は断然AONIC50が優れてます。
Bose Connectのアプリで、先ほど書いたアクションボタンの割り当て変更の他、2台のBOSEヘッドホンに音楽の共有を可能にするなど洒落乙な機能があります。(正直、要らない)
続いて両者の細かい部分の比較になりますが、AONIC50の電源はボタンを2秒間押してオン・オフを切り替えます。QC35はボタンをスライドさせるだけなので秒数を気にせずオン・オフを切り替えることができます。これは完全に私の主観ですが、AONIC50の2秒間押し続けるという動作はちょいとストレスに感じます。押した瞬間でいいじゃん!って思っちゃいます。
ノイキャンレベルの調整はAONIC50がスライドで行うのに対し、QC35はボタンを押して変更します。この点は両者特に気にならず、どっちでもいいやって感じです。
QC35は電源がハウジングの表面に付いてて、基本操作のボタンがハウジングの側面に付いてるのに対し、AONIC50は全ボタンが側面に付いてます。そんなこともあり、AONIC50をヘッドホン側で操作しようとした時、少々手こずりました。慣れれば大丈夫ですが、各部が独立した配置になってるQC35は丁寧に感じました。
評価と余談。
両者を比較した感想をツラツラ書きましたが、トータルで見て、私はAONIC50が優れていると思います。
ノイキャンの元祖であるBOSEですが、私の持ってるQC35も現行品とは言え、他社の既存製品を研究し、その上で最適なパフォーマンスを発揮できる後追いのAONIC50が優れているのは当然と言えるでしょう。
リスニング用途だけならQC35でも十分だと思います。QC35で聴くキックやベースの音って、マジで気持ち良いんですよね。イコライザー機能を付けてないのも、スペック表記がないのも、自社製品のサウンドマネジメントに自信があるという表れなのだと思います。
デザインで言えば断然BOSEです。カラーバリエーションもブラックの他にピンクやシルバーがあり、若者受けも良いかなーと思います。SHUREはブラックとブラウンの2色展開ですが、いずれも渋いというか、端的というか・・・外観もゴツいし、もう少し遊び心があっても良いんじゃね?って思います。
各メーカーサイトで採用してるモデルさんやシーンを見ても、両者の方向性やターゲットが何となく垣間見えますね。SHUREのターゲット層はエンジニア、アーティストなど、音質やスペックにうるさい人向け。BOSEはオフィスワーカーやフリーランス、あと普段から好んで音楽を聴く一般層向け。(超ざっくりなイメージ)
以上!!
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