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【2023年最新版】普段使いにも! おすすめのモニターヘッドホン TOP3【DTM】

アノニマスDTM編集部でございます。

本記事では、自分に合ったモニターヘッドホンが分からないとお悩みのDTMerさんのため、現場経験もある筆者が『これだ!』と思ったものをTOP3に絞って紹介していきます。

【TOP3】 TAGO STUDIO T3-01

TAGO STUDIO T3-01

初めて実物を手に取った時は、透き通るような木製のハウジングに魅了されました。美しいまでのナチュラルなデザイン、ダイナミック且つフラットな音質。

特定の音域に優れてるというより、空間再現度が非常に高いと感じました。アコースティック、ジャズ、またオーケストラなど、生楽器中心のジャンルは音の輪郭や前後感が鮮明です。

TAGO STUDIO T3-01

ハウジングの木目はナチュラルで艶やかな触り心地です。楓木材を削り出して加工しており、個体ごとに色味や木目が異なるのも、メーカーのこだわりを感じます。

TAGO STUDIOの「TAGO」は、代表の多胡さんの名字が由来となっています。バンドマンと作曲家の眼を持っている方のものつくり精神は、音楽家にとっても心強いですよね。

TAGO STUDIO T3-01

好みのリケーブルがあれば、取り替えも可能です。3.5mm端子のため、新たにリケーブルを購入する場合はご注意ください。

TAGO STUDIO T3-CB11

特にこだわりがなければ、純正のT3-CB11を使い続けるのが良いでしょう。

TAGO STUDIO T3-01 スペック

【TOP2】 NEUMANN NDH20

NEUMANN NDH20

NEUMANNが初めてリリースしたモニターヘッドホンです。目を惹くインダストリーなデザインは、モニターヘッドホンの中でもズバ抜けてビジュアルがカッコいいです。

NEUMANNと言えば、U87やTLMを思い浮かべる人が多いと思いますが、ヘッドホンやスピーカーも業務用レベルの品質に加えて、使い勝手も良いです。

NDH20

周波数帯域は5Hz 〜 30kHzまでサポートしており、音の明瞭さやレンジの広さは群を抜いて優れています。特に低音が心地よいです。

ハイハットなど、金物のシャリ音も耳を突くような感じはなく、とても上品な聴き心地です。

NEUMANN NDH20

形状記憶式のイヤーパッドはきちんと耳にフィットし、長時間の使用でも疲れず、やわらかい感触です。そのため、DTMerだけでなく、MIX師にもおすすめです。

NEUMANN NDH20 クイックガイド&スペック

ヘッドホンの入力端子は2.5mmです。出力側の機器に3.5mm端子のヘッドホン端子がない場合は、6.3mmの変換プラグを付ける必要があります。

6.3mm→2.5mmのリケーブルでおすすめは、オヤイデのHPSC-63HD500です。プラグ部分はバヨネットロックを採用しており、緩みやズレに強い構造となっています。

過去の記事で詳しく書いてるので、よろしければ合わせてご参考ください。

作曲よりもミキシングに注力される方は、オープン型のNDH30が良いでしょう。20よりも更にドライで色付けのない音質で、こもりがちな低音もスッキリとしています。

【TOP1】 OLLO AUDIO S4R

間違いなく1位だなーと思ったのはこいつです。クローズド型とは思えないほど、音の情報が細かく、ダイナミックレンジが非常に優秀です。

OLLO AUDIO S4R

ヘッドホン、特にクローズド型でのモニターは、スピーカーと違い各パートの音が密集して聴こえてしまい、分離感を掴むのが難しいとされていますが、S4Rはその点を見事にクリアしています。

OLLO AUDIO S4R

個人的には着け心地が他のモニターヘッドホンと比べても圧倒的に良いと感じます。一見、シックなビジュアルもあり重たそうな印象を受けますが、長時間着けてても疲労を感じさせない重量感でした。

OLLO AUDIO S4R フリケンシー測定値

メーカーによるフリケンシー測定(周波数測定)でも2kHzまで波は一切なく、驚くほどフラットです。筆者も初めて試聴した時は、音の前後が聴き取りやすく、各音域がきちんと分離されてる印象を受けました。

OLLO AUDIO S4R

レコーディング用モニターヘッドホンとして銘打ってありますが、ミキシングに向いてないわけではありません。

特性上、クローズド型は低音がこもりがちで高音の抜けが悪いとよく言われますが、S4Rはフリケンシー測定値からも分かる通り、フラットで正確な音を出してくれるので、ミキシングにも十分通用します。

OLLO AUDIO S4R スペック
OLLO AUDIO S4X

レコーディングはせず、ミキシング・マスタリングだけする方にはオープン型のS4Xがおすすめです。S4Rよりも抜け感が良く、低音も更にドライな仕上がりです。

とは言いつつも...

S4RとS4Xを比較試聴した感想としては、S4Xは確かに分離が良く、高音の抜けも申し分ないのですが、S4Rもそれに劣らないぐらい良いので、ぶっちゃけ明確な違いが分からなかったですwww  

強いて言うならS4Xの方が高音が多少スッキリしてるかな〜という印象です。

以前、ニューモデルのS5Xがリリースした当初、代理店アベンドートの代表さんとお話をする機会があったのですが、Sシリーズはそれぞれの良さがあり、同シリーズでも別物として考え、分かる人が聴けば分かる...

ということを仰っていましたが、それは形式的な言い分で、必ずしも「耳が肥えていない初心者が買うなよ?」って意味ではないと解釈していますw

メーカーの意向も考慮し、S4RとS4Xを適性的におすすめするなら下記のような感じになるかと思います。

[S4Rが向いてる人]

●普段から歌や楽器をレコーディングする
●バンドの曲を自分たちでレコーディングしてミックスもする
●普段使いとして、映画や動画の音声もクリアな音質で聴きたい
●ワンランク上のモニターヘッドホンにステップアップしたい

[S4Xが向いてる人]

●ミキシングの精度を上げたい
●音の分離がきちんとされるモニターヘッドホンが欲しい
●複数の再生端末でリファレンスをする
●用途別にマスタリングをすることが多い

補足

周波数特性の広さでモニターヘッドホンの良し悪しは決まりません。

例えば、TOP3のT3-01は5Hz〜40kHz、TOP2のNDH20は5Hz〜30kHzとなっていますが、人間の可聴範囲は20Hz〜20kHzです。

ミックス・マスタリング時も可聴範囲以外の音は切り捨てて考えるのが妥当です。また、ストリーミング向けのミックスでは、ローエンドやピークはカットされるケースがほとんどです。

一般のリスニング環境も考慮し、スマホの内蔵スピーカー、リスニングイヤホン・ヘッドホンでのモニターも重要です。

レコーディング イメージ

以上、筆者が悩みに悩んで厳選した、おすすめのモニターヘッドホンTOP3でした。

ヘッドホン選びって、スピーカーよりも難しいと思います。音が近い分、全部良く聴こえてしまうと悩む人も多いのではないでしょうか。

インピーダンスが異なれば同じ音量設定でも出力レベルは異なりますし、周波数特性が同じでもドライバーの大きさが異なれば音のニュアンスも若干異なります。

極論、聴き比べが出来る店舗に出向いて試すのが一番良いです。もし試聴する機会があるならば、本記事で紹介したTOP3は絶対試してほしいです。

モニタースピーカー編

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