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№146【2分で読める】日々の暮らしにクスっとエッセイ『仮に大ベテラン主婦の時給が・・・』

夏休みのある日、三時のおやつの時間に玄関のチャイムが鳴った。
「はーい」
そこには仲良くして頂いているご近所のUさんが。汗をいっぱいかいてニコニコしながらこう言った。
「お姉ちゃんとイチ君って、こんなお菓子食べる?」
差し出した袋には、わが家でも大人気の「うまいスティック」がた~くさん。
「ありがとうございま~す!」
遠慮せず頂いた。

するとUさんは顔の汗をフキフキ、こんどはワタクシにこう訊いた。
「これ、実は近所のスーパーの福引でもらったんだけど、これを貰うのにどのくらい並んだと思う?」
もう、その噴き出す滝のような汗がメッチャ物語っている。
「もしかして・・・1時間並びました?」
すると首をフリフリ、
「私、3時間も並んだの!」
と笑い出した。

「ひょーっ! うまいスティック7本に、3時間! 3時間並んだの~?」
食べもしないお菓子に3時間、そのうえ、わが家に届けてくれるなんてどうなんそれ、と面食らっているとUさんがこう言った。
「お友達と一緒に並んでいたから帰るに帰れなくて・・・。でも1つだけすっごくいいものが当ったから、並んだ甲斐はあったのよ!」

それを聞いてワタクシさらに驚いた。
「ええっ! 順番待ちの間3時間もおしゃべりしたの? すごーい!」

その話を一部始終聞いていた中1の娘。ものすごく驚いてこう言った。
「3時間かけて、7本食べないと色々と申し訳ない」

異議な~し!

さらにネットで主婦の時給をちらっと見ると、都合よく1500円~2000円というデーターを見かけた。母と同じ歳のUさんは大ベテラン主婦。仮に大ベテラン主婦の時給が2000円としたら、3時間ならんでゲットした、うまいスティックはなんと6000円。

ひょーっ!
そんな高級品、頂いちゃっていいんですか~!

どんどん、どんどん食べにくくなる前に、やっぱりさっさと食べた方がいい気がしてきた。
うけけ。


サポートありがとうございます!  迷わずお菓子を大人買いしますよ?怒りません? ありがとうございま~~~す  ε=ε=(ノ≧∇≦)ノ