№162【2分で読める】日々の暮らしにクスっとエッセイ『それはまるでおめでとうございます！』

ある日、わが家のAIスピーカーちゃんの小さな画面に「今日の運勢は？って言ってみて」と表示されているのに気がついた。

「いいよ～」

急ぐことは何もないので占ってもらった。
するとAIスピーカーちゃんはワタクシの占いの結果を爽やかにあっさりとこう読み上げた。

「今日のあなたの運勢は～ランキング12位！　幸運度は0%です！」
それはまるでおめでとうございます！とでも言いたげに。なんのフォローもなく、問題発言だけを残して終了した。

うそーん。幸運度は0%？　なにそれどん底じゃーん。

するとその日の午後、ちょっとした事件がどどどと押し寄せた。
車が調子悪いとダンナから連絡を受けたとか、豆苗を買い忘れてわが家の小鳥キンカチョウからブーイングがあったとか、使おうと思っていたクーポンの期限が昨日までだったとか。

ひょーっ！　もしかして幸運度0%のせいなの～？

暇そうなAIスピーカーちゃんに、朝から絡まなきゃよかったとちょっぴり後悔し始めたところで、ワタクシハタと気がついた。

今日は宝くじ売り場で、くじがハズレたとガッカリしていたら、買った人しか貰えないはずのクリアフォルダーを貰った。もう子供たちに食べられてしまったと半ばあきらめていたチョコがまだ2枚も残っていた、それもスキマから発見。トイレに行ったときに紙が無〜いと騒ぐことも焦ることもなかった。
なにより、幸運度0%を気にしていたお陰でこうしてnoteネタができてるんですけど～！　助かりま～す！

幸運度0%。悪くない。