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【4/4】世界は今日も簡単そうにまわる

恋人と数日ぶりに電話できたので、なんか正直に言うと日記なんかどうでもいいわ、という気分になっているのですが、とにかく3日は続けようという鉄の意志で更新します。

4/4(木)
朝食に焼いて冷凍していたパンケーキをあたためて食べることにした。
この前と同じはいやだなと思って、目に入ったリンゴをどうにかしてやろうと考える。
とはいえ、じっくり時間をかけられるほど私の空腹はイイ子じゃない。
シンプルにバターで焼いて砂糖と煮詰めて、最後にそれっぽくシナモンを振りかけて出来上がったソレは、思ったより甘く仕上がっていた。
パンケーキを解凍して、お皿を並べて、いただきます。
ナイフで切ろうとすると、これがもう、びっくりするくらい切れない。
冷凍したせい?冷凍する前に冷やしちゃったせい?電子レンジであたため過ぎちゃった?
原因はよくわからないけれど、ご機嫌に仕上がった煮リンゴがかわいそうになるくらい、パンケーキはバッドコンディションだった。

売るつもりの本は昨日のうちに段ボール1箱分詰めたはずだったけど、本棚を整理していると、もういいかなって本がたくさん。
慌てて2箱に変更して、「ときめかない」本は容赦なく本棚から引き抜く。
ただ、もう読まないだろうな、と分かっているのにどうしても捨て切れないシリーズがある。
ファミ通文庫のライトノベル「文学少女」シリーズは、たしか中学生の時に読んでいたんだっけ。

「文学少女」シリーズは、物語はもちろんのこと、竹岡美穂さんの透明感あふれるイラストがキャラクターにぴったりで、すごく好きだった。
このシリーズのヒロインである天野遠子は文学作品を「食べちゃいたくなる」くらい愛してやまない文学少女だ。
そんな彼女に憧れて、少し背伸びしていくつか一昔前の、あるいは遠く離れた国の「文学」に手を伸ばしたこともあった。
「文学」が、その教養が、人生を豊かにしてくれると教えてくれたのはこの物語なのだ。
いつか、いつか次の世代のまだ見ぬ誰かに教えてあげたい。
送り出してしまえばどこにたどり着くかもわからぬ古本屋より、できるだけ私の手元にいて欲しい。
送り出す時は自分の手で決めた相手に送り出したい。
そんな気持ちにさせられる、大切な物語だ。

と、いちいち本を手に取ってはさまざまな思い出が蘇り、ときめきの感度が鈍っていくのを感じた。
本棚のダイエットもそこそこに、食器を洗い、洗濯物を干す。
今日を生きる目的は、本の整理なんかではない。
近所のカフェに行くことである。
いつも近くを通るたびに、こんなところにまあ…お客さんは来るのかしら、と思っていたのだけれど、巷では有名な人気のカフェだったらしい。

無印良品でファイルボックス ワイド(中に引っ掛けるタイプのファイルをセットするとめちゃくちゃプリントが片付く。ただし、レジュメに追われる大学生にとっては、これも一時凌ぎにすぎない。)を購入し、帰りに念願のカフェへ。
店内はかなり小ぢんまりしていて、THE おしゃカフェといった感じがきちんと演出されており、ビンテージっぽい小物やジャズのレコードなんかが置いてある。
カウンターのそばに洒落た自転車まで。これ置物として置いてんのかな。乗って帰んのかな。
先に注文するタイプのお店だったので、さっとメニューに目を通し、ひとまずアイス添えのチョコレートブラウニーを頼むことにする。
飲み物のところに目を向けると、あ、ジンジャーエール。
今日は昨日までに比べて随分あたたかかった。
ジンジャーエール、今飲んだら美味しいだろうなぁ。
このカフェのジンジャーエールは辛くないとのことだったので、迷わずジンジャーエールを頼んだ。

女性の二人組が2組、それぞれ小さなテーブルに座っている。
私は奥の相席タイプの大きなテーブルの手前の席に座った。
大きなテーブルには、私の斜め前でおじいさんが本を読んでいて、3つ隣にはゆるめのストリートファッションに身を包んだお姉さんが座っていた。
みんなそれぞれの時間を過ごしている様子に、カフェのあるべき姿を見た気がして、いいなと思った。

チョコレートブラウニーは、軽すぎず重すぎず、バニラアイスと食べると素晴らしく、そのまま食べても美味しい。
そして、ジンジャーエールを一口。
優しい甘さと微炭酸が喉を軽やかに駆けていく。
たまらん。

最高のカフェにふさわしい挙動を、と思い英単語の本を開いてみるも、あまりの居心地の良さに半分寝てしまっていた。
そこに、スーツの男性がやってきた。
外回りの途中だろうか、と思っていると、着信が。
会話が漏れ聞こえる。
「K大のSPIってどんな…」
あ、就活生か。そうか。近くにテストセンターがあったっけ。
途端に今までの居心地の良さが歪みはじめる。
私、帰らなくちゃ。

笑顔の素敵なマスターにお礼を言って店を出る。
半分眠っていたせいか、日が沈みはじめたせいか、入った時より風が冷たくなっていた。

帰宅した私は、無印のファイルボックスに一心不乱にプリントを入れ、ゴミ置場から回収してきたアマゾンの段ボールに本を詰める。
部屋を片付けたくなるのは、現実から目を逸らしたいからだろうか。
薄々気づいてはいるけれど、それでもこの手を止めることはできない。
ただ、作業に没頭することは、恋人と離れている寂しさを紛らわすことができる。
そして何より部屋が片付くのは気分がいい。
ひとまずそれで、いいじゃないか。

うん、眠たくなってきたので、そういうことで。

〜今日のタイトル曲〜
♪Funny Bunny / the pillows

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