回復期脳卒中者に対するHALを使用した歩行効果について:RCTデザインを参考に
こんにちは!
理学療法士のyukiです。
近年、ロボットを使用した脳卒中リハは注目されています。
脳卒中ガイドライン2021でもロボティクスは推奨グレードBで”勧められる”と評価されています。
今回は回復脳卒中者を対象としたHybrid Assistive Limb(HAL)を用いた改善効果に関する論文を引用して知見をまとめていきたいと思います!
本日紹介する論文はこちら↓
このnoteについて
掲載雑誌:NeuroRehabilitation
Impact Factor:1.654
文字数:2875文字
参考文献数:6本
引用した研究について
はじめに
独立した歩行の回復は、脳卒中後のリハビリテーションの主要な目標、の一つである。
歩行支援のロボット装置は多数、効果が検証されています。
中でも、Hybrid assistive limb(HAL)は、皮膚表面の非常に弱い生体電位信号を読み取り、膝と股関節の動きの自発的な制御を支援するために開発された(Lee & Sankai, 2005)。
これまで、HALを使用した歩行トレーニングが脳卒中後の歩行機能と独立歩行に有益な効果をもたらす可能性があると報告されています(Wall et al, 2015)
しかし、多くの研究でコントロール群が含まれていないため、脳卒中患者にHALを使用した歩行訓練の利点を明確にする必要がある。
これまで、コントロール群とHAL使用群での歩行の有効性を示した研究では、HAL使用での歩行訓練による長期及び中期の有効性は不明なままです。
研究では以下のことを目的とされています。
2ヶ月の追跡データを加えて、
HALを使用した歩行訓練の中期的な期間における有効性を
回復期脳卒中患者でコントロール群と比較
対象と方法
対象や研究手法を簡単に明記します。
対象者
HAL介入群:12名(発症から57.0±44.3日)
コントロール群:12名(発症から48.1±33.3日)
介入内容
HAL介入群:3回/週、4週間
コントロール群:3回/週、4週間
評価
主要評価:FAC
二次評価:最大歩行速度、歩幅、ケイデンス、6分間歩行テスト、TUG、下肢Fugl-Meyerテスト
評価期間:介入前、4週後、8週後、12週後で実施。
統計解析
各グループでトレーニング前、4週後、8週後、12週後を比較。
グループの交互作用効果(時間×効果)を評価。
SPSSを使用。統計学的有意差はp < 0.05とした。
結果
HALグループで8週後、12週後でFACの有意差を認めた。
相互作用効果はFACで有意であった。
二次評価においては、2つのグループで有意差はなかった。
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脳Life 〜PTのための英文Review〜
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