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逆ルージュの伝言と気合1

14日、とうとう、父が母を殴った。
母は殴られると思っていなかったもんで、恐かったらしい。
15日、母は嫁ちゃんに電話して経緯を話した。
「逆ルージュの伝言」
母は隠したがったが、義妹からすぐに詳細報告電話をもらう。
「今でしょ。」
私は母に電話して、すぐにタクシーを呼んで二人で精神病院に行くように言った。めずらしく指示に従った。
診察担当医から私に電話があり、本日は入院できないこと、薬の副作用の可能性があるから服薬を止めることの説明があった。
病院会計後、父は怒って病院からスタスタ歩いていってしまったが、母は探す気力なく、タクシーで一人帰宅して、家から私に電話してきた。
そりゃまあ、だましうちで精神病院に連れて行ったんだから怒るだろうよ。父が帰ってこないので、日が暮れる前に110番して探してもらう。
ほどなくして、父は自力で帰ってきた!!家に警官がいるし質問されるし、めっちゃ怒って、自室でふて寝してしまった。
母は怖がったが、とりあえずその日はそのまま過ぎた。
16日朝、弟が両親宅を訪問して、昨日のことは姉と弟が決めたことだよと説明を繰り返した、が、理解しているんだかしていないんだか。
病院の相談員にアポがとれたので、弟が相談に行く。ベッドの空きが出たそうで弟が入院申し込みをした。入院日は18日午前。
17日午後、私は上京し両親宅に行く。刺激しないように世間話を少々してさっさとホテルに向かう(駅前ホテルに泊まることにしていたので)私が帰ったあと、父はひとわたり荒れたらしい。私はホテルで明日の作戦を練る。どう考えても一人じゃ難しいと困っていたら、弟か義妹が助っ人で来てくれることになった、よかった。で、電話で打ち合わせをした。
明日、父が暴れず病院の受付まで行けるのか?
私はすごく緊張していた。
18日朝、義妹と合流し、歩きながら本日の流れの打ち合わせと確認をする。お互いが感じている不安や謎がだいたい同じで、私は安堵。マンションが近づいて緊張が強くなる。
娘と嫁が一緒に顔を出したので、父は不信感でいっぱいな感じながらも、それなりにタクシーの時間までを過ごす。タクシーが来るから乗っていこうという段になり、父がごちゃごちゃ言い始めた。とにかくタクシーに乗ろうと、部屋に戻りたがるのを強行に阻止し、外に促した。外に出てしまったらすんなりタクシーに乗り、病院の待合室の椅子に座るまでは静かだった。
後発のタクシーで義妹と母は入院荷物とともに到着。
父の入院前諸検査が済んでから、医師の診察。診察というよりも、説明。
その後、父は荷物とともに病棟に行く。私が医師から追加説明を受ける。
「おかあさんも認知症だと思いますよ」あああ、やっぱり。
そうなんじゃないかと思っていたので、母の対応はこれから考えますと答える。父と母が今の家で一緒に暮らすことはないと考えている旨を医師に話す。父は医療保護入院 期間6ヶ月と診断された。
私と義妹は事務手続きで、書類に署名と捺印。私達は事前に役割分担していたので、どの書類に誰が署名するかはスムーズで、助かった。
最後に病棟で、担当看護職とご挨拶など。
返却された荷物と母、義妹、私、で両親宅に帰宅。
必要書類などを母に出してもらって義妹に預ける。
もはや、母が事務作業をする日は来ないことになった。
両親宅に長居しないで、二人で駅まで歩きながら、本日の復習とこれからの流れを打ち合わせ。お互いの不安点を共有して、それぞれ帰路に着く。






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