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歴史・人物伝~謙信の戦い編⑯後継者争いを制した上杉景勝

歴史・人物伝~謙信の戦い編の第16回です。

1578年の春、上杉謙信が急死し、後継者候補の上杉景勝と上杉景虎の対立が深まっていきます。謙信が、明確に後継者を指名していなかったのが、対立の原因になったのです。

景勝は先手を打って春日山城本丸に移り、景虎を圧迫します。やむなく景虎は春日山城を出て、前関東管領の上杉憲政が住んでいた御館に拠点を移します。この内乱が「御館の乱」を呼ばれる所以となる場所です。

北条氏の出身である景虎は、兄の北条氏政に助力を求めます。北条氏は、同盟関係にあった武田勝頼にも助勢を依頼し、状況によっては越後への侵攻も視野に入れていたと思われます。

有力家臣を味方にしているとはいえ、外圧を懸念した景勝は、腹心の直江兼続を通して武田勝頼との和睦を画策します。そして、勝頼が景勝側に付いたことで情勢が徐々に変わっていきました。

優位に立った景勝軍は、翌79年春に景虎軍を攻め滅ぼし、内乱の鎮圧に成功します。上杉景勝は実力で謙信の後継者になったのですが、内乱によって上杉家の勢力は弱体化してしまいました。

その後、景勝は豊臣秀吉への臣従、徳川家康の上杉討伐などの難局を何とか乗り越え、家名を存続させました。謙信が掲げた「義」を重んじる家風は、江戸時代の上杉家に引き継がれていったのです。

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