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歴史・人物伝~信長飛躍編⑧信長公記に記された前田利家

織田信長の側近の一人に前田利家がいます。信長の重臣・柴田勝家の指揮下で北陸攻略に尽力し、信長の死後は豊臣秀吉に臣従し、秀吉の厚い信頼を得て加賀百万石の礎を築いた武将として知られています。

利家は、信長から「犬千代」と呼ばれてかわいがられており、側近として常に付き従っていたイメージがありますが、実は信長からけん責処分を受け、近臣から外されていた時期があったのです。

その頃、桶狭間の合戦が起きました。当然ですが、利家には出陣命令は来ません。しかし、「信長様の一世一代の戦いに参加しないわけにはいかない」と思った利家は、合戦に出陣して敵の首を取る活躍をしました。

手柄を挙げた利家は、帰参がかなうものと思っていましたが、信長は許しませんでした。それでも利家は、信長の側近だという自負を持ち続けていたのです。そして翌年、美濃攻めでチャンスが巡ってきました。

この時も、許しを得ずに戦いに加わった利家は、敵方の勇将として名高い足立六兵衛を見事に討ち取ります。信長公記は利家の活躍ぶりに触れたうえで、「前田利家は赦免された」と記しています。

信長は「どんな境遇、立場になっても、自分の力になってくれた」という厚い信頼感を持てたのではないでしょうか。帰参後の利家は、天下統一を目指す信長の期待に応え続けていくのです。

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