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私だけの特捜最前線→35「判事, ラブホテル密会事件!~桜井刑事と2人の兄との対立と絆」

※このコラムはネタバレがあります

桜井刑事(藤岡弘、)には兄が二人います。長男(福田豊土)は裁判所の判事、二男(岸田森)は弁護士、三男の桜井も若くして警部に昇進しており、典型的なエリート一家といえます。

判事の長男が、被告人女性とホテルで密会していたというスキャンダルが発覚。事件の裏に、長男が厳しい判決を出し続けてきた暴力団の存在があると睨んだ桜井は、長男の記者会見場に単身乗り込みます。

長男に真相を言うよう厳しい口調で迫る桜井。そこに待ち受けていたのは、長男の弁護を自ら引き受けた二男の弁護士でした。二男は「その必要はない」と立ちはだかり、桜井と激しく対立するのです。

このあとのストーリーは省略しますが、何と言ってもドラマ最大の見どころは、桜井3兄弟の絆でしょう。対立する二男と桜井ですが、二人に共通するのは「長男を助けたい」という思いであることに違いありません。

配役も絶妙で、依頼人のためには手段を選ばず、からめ手からでも攻めてくる冷徹な弁護士(二男)を岸田森さんが見事に演じています。真っ向勝負を挑み、熱い男である桜井刑事との対比が実に素晴らしいです。

長男の判事は、温厚でありながら一本筋の通った人物として描かれ、二男や桜井を温かい目で見守る懐の深さを福田豊土さんの名演技が支えています。まさに3人の名優あってこそのドラマだと言えます。

特捜最前線最終盤には、桜井刑事と父親の弁護士との対決という話が作られますが、岸田さんが亡くなっていたため、二男は登場しません。岸田さんがドラマに絡んでいたらと思うと残念でなりません。

noteでは連載コラム、エッセイをほぼ毎日書いています。フリーランスのライターとして活動中ですが、お仕事が・・・ご支援よろしくお願いいたします!