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雨上がりにもう一度キスをして

台風が向かってきているらしい大雨
一瞬の静けさが街に巡り。

濡れた地面に反射する信号やヘッドランプの光が流れる窓を一枚の絵に変えるかように不意に目へと入ってきた。

まるで暗い静かな湖畔の上に東京の街が存在するような

忽ちの内にファンタジーの世界の主人公になったようなカンカク


雨あがりが好きだ

朝であろうと夜であろうとそれが訪れる時間帯に問題はない。

雨に濡れた土や緑、草臥れたコンクリートの灰色の匂い

普段匂いにかなり鈍い僕だが、その時だけはそれらの匂いが強く突き刺さる

そんなくだらない事を言っているうちに

金木犀が香る季節になっていた。



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