見出し画像

中1中2中3


生まれてから死ぬまで


中1 中2中3



中1
何もかもが新しくて目がキラキラ輝いている
中3の先輩がめっちゃ大人に見えて憧れを抱いたりして
子宮から1年先に飛び出しただけの中2の先輩が昨日まで普通に一緒に遊んでたくせに、急に先輩ヅラしてなんだか鼻にかかる
しかしこれから始まる物語の主人公としてやる気に満ち溢れていたりもする。


中2
ある程度は経験してきたし、どうにかこうにか切り抜けられる。
いつもと同じ風景がそこにはあり、慣れはじめ飽きも感じてくる。
昨日まで末っ子みたいにもてはやされていたのに、ガキがゾロゾロと土足で陣地に踏み込んできたようで、騒がしくていけない。
早めに手を打たねば。
子宮から1年先に飛び出しただけの中3の先輩め、この怠惰な環境を作り上げた元凶め、早く卒業してしまえ。
なあ同士よ、俺らの時代は近いぜよ。
と言いつつ何だか何にもやりたくない


中3
思いつくことは全てやってきた。
思い残す事はない。
長い長いと思っていたよりもあっという間に日々は過ぎ去り、昨日まで曇っていた世界はまた再びキラキラと輝き出した。
子宮から1、2年遅れて飛び出てきた子らにはこれからしっかり頑張って欲しいと、我らが作ったこの地を受け継いでほしいと思ってみてる。
慕われてるって素晴らしい。
大きな愛で包み込むような素直なキブン。



さて長々と青春の10ページめくらいまでを説明してきたが、一生青春と書き殴ったかれの言葉通り人生なんて


中1 中2中3


みたいなものなのかもしれない。


マクロで見て
人生を振り返ろうとも


ミクロで見ても
どの一瞬一瞬を切り取ったとしても


そこには


何も知らない無垢な希望の塊があり


飽きを背負った中だるみと野心の権化がいて


ひとり、上がりを決めた達観と綺麗な諦めが混ざった眼差しが顔を覗かせる。


そんなことを思ったボクは、中2だった。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?