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滝壺

目が音によって振動する感覚
肌が音によって振動する感覚
下の前歯が音によって振動する感覚

音のラグを感じる
眩しいものは眩しく、暗いものは一層暗く見えた

精神が音によって振動し心が暴れるのがわかる。

人影さえも卑しい。
さっき食べた君塚が今になって腹の重みとなった。

炭酸のものを飲める気がしないがコットンマウスが乾きを喉に訴えかけている。

トンマが薄ら笑い

メガネが重く鼻にのしかかる

なおもコットンマウスは水分を求め
切望を行動へと移す

朝の茶事以外見えていないのに、自分をあざ笑うかのごとくごまかし続け

朝の茶事が落ちる

そしてその水流は見事に滝壺へと落ちて行った

こうしてゼロ円の旅は終わった。

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