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ファシリテーター型のリーダーシップスタイル

まず最初にファシリテーターって何やねん?と思われた方は定義から読んでおいてください。

ファシリテーションって自分の意見を言うよりは調整役って感じの役割なんですが、これって最近流行りのグローバルチームを率いるリーダーに必要なスキルなんじゃないかって思います。

私がファシリテーションってすごいなって思わされた経験はMBAの授業で行ったサバイバルゲームでした。以前読んだ(日本の)ビジネス書でも著者の方がアイビーリーグMBAでサバイバルゲームをしたと書いていらっしゃったので、そのゲームはいろんな学校でのMBAの授業で使われている手法みたいです。

そのゲームは人里離れた森の中に不時着した飛行機に乗り合わせた乗客達が、生き残るために所持している物の優先順位を話し合ってつけなさいというものです。その授業でまず私達は個別に自分が思うように優先順位をつけていきます。そして、その後チームに分けられて、チームで話し合い優先順位をつけるように言われます。チームでディスカッションをする会議室に移動した時、私は進行役を買って出ました。そして最初の質問は私がしました。「私達の戦略はどうする?不時着した場所に残って救助を待つ?それとも移動して町を探す?」私の問いに対してチームが出した答えは「不時着した場所に残って救助を待つ」でした。その後は所持している物の優先順位をこの戦略に沿って議論していきました。所持している物は例えば斧だったり、防水のシートであったり、火をつけるライターであったり。議論の最中、私はチームの人達の意見を聞きながら優先順位をつけた品をホワイトボードに書いていったのですが、私自身の意見を言ったことは議論の最中は一度もありませんでした。私の発言は「この意見についてはどう思う?」「みんなそれに賛成する?」「じゃあこれで良いのね?」という感じでした。優先順位をつけ終わった後、私が意見を言ってないことに気がついたチームメートはいなかったように感じました。そして私のチームの結果は教授が示した模範解答と殆ど同じだったのです。そして個人として出した解答よりもチームで出した解答の方が模範解答に近くなっていました。結果発表の後、元アメリカ陸軍に所属していたチームメートが満面の笑みを浮かべて嬉しそうにフィストバンプ(手をグーにして拳と拳を突き合わせること)をしてきたことは忘れられません。私は一度も優先順位についての発言をしていないにも関わらず、彼は明らかに私が結果に貢献したと思ってくれていたのです。この出来事は私の記憶に鮮明に残りました。

考えてみると巡り巡って私のリーダーシップスタイルはファシリテーション型と呼ばれるものに近くなっているような気がします。今の仕事でも会議の時はまず会議の目的を定めるか確認するかし、その後は参加者の意見を聞いてその意見をまとめていき結論に持っていくというやり方で、私自身がああすれば良いとかこうすれば良いとか言うことはあまりしないようにしています。ただし、議論が滞って物事が決まらないときにはリーダーの仕事は「決めること」なので、えいやっと決めてしまうことはもちろんあります。でもそういう状況は滅多にありません。だいたい仕事って現場で案件を毎日処理している当事者が一番良く分かっていることが多いので、考え方をまとめてあげれば大抵の場合は答えはちゃんと出てきます。ただ彼らは案件を処理するのが仕事なので、問題点を可視化して解決策まで持っていくというスキルにあまり長けていないという場合が往々にしてあるのです。そういう時に普段暇こいてる管理職が出ていってファシリテーターの役を買ってあげて、結論までまとめて持っていくということをすべきなのだと思います。

ファシリテーター型のリーダシップは自分の意見をゴリ押しする必要がないし、人の話をちゃんと聞くことが必要なので、傾向としては女性に向いているリーダーシップスタイルなんじゃないかと思うんですよね。(あくまでも傾向なので、傾聴スキルに長けた男性にもこれは当てはまります。)そして多様性の多いチームだとファシリテーター型のリーダーシップじゃないとそっぽを向かれてしまうこともあるかもしれません。「黙って俺について来い」は、ついて行くことで何かメリットがあったからついて行ったわけで、ついて行って何もメリットを感じられない可能性がある場合にはついて行く方が愚かですよね。その点ファシリーテーター型だと、個々人が納得した上での結論なので千差万別の意見が出てくるグローバルチームのまとめかたにも適していると思います。

と、いうことで、今回は私のリーダーシップスタイルについて思うことを書かせていただきました。

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