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古いものが好き?本当に好きなものだけが好き

最先端の流行、人気の北欧インテリア、ミニマルデザイン、素敵だとは思うけれど…

私も雑誌を読んだらそこに紹介されている服はキレイだな、お金があったら買ってみたいよな、と考えることはあります。バッグも靴もメイクも、私もそれなりに人並みにファッションに興味がある…と思っていました。

でもそうやって過ごしてきて、最近ふと気が付きました。気が付いたというか、何かハッキリと自覚が出てきた、というような感覚が降りてきた瞬間がありました。

私は多分、流行りとか最近の人気とか、実はそんなに欲しいとか良いとか心から思っていないと自覚したのです。

私は無意識のうちに「やっぱり他の人から見た時に、私も人並みに流行の情報には気を付けているんですよという事が伝わった方が良い」というような考えを持っていたなとこの頃とみに感じるようになりました。この辺りは私の、周りを気にし過ぎる、自分の気持ちを外に出すのを怖がり過ぎるという極度の人見知りが表れているのかもしれません。

私が本当に好きなものは古いもの。古いものは良いものだ、古いもの原理主義、そんな考えが、私の中には子どもの頃からありました。

シンガポールにいた時も。

セントラルビジネスディストリクトの高層ビル群がシンガポールの金融の繁栄の象徴の絵としてよく取り上げられますが、私がシンガポールの中で安らぎを感じていた光景は、昔のペラナカン文化の家、戦前戦後すぐから残っている古くてそろそろ壊されてしまいそうな建物、そんなところばかり写真に撮っていました。

そして今、何がきっかけかは分かりませんが、私はやっぱり、自分の好きな物だけを身近に置いておきたいと思うようになりました。

私が本当に欲しいと思うものは、古くて、でも美術品として飾っておかなければいけないものではなくて、実際に着られるもの、使えるもの。

私が最新のものを常に買い続けなければと思うものは、仕事に必要なパソコンとスマホだけだなと思います。あとは掃除をしたり家の中で仕事をする時の部屋着は、本物のヴィンテージやアンティークを着ていてはあっという間に傷んでダメになってしまうので、そこはきっとファストファッションに頼らなければやっていけない。

よくよく考えてみたら財布もマグカップも身の回りの小物も、本当に古いものは使いこなせないかもしれない。

でも少なくとも、「とりあえず買っておく」というのはやめて、「本当に好きなもの」だけを大切に身の回りに置きたい。

まずは毎日使う筆記用具を新しく、古いものに入れ替えようという事で、昭和の時代のもので自分も実際に見覚えのあるレトロなシャープペンを探して買ってみました。シャープペンは時代で言えば現代の道具になりますが、それでもやはり、古さを感じて好きだなと思うものがあるのです。

ささやかな始まりですが、これから一つひとつ、身の回りのものを自分が本当に心ときめくものに入れ替えていって、バッグも服も、雑貨も、そして家具も、少なくとも自分のスペースについては「自分が」素敵だと思うもので揃えていきたいと考えています。

他の人が私や私の家の中を見て「素敵なものを持ってるのね」と思うことは、必要ありません。私は私の好きなものを持つ、そんなシンプルなことに今更気がつくなんて。

夫は設計の仕事をしているので、いつか素敵な古い家をデザインしてくれたらなんて思ったりしますが、私の趣味を理解してはくれても自身の好みは全く反対なので、やっぱり私一人でこつこつと好きなものを集めようかなと思います。

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