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そろそろ自慢する。月間2万PV超えのサービスを作った

こんにちは、みんなの洋楽ランキングというサービスを運営してるisaitoです。

僕の運用しているサービスが月間2万PVを超えました。これはすごい数字だと思います。 広告などお金は一切かけてません。有名な人に宣伝してもらったり、バズったりしてません。もう一度いいます、これはすごい数字だと思います。

ここまで来るのに色々試行錯誤したり心折れたりと険しい道程だったので興味ある方は見ていただけると幸いです。また、集客で困ってる個人開発者の参考になればと思っています。

みんなの洋楽ランキングとは?

最新のビルボードチャートから洋楽の解説やレビューを誰でも発信出来るサービスです。公式よりも早く、日本語解説付きで毎週更新しています。

なぜ作ったか?

とある友人との会話にて

友「なんでそんなに最新の洋楽知ってんの?」

僕「えっ、だってビルボード見れば。。」

いきなりこのサイト教えるのもわかりづらいことには変わらないし、そもそも更新遅いしなー。と思い、検索ワードを調べてみるとビルボードチャートが見当たりません。検索で引っ掛けたサイトを見てみるとこんなのばっかりでした。。

それ、なんのランキングなの?
なにを基準としたランキングなのかわからないサイトが多すぎる!人気という微妙なニュアンスで曲を並べていかにも真っ当なランキングと偽って発信してるサイトばかり。ライターさんのランキングは知りたくないよ?

広告多くない?
みんなの洋楽ランキングも広告を入れてるけど、あまりにも多い!悪どいサイトなんかは広告を必ず表示させて画面を遷移させている。を発信して広告を宣伝するなんてアダルトサイトと変わらないよ!

まだまだ言いたいことは多いですが、ここまでにしときます。これで検索ワードと求めてる情報がリンクしないことがわかりました。次に検索ワードは需要があるのか?を調べてみたところ、数十万の検索ボリュームがあることがわかりました。関連するワードを加えると数百万単位。洋楽に関するサイトに需要があることがわかりました。検索ワードに関しては個人ブログに書いてあるので気になる方はみてください。


最後にコンテンツを更新し続けられることを意識しました。ビルボードチャートの特性上、ランキングが変動しにくいことに加えて音楽の解説は一度書いたら更新する必要が少ない(音楽は時間によって内容が変わることはない)ことを知り、一人で運用したとしても一週間に0〜3記事書けば、更新し続けられることがわかりました。

まとめると

検索ワードと求めている情報がリンクしない
→ 競合が少ない。勝ち目あり。
洋楽に関するサイトに需要あり
→ 市場規模がそこそこ大きい。アクセスが増える見込みが立てられる
コンテンツを更新し続けられる
→ サイトが生きた状態で提供出来る。モチベーションが長く続く

ここまできたら、サービスを作らない理由はありません。僕自身、個人で大規模なサービスを運用したいと思っていたので分析した結果、一番実現出来そうな条件が一致したのでみんなの洋楽ランキングを作りました。

ここで余談ですが、企業で新規事業を企画してる場合はマネタイズミッションに合ってるかメンバーは納得しているのかなど様々な視点で考えなければいけないので、ある程度自分で納得出来れば作れるというのは個人開発の楽しみなのかもしれませんね。

なにで作ったか?

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ざっくりこんな感じです。Windowsを1ミリも触らず、マイクロソフトの技術をメインに使っています。開発はmacbookでサーバーはLinuxです。.NET Core最高です。

継続が一番大事

先程もコンテンツを更新し続けられることと書きましたが、継続が一番大事です。ローンチと同時にバズってサービスがヒットすれば問題ないのですが、ほとんどのケースでは流入が少なくて辛い思いをする期間が長いと思います。長く継続するためにもコツがあるのでそれをお教えします。

自分のライフサイクルと合っているサービスであること
昔から洋楽が好きなので、毎週必ずビルボードチャートをキャッチアップしていました。高校生ぐらいから続けてるので10年以上経っていて習慣化されてます。習慣化されているとコンテンツを更新することが苦ではなくなるのでモチベーションが下がることはありません。

維持費を安く
毎月サーバーなどに数千、数万のお金を払っていると「誰も見てないサービスにお金かけてもなぁ。。」という気持ちになりモチベーションが下がっていきます。Azureは安くはないですが、Linuxだと毎月1500円程度で運用出来るので金銭面に関するモチベーションは下がりませんでした。

競争意識を持つ
個人サービスだと資金面の都合で、集客方法がSEOかSNSに限られるとおもいます。僕はSEOに一点集中してるので、検索ワードの上位に入ってるサービスを倒すという意識は常に持っています。SEOは運なので、頑張ってどうこうなるものではありませんが、競合サービスを分析したりとマーケティング目線が養われるのでモチベーション維持には良いと思ってます。

逃げることも大事
後ほど詳しく書きますが、基本的上手くいかないことがほとんどです。サービスを伸ばす(集客)ことに焦点を当て続けるのはあまりにも辛いのです。逃げるという言葉は、モチベーションを別の方向に向けるということです。上手く行かない時期に新しい技術を使ってモチベーションを上げたり、リファクタしたりスタイルを調整したりとサービスが伸びてるときには出来ないことをやるチャンスだと思えば有意義な時間の使い方が出来ると思います。無意味なことに時間を使ったりして心折れるよりかは全然マシ!

この後にサービスを公開してから何があったか時系列で述べていきます。ここまで来るのには長く辛い道のりがあったので口うるさく書いた継続の大切さに気づいてもらえるかと思います。

祝!サービスリリース🎉

2018/4/1にリリースしました🎉とにかく最短でリリースすることを考え、最低限必要な機能に絞りました。まずはどこでも更新出来ることが大事だったので管理画面は作って、そのほかは最新のランキングTOP10とアナリティクスのみです。このときの心境は「誰も見てないし、ある程度適当でいいや」ぐらいの軽い気持ちだったと思います。でも4000pv/月、300/ユーザーと意外に人が来てるなという印象でした。

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内訳はTwitterとOrganicが100超え

足りない機能は開発しなきゃ💦

2018/4〜2018/5はとにかく足りない機能を追加する期間でした。フレームワーク移行(Windows→Mac)などなどとにかく必要最低限の機能を開発してました。管理画面は作ってたのでサイトは更新しつつ、裏ではゴリゴリ開発してる感じでした。仕事でBtoCサービスの運用経験があったのでリリース初期は人が来ないことは想定済みであったことと、これからサービスを拡大する希望があったのでモチベーションは維持出来る状態でした。質問箱を作った@sesereさんも初めはβ版として最速でリリースしてユーザーの動向を見ながら開発してるのでこの開発手法は間違ってはないんだろうなーと思ってます。ユーザーがなにを求めてるのかなんてわからないですからね、このときは数値を見てればいいんです!5000pv/月、500/ユーザーで「あぁ、ちょっと人増えたね」

あれれ!?めっちゃアクセス増えたぞ??期

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リリースしてから3ヶ月経ち、これから地道に開発するかぁと思った最中、SEOがみるみるうちに上がってきました。2018/6は18000pv/月、5000/ユーザーと前月に比べると恐ろしい勢いで増加していました。このときは広告入れたり、デザイン替えたり、SEO対策したりととにかく集客を意識した修正ばかりしていました。2018/7には21000pv/月、7000/ユーザーと順調に集客が出来ていて「このまま伸び続けたらすごいことになりそう!!」と期待に胸を膨らませていました。このサービスを作ったときのコンセプトとして「ユーザー操作が複雑な機能はつくらない!!」ががっちりハマって成功した!とまで思ってました。

これからどんどん落ちていくことを知らずに。。。

どんどん落ちていく絶望期。。😨

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2018/7の後半から順位が下がっていきました。まぁ、多少の変動はあるだろうと様子を見ていたら期待とは裏腹に3位から5位へ、5位から10位へ、最終的には10位から40位までと恐ろしいレベルで急降下していきました。2018/8は5000pv/月、800/ユーザーと平常時に戻ってしまいました。Twitterは地道に運用していたのでsocialの流入が増えましたが、大幅に減ったことには変わりません。

「まずいどうしよう、なにかやってしまったじゃないか」

ここで意味のない対策をしはじめます。クソみたいな対策を聞いてください。

とりあえずページ多ければええんやろ!追加せな!作戦

こちらは空記事の追加です。とにかくインデックスを増やそうと何も書いていない記事を大量に追加しました。もちろんそんな記事はインデックスされるはずもなく、サイトマップで1500件送信しているのにインデックス数は300ぐらいと質の低いコンテンツを量産する結果となってしまいました。

Googleさんよ!俺っちのサイト見てくれや!作戦

こちらは<title>タグの見直しとキーワードを無理やりねじ込む改善です。これは最悪で<title>タグを変更するとSEOがリセットされてしまいます。当たり前ですね、ページのタイトルが変わるので別のサイトと認識されてもしょうがないですね。キーワードねじ込みも全く意味がありません。ちゃんとしたコンテンツを強化する必要がありますね。

他にもいろいろクソみたいな対策しましたが、どれも効果が得られるものがありません。なにかしたいけど、なにも成果が出ないそんな時期がこれから続くとは。。

低空飛行ながらも地道にコツコツと期

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SEOが下がったときは、圏外→100位以内→圏外といままでとまるで違う状況に一喜一憂しながら無意味な改善を続けてました。いままでと違う状況が長く続くと悟りの境地に至り、落ち着いて分析出来るようなります。

「あっ、あのときのアクセス増はGoogleハネムーンだったんだ!」

Googleハネムーンとは?グーグルハネムーンとは、サイトやブログを新しく公開した際にGoogleの検索順位が上がりやすくなることです。

Googleハネムーンとわかったところで今までやっていた<title>タグの見直しやキーワードを無理やりねじ込む改善は無意味だとわかり違う方向に意識を向けるようになりました。ここで先程述べた逃げることも大事にフォーカスするようになり、SEOの改善よりも必要な機能の改善に取り組みました。私の場合はエンジニアと言うこともあり、技術的な分野に挑戦しました。

1つ目は過去のランキングや曲が埋もれないように検索の改善。フロントはReactで作り、キーワード検索は結構凝っていて、人間がキー入力が完了するスピード(約0.3秒)の再現やサジェストが表示されるまで30ms程度に抑えたり小さな機能をしっかり作り上げました。詳しくはこちら↓


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2つ目は、当時AzureのWindowsサーバ(AppService)で運用していたので月7500円ぐらいかかっていました。ちょうど去年の10月あたりにApp Service on Linuxが月3000円未満に値下げしたのでWindowsサーバーからLinuxサーバーに移行しました。今はキャンペーン中で月1500円程度で激安です。こちらも先程述べた維持費を安くのひとつでモチベーションを下げないための一つの手法です。

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高え。。

2018/8〜2019/1まで3000~5000pv/月、300~500/ユーザーと決してアクセスが多くありませんがアナリティクスを見て憂鬱な時間を過ごさず有意義な時間を取ることが出来ました。こんなときはコードを見てればいいんです!そんなこんな言ってますが、流入が少ないのは事実なんですよねー。。

もう飽きてしまったよ期

ずっと出来なかった改善をやってモチベーションを上げていきましたが、あまりにも動きがなく希望も見えなかったのでそろそろ飽きてしまいました。モチベーション低いながらもツイッターを運用していたら洋楽を紹介しているアカウントがちらほら見えて

「あれ?洋楽解説したい人って多いんじゃないか?」

思い立ったら即アンケートです。

ここで機能追加の決めてになったのが、「記事の投稿したくない」が0票だったことです。この結果を踏まえて記事を登録できる機能を追加することが決まりました。

大幅な機能追加の道。期

記事追加できるだけの機能ならすぐにできるだろうと見込んだら頭に浮かぶだけでも会員登録、ユーザーページ、管理画面、プロフィール作成画面、記事投稿機能と大規模な改修が必要になりました。すべてを実装するのに1ヶ月かかった気がします。リリース後はページは公開せず、ドッグフーディングに徹しました。開発中に使っている感じと運用してみて気づくものは違うことを知り、使いながら改善とある程度自分の中で納得のいく結果になってから公開するようにしました。公開後、ツイッターで宣伝しました。

ですが、全く登録がなく

「あれ?全然記事投稿してくれないじゃん!!」

タイムラインはどんどん消えていっちゃうので、ひたすらDMしまくりました笑。おや?何人か記事書いてくれる人が増えたぞ??

長く辛かった暗黒期からの脱出。期

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たくさんの人が記事を投稿してくれて、結果的に500記事以上書いてくれました。それと同時に数ヶ月振りの1万PVを突破し、SEOの急落して何も出来ないときから随分と成長したように思えました。このときのSEOは圏外か50位ぐらいを彷徨っていて、organicからの流入はほぼなく、Twitterからのアクセスがほとんどでした。さらに2018/4から公開し、1万PVを達成したのが2019/3と1年目に迎える直前で目標を達成出来て感慨深いものがありました。このときから無意味な改善はせず、しっかりサービスを育てていけば、必ずユーザーは使ってくれるという成功体験を味わうことが出来て、次からは価値のあるものを提供していこうという気持ちに変わりました。不思議なもので、このアクセス増は一時的なものではなく2019/3から今月まで1万PVを切ることがなく、少しずつ少しずつPVが増えていきました。

SEO復活したよ!期

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半年以上圏外だったSEOもだんだん復活してきました。それと同時にアクセス数も増加し、2019/9には2万PVを達成しました👏今月も1日のPVが1000を超えていて、3万PVを達成できる見込みが立っています👏さらに前回のGoogleハネムーン期と違う点は、前回より上位でないのに流入が増えていて更に直帰率も10%以上減りました。

「ようやく認めてくれたかGoogleさんよ」

みんなの洋楽ランキングをリリースする前になんとなくイメージしてた綺羅びやかな世界と全く違って、個人開発は泥臭いことの連続でした。もちろん多くのアクセスが増えて嬉しいのですが、達成感と言うよりは

「まだまだユーザーが喜ぶようなサービスになっていない!」

と思うことばかりで、小さいことに一喜一憂していた1年前とは見違えるように成長しました。たったこんなサービスでも人を成長させてくれるのかと感動すら覚えます。

第2期!

振り返ってみると

リリースして最低限の機能作ってユーザーに使ってもらえるようなサービスになった。

ここまではサービスとして1段階段を登ったところ。次はアクセス解析やイベントの解析をしたり、コンバージョンの設定を行いたいと思ってます。サービスを運用していてなぜコンバージョンの設定をしないのか?と聞かれたので、その理由を述べようと思います。リソースが潤沢じゃない個人開発者の場合、リリースしてもアクセスが0なんてことが普通にあり、そんな状況でコンバージョンを設定して施策を打つとほとんどの確率で営業です。例えば記事を投稿してもらうことを目標にしていて、達成するためにやることはTwitterやslackなど知り合いを作り使ってもらうことになると思います。それでも良いっちゃ良いんですが、数値を解析して次の施策につなげることが出来なくなってしまいます。どうしても人間の行動より声のほうが強く、より具体的なので一部のユーザーに対する改善をする流れになるかと思います。それよりかは、アクセスがどうやったら増やせるか考えるほうが有意義だと思いました。

最後に

自分でサービス作って数万PVまで成長させてみて、様々な学びがありました、私はエンジニアでちょっと偏った考えを持っていてエンジニアがすべてを解決できると思ってましたが今回運用してみて考え方が180度変わりました。実際に仕事で新規サービスを何個か作ってきましたが、新しいサービスの目標を達成するにはマーケティングや営業などお金で解決する方法が一般的でエンジニアとして悔しい思いをしてきました。当時は改善していけば、必ずユーザーが使ってくれるはずだと思っていましたが、結果として営業やマーケティングを必死になってやっている自分がいました。今となっては、営業やマーケティングの重要性が痛いほどわかりますし、むしろエンジニアリングより必要なんじゃないかと思い始めているところです。個人開発に関わらず自分でなにかをやることで今まで理解が出来なかった部分がたったの1年で考え方が変わります。ここまで書いた記事のほとんどがマーケティング手法とその経緯ですしね。これから数十万、数百万のアクセスを目標にして運用していきますが、得たものはアクセス数でもなくお金でもなく、自分自身の考え方だったんだ。

これからもずっと大切に育てていくぞ!

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