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効果的な筋トレの頻度は?週1回でも効果あり?

こんにちは。アスレティックトレーナーの川越です。高校サッカー部のチームトレーナーやスポーツトレーナーを養成する専門学校での講師業、都内レンタルジムを利用して健康目的の方やスポーツ選手のパーソナルトレーニング、皇居でランニングレッスンなど、幅広く活動をしています。

さて、今回は多くの方が悩む「筋トレの頻度」についてです。皆さんからは、「どれくらいが最適な頻度なのか」「筋トレは週に1、2回だけでも効果があるのか」といった質問をよくいただきます。結論から言うと、(目的やトレーニング方法によって異なることはありますが)基本的には週に2回が良いとされています。毎日筋トレするのも、逆に間隔が空き過ぎるのも効果を得にくくなるため週に2回が最適です。ただし、毎日筋トレする方法もあれば週に1回で筋トレの効果を得る方法もあります。その辺りをちょっと詳しくお話させていただきます!


頻度を考える際の基礎「超回復」について

なぜ間隔を空ける必要があるのか。それは回復が必要だからです。疲労状態が続くとトレーニング効果が得られにくい体質になるだけでなく、コンディションも低下していきます。そこで「超回復」と言う言葉を覚えていただきたいのですが、運動やトレーニングによって筋肉が疲労し微小なダメージを受けた後に、休息と栄養摂取によって回復することで過去のレベルを超える状態になることを超回復と言います。

筋肉が元のレベルより上がるまでのメカニズム

つまり、トレーニングによって疲労した筋肉は、十分な休息と栄養素を与えることで、強度やパフォーマンスが向上したり、筋肉が増強されたりするプロセスを踏むことで元のレベルよりも高い位置に行くことができ、回復させなければ元のレベルを超えるプロセスを踏むことができず成長することが難しいです。回復に必要な時間は48〜72時間かかると言われているため、よく筋トレは2、3日空けるべきと言われているのはその点からです。ですが、毎日筋トレしている人もいますよね。その人たちはどのようなトレーニング方法で行っているのでしょうか?

毎日筋トレしている人はどんなやり方か?

毎日筋トレをしている人たちは鍛える部位を1日ごとに分けて実施しているため、一つの筋肉だけ見れば2、3日以上の感覚が空いている状態となっています。

脚、背中、胸、肩、腕で分けられることが多いかと思います。

また、先ほど超回復の話の際に回復まで48~72時間かかると述べましたがどれくらいの負荷でやったか、どんなトレーニング方法でやったかなどによって回復時間は変わります。「腹筋は毎日やっても良い」という意見をよく見ますがこれは腹筋の筋肉が他の筋肉と比べて小さいことやあまり負荷をかけられないことが多いからだと思います。(トレーニング方法によってはしっかり腹筋も高負荷をかけられます)腹筋に限らず、家トレの軽めの負荷(本人にとって)であれば毎日やっても問題ないでしょう。そこは目的や自分の体によって調節が必要です!

週3回vs週1回の効果に違いはあるか?

時間が限られており、週に1回しかトレーニングできない方もいらっしゃるかと思います。それでも、筋トレの効果が得られるのかどうか気になるところですよね。実際、週3回と週1回の頻度でのトレーニングには効果の違いがあるのでしょうか。そんな疑問を解決するために、ある研究が行われました。

この研究では、週に3回トレーニングを行うグループと週に1回トレーニングを行うグループが対象となりました。両グループでは、トレーニング量のボリュームを揃えるため、週3回のグループでは1回のトレーニングにつき3セットずつの合計9セットを実施し、週1回のグループも同様に1回のトレーニングで9セットを実施しました。その結果、除脂肪体重と筋力の向上に関して、週3回のグループと週1回のグループで同程度の効果が得られる可能性が示唆されました。

トータルの量が同じであれば同等の効果が得られる可能性がある

この研究結果から、週に1回のトレーニングでも適切なボリュームと効果的なトレーニングを行えば、除脂肪体重と筋力の向上に貢献することが示されました。つまり、時間の制約がある場合でも、効果的なトレーニングを実施すれば、成果を得ることが可能と考えられます。ただし、週1回にそれだけの量をやれるかどうかは厳しいところですよね。そのため週1回のトレーニングを受けに来てくださっている方々には基本的にはジムとは別に週1回3~5種目ほど家トレを行っていただくようにお願いしています。

今回の記事をまとめると、

・筋肉をつけるためには回復が必要だから2、3日は空ける
・毎日トレーニングを行う場合は部位別に分けるか内容を調節する
・週1回でもトレーニング量が多ければ週3回と同等の成果が得られる

といったところです。ただ闇雲に頑張るのではなく、効果的かつ効率的に体づくりを行っていきましょう!

参考文献:
Thomas MH, Burns SP. Increasing Lean Mass and Strength: A Comparison of High Frequency Strength Training to Lower Frequency Strength Training. Int J Exerc Sci. 2016 Apr 1;9(2):159-167. PMID: 27182422; PMCID: PMC4836564.


川越康平 Kawagoe Kohei


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