ライフスタイルと未来設計図

ワークスタイル、ライススタイル。生きていく上で、仕事をしながら生きていくのは 当たり前のことだ。「働き方」それはきっと選べる。でも選べない場合もある。

先日、彼と映画を見に行き、晩御飯を食べながら近況を話した。今、彼の会社では辞めていく人が度重なり、それも彼の同期、まさかの先輩だったりして、彼も彼で仲介人的な人との話に付き合ったり、聞いたりと慌ただしいようだ。

彼の職種の大変さは業界を知っているだけによく分かる。平日はほぼ毎日23時、もしくは終電に帰宅だ。ある週末に私の家に泊り出勤し、そしてまた私の家に帰ってきたことがある。夜23時ぐらいにごはんを作ってあげた。有給消化で仕事を休んだ日は、私が仕事で少し遅くなり21時、22時となった。それでも彼にとったら早い夕飯だと言った。これは出会った時からそう言っていた。納期のある仕事だから、終わるにも終われないのもよく分かる。平日にも一度うちへ寄り、次の日に仕事に行った時があった。彼は私の1日の感じ、何時に起きて何時に出勤するかとか、何時に帰ってきてるか等、改めて聞いてきた。そう、お互いの時間軸のすり合わせをやるように。そして私とは違う時間軸があることを改めて知った。

そして先週末にその辞めていく人たちの話や会社のこととか話す中で、やめていく人たちは家庭の事情が多いと言った。号泣しながら上司などと話をしていたらしい。泣きながら?なんて不思議に思ったけど、仕方なく会社を離れざるえない状況の人もいるようだ。例えば、毎晩遅くに帰宅、週末も休みがない。結婚して子供もいたら、家族の時間も大事にして欲しいという気持ちは奥さん、母としては当たり前のことだろう。そういった感じでやめざる得ない人たちも実際にいるのだそうだ。

一通りその話をした後、彼は「この職業に理解がある人とじゃないと、結婚は無理や。」と言った。私はただ頷いて聞いたけれど。

彼は組織の中に属する人間だと思う。専門職なので職種的に独立も考えられるけれど、私の中で彼はそういうタイプには見えない。今のところはだし、実際はどうか分からないけど。人付き合いは上手く、人に信頼される人間性だとも思う。そうなれば組織には必要な人材だろう。彼自身が会社に対して不満を持っているかどうかは言ってこないので分からないけれど(たまに社畜だとは冗談半分で言うけど)、当分、彼は会社に属するだろう。専門的な職種なゆえに、組織の中で大きな仕事を任せてもらえるのはとても良いことだと思うし、よほど精神や健康を損なわない限り、納得いくまでは続けて欲しいと思う。でも独立に必要な資格も取ろうとしているので、彼なりのライフプランもきっとあるのだろう。私はただひとつだけ彼に言った。どんな選択であれ、それが前向きな選択だと良いと。

お互いの仕事を理解することは大切だ。とりあえず恋愛を楽しみたいだけの関係ならどうであれかまわないけれど、これからも人生を共にして、家族を作りたいと思った時、お互いのライフスタイルのすり合わせは大事になってくると思う。彼が言った、自分の仕事を理解してくれる人。それは私も私で大事だ。基本的に、仕事については口出しをしたくない。分かり合える業界同士ではあるけれど、彼の会社や仕事、働き方についてはあーだこーだは言うつもりはない。求められればアドバイスや意見は言うだろうけど、こうして欲しいということは言わないだろう。できるだけ彼の気持ち、意思を尊重したい。そしてそれは私自身に対してもそうして欲しいというのもある。きっと彼は言うタイプではないだろうけど。

ただ本当に女性と男性で働き方が異なるのは絶対にあるし、そうあるべきだと私は思う。私には男女平等は権利においての話であり、すべて男性と同等にやれというのはちょっと違う。それは生物学的なことすらも無視してしまうことでもある。女性には女性にしかできないことがあり、男性もそれはそれである。それはとても人間において尊重するべきことだと思う。あまりこれについていうと、今のジェンダーの流れに反することがあるかも知れないが。

そして仕事、職場は1日の大半を占める。そう考えると人生の大半をそれに費やす。友人、家族、恋人と過ごす時間より多くなるということだ。だから、働く環境というのは人生において大事なことだ。そしてそれは、必ず自分で選べるし、選ぶべきこと。ある程度の社会経験をすればだとは思うけれど。その価値観ができるだけ違わない方が良い。やりがいを持ち、その成果の対価を得られているのであれば、どれほど忙しくも、家族の時間が少なくとも、私は尊重したい。それで相手が、またお互いが豊かな人生に繋がるのあれば。だけど、嫌だと思いながら精神を病み、家族の時間が持てなく辛い想いをするなどの働く目的を見失うのであれば、環境を変えるべきだと思う。不健全だからだ。とにかく、働く環境は健全な選択をするべきなのだ。

と言いながらも、組織の中にどっぷり入ってしまっていると、その世界しかないと思いがちになることも分かる。この道しかないのではと思ってしまい、身動き取れない、思い悩むこともある。もしくは、どっぷりつかっていることはある意味楽な場合もある。年功序列という言葉があるように、長く勤めれば勤めるほど、やりやすさは出てくるものだから。難しい選択になることは分かる。

私は基本的にあまり我慢ができないタイプなので、窮屈な環境に身を置いて生きていくことはできない。だから自分の働きき方は納得いく方法を選んできた。もちろん我慢して経験を積んだ過去があるから、今の選択があるとも思っている。彼はずっと同じ会社で経験を積んでいることも、とても良いことだと思う。上司は良い人かと聞いた時、東京に転勤になって良くなったと聞いた。やりたかった海外のプロジェクトもやらせてもらっているし、彼なりに自己主張し、働いているのだろうとは思う。私はそれを尊重したい。そしてどうか接する上司や働く人ができるだけ善良な人であることを願う。

お互いの未来設計はそれぞれあるけれど、2人の設計図まだ白紙状態。少しずつ箇条書きでラフ案は出てきはじめるべきだろうか。まだまだ知っていく段階だし、育んでいく段階だ。人生におけるパートナーと呼べる日が来た時、2人のプランがどんな風に混じっていくか、楽しみなようで不安もある。でも、それで良い。人生はいつだって選択し、そしてそのプロセスを辿っていくしかないのだから。そこにはいつだって相反する気持ちを持ち合わせながらも、賢くいられたらいい。

お互いに働き盛り、そしてやりたい仕事をやっている30代として、どんなライフスタイルを持って生きていけるだろう。バランスよくいけるのが理想だけど、時にそうはいかない時もある。お互いの存在が励みになったり、時に億劫になったりするときもあるはずだ。仕事のこと、職場の人間関係、プライベートな友人、交友関係。そして2人の関係。30何年生きてきた歴史がお互いにそれぞれにある。これからもそれぞれの歴史は紡がれていく中で、できるだけ前向きな選択ができればいい。いや、もし後ろ向きな選択をせざる得ない場合でも、それを肯定していける道を探そう。1人で無理な時は2人で舵を取ってみたっていい。バランスを見ながら、お互いの船が沈み切らないようにしたい。そこに想いがあるなら。お互いに誠実な想い合う気持ちがあるならきっとできるはずだ。

何となく、こういうことも少しずつ考えていこうかなとゆっくりと思い始めている。

未来の設計図、広げた真っ白な大きな紙。これから試行錯誤しながら殴り書きから始めてみよう。どれもこれもきっと、豊かになるための選択。自分たちの未来を信じながら、描いていけたらいい。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?