舞台『中村仲蔵 ~歌舞伎王国 下剋上異聞~』宮城公演
昨日舞台を観てから、早くも一晩たちました。
私の心は「あああああ〜!!」と叫んで頭を抱えながらゴロゴロ転がりたい気分です。
決して過去の恥ずかしいことを思い出しているのではなく、「昨日最高だった」という意味です。
それでは舞台の感想を書きたいと思います。
※予習せずに観劇し、自分が観て感じたままに書いているので、内容の解釈を間違えている場合があります。ご了承ください
想像を超えてくる藤原竜也さん
私は浅香航大さんが一番の目的で今回の舞台に足を運んだのですが、主演は藤原竜也さんでした。
正直言うと、私は今まで藤原さんが出演しているドラマや映画をほとんど観た記憶がありません。
(私が本当に気に入った作品しか観ないのと、マニアックなものを好むせいです)
でも"藤原竜也"って名前を聞いたらすごい俳優だってことはわかるし、この人が主演だったら絶対おもしろいだろうと予想がつきます。
実際、その通りでした。
しかし、私の想像をはるかに超える実力とオーラでした。
始まってすぐ演技に引き込まれ、藤原さんの演じる中村中蔵(※最初は"中"の字に、にんべんがつかない)という人物に感情移入し、私の心も完全に物語の世界に入っていました。
舞台と客席という実際の距離よりも、さらに近い感覚になりました。
この存在感と華はさすがすぎる、と思いました。
"市原隼人 三味線"で検索?
キャストで、藤原竜也さんの次に名前があるのが市原隼人さんでした。
市原さんもこれまでの印象通りの素晴らしい貫禄で、何のために鍛えたかわからない筋肉(※一人二役で、最初の役がすぐ死んでしまったのでそう言われていた)もすごかったのですが、
一番衝撃だったのが三味線を弾いていたことです!!!
二役目が武士をやめて三味線弾きになるという流れで、三味線を構え出した時「えっ、フリだけだよね?」と思ったら本当に弾いたのでびっくりしました。
しかも2回弾く場面があって、2回目は第二幕の山場でした。
市原さんて、もともと三味線弾けるんだっけ??と、つい考えてしまいました。
あとで"市原隼人 三味線"で検索しようと思いました。
しかし、どうやら今回のために練習したっぽいのです。
俳優さんが演奏家の役をやる時、その楽器を習って実際に演奏するのってあるあるだと思いますが、舞台で生音でやるってスゲー!!と思いました。
三味線のことはよく知らないけど、絶対難しいですよね…
バチのさばき方とか調弦とか。
だけど、「頑張って練習したんだろうな」っていう雰囲気は全く感じない音でした。
すごい…すごすぎる…
私は公演が終わったら、会場の外に走って行って「市原隼人 三味線」と書いた紙をバッ!!って広げたい(テレビでたまに見る、裁判の判決を知らせるアレ)気持ちになりました。
そして私もちょっと三味線をやってみたくなりました。
不適切の人がこんなに魅力的だなんて
私は現在、「不適切にも程がある!」というドラマにハマっています。
今回、それに出ている池田成志さんが出演されていました。
「不適切」では斜に構えたちょっと面倒なおっさんを演じている池田さんですが、「中村仲蔵」ではお稲荷さんを擬人化した役で、供えられた酒を飲みながら飄々と動き回り、全く違う役柄でした。
その演技がとても魅力的で、コロコロ変わる表情と自然体で軽やかな動きから目が離せなくなりました。
最初は「不適切」の役とのギャップや、「中村仲蔵」の中でも異質な役柄だからそう見えるのかと思ったのですが、次第に池田さんの個性によってこの役が余計に引き立って見えるのだとわかりました。
ちなみに池田さんは劇中で、「不適切」のドラマでよく出てくるワードをアドリブで言ってくれました\(^o^)/
うれしかった〜!!
クライマックスは圧巻すぎて
舞台の最大の山場は、中村仲蔵が一世一代をかけて「忠臣蔵」の5幕に臨む場面でした。
その直前、池田さんが一人だけ舞台に残って「忠臣蔵」についての説明を語り出し、藤原竜也さんが白塗りの準備をしている間の場を持たせるというおもしろいつなぎ方でした。
今回のポスターを見て、藤原さんが白塗りになることは予想していましたが↓
最初から白塗りなわけではなく、ここでようやくなるのねと思いました。
(ちなみに浅香航大さんも白塗りになるのかと思いましたが、一度もなりませんでした 笑)
池田さんの語りの場面が始まり、クライマックスが近づいていることに気づくと、私は急激に寂しくなってきました。
同時に、「今からすごいものを見せられるのだ」と緊張もしてきました。
今考えれば、全キャストの演技と舞台の演出によって、そうなる雰囲気が作られていたのだと思います。
仲蔵は「忠臣蔵」の5幕で定九郎という役を与えられたものの、演出家の悪意によりセリフを大幅に削られ、ほとんど見せ場がない状態になってしまいます。
それでもなんとか爪痕を残そうと、必死に考えて迫真の演技をする…というシーンだったのですが、
本当にすごすぎて一時も目が離せず、体が固まって動けなくなるくらいでした。
感動して泣くとかっていう次元を超えて、ひたすら圧倒されました。
ストーリーおよび史実でも、観客があまりの凄さにシーンとなってしまい、仲蔵がそれを「受け入れられなかった」と勘違いするという流れらしいのですが、まさに私はその時の観客と同じ状況になっていました。
ラストの演出って、あれメジャーなんですか?
仲蔵は結果的に大絶賛され、不動の人気を誇るスターになり、仲間と芝居に明け暮れる日常が続いていきます。
ラストはみんなで踊り狂い、本当の最後は全てがスローモーションになりました。
音楽がスローになり、それに合わせてキャスト全員の動きもスローになったんですが、目の前で見ているのにテレビや映画の映像を見ている感じになりました。
舞台全体を見たり一人一人を見たり、どうやってみても完璧なスロー映像にしか見えなくて、すごく不思議な感覚でした。
私はお芝居にそんなに詳しくないからビックリしましたが、よくある手法なんでしょうか?
とにかく、最後の最後まで面白い舞台でした。
賞賛の拍手を送れる幸せ
カーテンコールの時はスタンディングオベーションになり、何回もキャストさんたちが応えてくれました。
3日間の公演の2日目だけど、スタンディングオベーションできたらいいな〜と思ったので良かったです!!
こんなに感動させてもらって本当にありがとう!という気持ちで拍手をし、すごく幸せな気分でした。
そのあとは放心状態で帰りました。
こんなテンションではバスに乗れないし、バスで早々と帰ったらなんかもったいないと思い、本来ならバスに乗るはずの区間の大部分を歩きました。
ずっと ( ゚д゚) って感じでした。
世界を広げてくれる推しは偉大だ
ここ数年、私は1年に1回は観劇していて、毎回ものすごく感動するのですが、今回も大きな感動をもらいました。
これも全て、浅香航大さんのおかげです。
浅香さんが出るから観に行こうと思い、作品や他の出演者の素晴らしさを知ることができ、また世界が広がりました。
なんとありがたいことでしょうか。
ちなみに「中村仲蔵」は数年前にドラマ化されていたり、落語や漫談の題材になっていたりして、今回の舞台で取り上げられなかったエピソードもあるそうです。
また、歌舞伎の世界も色々細かく、今回の舞台とパンフを見ただけでは理解しきれない部分もあったので、他のバージョンでも観たり聞いたりしてみたくなりました。
ドラマはNHKで中村勘九郎さんが主演だったそうで、今回のパンフレットで藤原竜也さんとの対談が載っていたので余計気になります。
動画配信サービスとか調べてみようと思います。
今回の感想は以上です。
「中村仲蔵」の宮城公演は今日が最終日です。
今日も行きたかったな〜と思うけど、今日も行ったらたぶん明日から3日くらい寝込むと思います…
だから私は昨日の一回の記憶を大切にすることとします。
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