無意識な口癖にならなくて良かった言葉
子供たちが思春期を経て、大人と対等に話せるようになってくると、親というものはそれまで築き上げてきた己れの価値観について子供たちから色々な挑戦状を突き付けられる。
我々親は、ついこの間生まれたばかりだと思っていた子供たちから、知らぬ間に自分たちが古い世代グループに振り分けられていた事実に気が付いて、結構、唖然とする。それまでお友達感覚で色々な事を一緒に語り合っていたと思っていたのに、である。ブルータスお前もか、と思う反面、改めて自分自身の価値観を総点検する機会に恵まれる事になるのだ。
私の場合、その中のひとつが性区別だった。男女の違いで人を差別するのは勿論あってはならない事だけれど、男女の違いから発生する嗜好傾向の偏りみたいなものがあるんじゃないか、と感じていた。ただ、それが本来、自然発生的に備わっているものなのか、環境から後天的に大きく影響されるものなのかどうかは、よくわからないけれど。
うちは男の子が二人いて、小さな頃から恐竜や昆虫だとかに興味を持っていた。またよく友達と戦うゲームなんかもしていて、単純に男の子はこんな感じなのかな、と思っていた。けれど、それがそもそも間違っていたのかもしれなかった。女の子だって虫が大好きな子もいるだろうし、お友達とファイティングゲームに熱狂する女子も増えているかもしれない。
無意識に「男(女)の子だから」という言葉が出る度、れそを口癖にしないように、と大人びてきた子供たちに指摘されてから気を付けるようになったものだ。
私が小学生だった頃のエピソードを子供たちに話した事がある。小学校時代の科目にあった家庭科は女子用で木工は男子が取るようになっていたという信じられないエピソードだ。子供たちはそれを聞いて当然、「なんで?ナンセンス~」と笑っていた。学校では、料理の授業は男子にも好評だし、木工で凄い作品を作りあげる女子もいる。また、制服のズボンやスカートを性別の違いで履かせるのではなく、本人の自由選択に任せるよう学校は動いている。
なでしこジャパンがワールドカップ準優勝を果たして、次男が学校でその話をした際、それが女子チームだと知るやいなや感心していたクラスの男の子たちから笑われた、という出来事があった。学校から帰ってきた次男と私は、それってサッカーは男の子のスポーツだっていう偏見だよね?と憤慨したのを思い出す。今やラグビーだって女子が活躍する時代、その男の子たちは今でも、大っぴらに笑いとばしてるだろうか。
まっピンクのスニーカ―を履いているスポーツ男子がおしゃれな今の時代、何が男らしく、女らしいのか、わからなくなってきている。というか「らしい」という言葉が既に死語になってきているだろう。勿論、好みの色だって性に関係なく、本人が好きな色なら何でも良い。
レインボーな時代になっているのだから。
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