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賃貸に住み続けるか?家を買うか? PART②

引き続き、星野リゾート代表 星野佳路氏の考え方をご紹介いたします。

あなたの働く場所は変わる

繰り返しになりますが、東京で家を買うのは現実的ではない。もう東京は機能的に「しごとをする場所」と割り切って、借りればいい。そして、地方に家を持つ。都内で借りる部屋は、仕事場から近いところを選ぶのです。東京は坂が少なく舗装された道ばかりなので、自転車通勤に向いている。自宅から職場まで自転車で通勤できる距離がベストです。平日は仕事のためと割り切って賃貸、週末に持ち家のある地方に帰る。そういう生活もあります。

これからは場所に縛られずに働ける

これから日本でテレワークがどんどん進んでいくと、場所に縛られずに働ける人が増えていきます。だから、週末だけを地方で過ごすのではなく、週日でも地方からリモートで働くとか、テクノロジーを利用することで、もっと人は場所から自由になれます。基本的に週の半分くらいしか東京に行かない。これが理想です。

星野代表は、毎年7月末から1ヶ月ほど趣味のスキーを楽しみに南半球へと行くそうです。経営者であるがゆえ、全く仕事をしないというわけにはいかない。でも、今の時代、どこにいても仕事ができます。南半球にいても、インターネット環境さえ整っていれば、日本と変わらないわけです。自分の趣味を追求しながら働いたって、全く問題ないわけです。これだけテクノロジーが発達しているのだから、どんどん我々の働き方も変わり、家の所有に関する考え方も変化していくのではないでしょうか。

経営では不動産を持たない

星野リゾートは土地も施設も持たず、運営事業に特化しています。個人と企業とでは、不動産の所有に対する考え方が全く違います。星野リゾートは国内で37施設を展開していて、その全てを所有するとなると、とんでもない不動産リスクを抱えることになります。1992年から星野リゾートは基本的に土地を持たない、運営事業に特化しました。きっかけは、バブル経済によって不動産の供給が過剰になったことです。供給過剰の上に新規施設を開発すると、ますます余るわけです。そうした状況で、新規の開発ではなく、すでにある施設の運営ニーズが高まります。ホテルや旅館をどんどん作ったはいいけど、「ところで、誰が運営するの?」ということになるからです。そこから、星野リゾートは「持たない」という発想を持ち始めたのです。

ホテルや旅館ビジネスのリスクについて

運営リスクと所有リスクに分けて考えている。

①運営リスク…
簡単に言うと、運営の不手際によって、集客ができなくなるということ。例えば、あまりに田舎すぎてスタッフが雇用できないとか、サービスが行き届いていなくて顧客の満足度が低くなることなどです。ただ、これは基本的には、運営側の問題なので、工夫さえすれば回避できるリスクでもあります。

②不動産リスク(所有リスク)…
不動産とは、動かすことができない資産。つまり、なにが起こっても、それを隠したり自力で守ったりすることはできません。もし、近くの火山が噴火するとか、大きな災害があっても、どうすることもできない。あるいは、リーマンショックなどのマクロ経済の大きな動向に左右されて、市況が下落することだって珍しくない。こういうリスクは、企業としてコントロールができないものです。どれだけノウハウを持っていても、市況が下がることを止めることはできません。それに、火山の噴火を抑えるのも不可能です。

プライベートと仕事

星野代表はプライベートと仕事を分けて考えています。プライベートの場合、お金に価値を置くのではなく、自由度に価値を置き、いかにその空間と時間を楽しむかということを大切にしています。仕事の場合、利益に価値を置き、リスクと向き合い、いかに運営していくかということを大切にしています。そして、テクノロジーを活かして、南半球でスキーを楽しみながら、仕事を進める自由度の高いワークスタイルも実践しています。これからは、プライベートと仕事の境目をないライフスタイルも可能になり、毎日、「ここに行かなくちゃいけない」という場所に縛られる働き方から世界のどこにいても働ける自由度の高い働き方へと変えることもできるのです。つまり、ライフスタイルの拡張は現実的であるということですね。

#ビジネス #賃貸 #持ち家 #星野リゾート #不動産 #リスク

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