一万円札って、何?

東洋と西洋では、
お金に対する価値観の違いがあります。

-東洋-
古代中国で硬貨が生まれたのは、紀元前8世紀頃と言われています。

-西洋-
リディア王国(現在のトルコ)でコインが生まれたのは、紀元前7世紀頃と言われています。

-東洋(古代中国)-
「子安貝」という貝殻が通貨として使われたりしていましたが、本格的なものではなかったため、青銅製の硬貨が登場しました。製法は、粘土でできた型に熱した青銅を流し込んで冷ます、「鋳造」です。この硬貨の型はハンドメイドで、手がける職人によって、大きさも重さも、バラバラでした。

一方、
-西洋(現トルコ)-
金と銀が混じった天然の合金が見つかって、それを素材にコイン製造が始まりました。金属を溶かすところまでは、中国と同じですが、その後が違う。溶かした合金を粒にし、ハンマーでバンと叩き、王様の刻印を入れる、「打刻」です。そして、合金の粒の重さは厳しく計られていました。

古代中国のコインは重さがバラバラ。
リディア王国のコインは重さが一定。

このコインの重さの違いが、
東洋と西洋のお金の価値観の違いを表しています。

なぜ、
東洋ではバラバラで大丈夫だったのか?

なぜ、
西洋では重さが一定だったのか?

古代中国(東洋)のコインが、重さがバラバラでも流通できたのは、支配者の権力が強かったということ。つまり、「王様がいいって言ってるから、重さが違っても大丈夫」という理屈です。王様が信用の担保になっています。

一方、
地中海世界(西洋)では、広い範囲を治める権力がなく、異なる民族や勢力で次々と権力者が変わるので、「最後に信用できるのは金銀だけ。ころころ変わる王様なんか信用できるか!」というわけで、金銀など貴金属の重さが絶対視されたのです。現物の金銀が信用の担保になっています。

「一万円札にはなぜ価値があるのか?」

それは、
日本銀行が発行していて、交換手段として日本国内で使えるという信用が人々にあるから、一万円札は一万円分の交換ができるという価値があります。人々の信用を担保に成り立っているのです。

すなわち、
一万円札=人々の共通の信用

そして、
共通の信用がなくなれば、
ただの紙きれに過ぎないのです。

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