見出し画像

Netflix 「初恋」を観て自分の初恋を思い出す

半年ぶりに書く。 

***

ドラマ「初恋」


連ドラを見始める時に毎回ある迷い‥。
まず、「初恋」というタイトルのドラマを還暦目前のオッさんがどう共感できるのか、最後まで見続けられるのか?
ちょっと賭けの気持でPLAYボタンをオンにした。

ドラマは高校時代からの20年くらいの物語。夢見た時代から様々な経験を経て、ほろ苦い「今」を過ごす男女ふたりの話からはじまる。

見始めたら、ほぼ一気見してしまった。
高校時代の若いふたりの役者さんの初々しさにハマり、ガラスの様な強さと脆さと美しさのある満島ひかりさんにハマり、キョンキョンや濱田岳さんや美波さんといった脇役もすごくいい。
昨今のTVドラマには感じない作り手の「丁寧さ」とか「主張のあるカメラワーク」も。
どのシーンも美しくて、衣装しかり、とてもこだわりが伝わってくることは、観る方にも敬意をはらってくださっているのを感じて、観ていて心地よかった。
僕が今一番行きたい国アイスランドへの展開も嬉しかった。

初恋はきっと誰にもある通過点。そしてそれが苦い思い出である程

引きずる。

たぶん。

僕の初恋

僕の初恋は数十年経っても心の中に消えていない。
このドラマを観ながら思い出した。

僕は高校生。男子校。
そして好きになったのは高校2年の秋。
相手が男子であることが、物凄い障壁だった。
共感してくれる相手も、相談する友達もおらず、もちろん相手にも伝えられない。ただただ「好き」の一辺倒。
普通の男友達を装うしかない。

学校からの帰りはどんなに遠回りでも自転車で付き合って、全然自分の趣味じゃない話も共感したいと思った。
好きな女の子の話を聞くと、胸が痛くなった。自転車で一緒に帰れるだけで嬉しかった。
とにかくずっと一緒にいたかった。
そして一度だけ「キスして欲しい」と言ってしまったことがある。

今思い出してもあの感情は「好き」以外の表現が思い浮かばない。

僕のあからさまな振る舞いに同級生達がホモとかゲイとか色々からかってきた。けれどそれも気にならなかった。
なぜなら彼だけは、僕にそんな言葉を一度も言わなかったから。

同じ大学に行きたかったけれど僕は落ちてしまう。ドラマのように上手くはいかない。
そこから彼は僕の知らない世界へどんどん離れていってしまった。
だこら、「そもそも最初から片想いだったから」と自分に言い聞かせて大学時代を過ごした。
けれど同級生を通じて一度だけ連絡がとれた。その友達と彼と3人で大学時代に一緒にとれたての免許で車で旅行に行った事がある。
彼は相変わらず優しかった。
けれど、僕は既にその時新しいパートナーと出会い、同棲していた。

彼とはそれきりだ。
たった1年半の思い出が今でも胸をギュッとさせる。
なぜ?

初恋


初恋が上手くいかなかったから、淡くいい思い出になっているのか?

あれほど一途に誰かを好きでいた若い自分が愛おしく思え、もしかしてそんな若き日の自分が可愛くてしょうがないだけ、

なのかもしれない。

彼が明確過ぎる言葉で返事をしなかったことが最高の優しさだったのだと気がついた時、

僕も少し大人になったのだと気がついた。

上手い言い回しも、駆け引きも知らない。
真っ白で真っ直ぐな感情。
若さは、本当に素晴らしく尊いものだ。
全若者よ!好きな人に巡り合って欲しい!そして一方的でも良いから恋を体験して欲しい。

今だからこそ、言える。

誰かを好きになることは素晴らしい。

そして、
初恋は思いは永遠に消えない。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?