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東京パラリンピックに想う

パラリンピック閉会

7,8月はなんだかすっかり気が滅入ってしまいnoteを書くこともできませんでした。すみません。
きっかけは、色々思うことの多い東京オリンピック。
旅行会社的には先の予約が次々取消となる中、自粛の規制がありながら、開かれるこの国を挙げてのイベントになんだか心がついていけませんでした。

結局オリンピックはほとんど観ることはなかったけれど、パラリンピックは開会式から閉会式までつい見てしまいました。中でも僕は 自分自身がやっていた水泳に注目。
自身の身体を最大限に活かして選手達が果敢に競技に臨む姿があまりにも力強くて、毎回メダル云々より、<やり切る姿>に心が打たれておりました。
毎回 画面から伝わる無言のドラマに励まされていたようです。

思い出す 若気の至りの怖い遊び

今となっては絶対禁止行為だろうけど、僕が学生の頃やっていたプールの監視員のアルバイトの時のお遊びの一つとして、
誰かがバイト最終日を迎えた際、閉園後バイト仲間と遊びで、手足をロープで結んでプールに落とす、という今思うとかなり危険な遊びを儀式っぽくしていた事があります。

僕の番もありました。
放課後体育館の裏に呼び出された気分でプールサイドへ。
まず手足を縛られる恐怖。その状態で寝かされて、プールに入れられる前にバケツの水を浴びせられるのですが、実はそれだけで溺れそうになるんです。コップ一杯(鼻と口をおおうだけ)の水があれば、いつでもどこでも事故は起こりうると後で知りました。とにかく苦しい。
その上、数人からプールに突き落とされる恐怖感たら・・・ない。

もちろん、1分もたたず皆で引き上げてくれたけれど、あまりの怖さに相当暴れて、水をたくさん飲んでしまい、泳ぎが得意でも3分もすれば完全におぼれていたと思います。気がつけば両手首は縄の跡が真っ赤に腫れあがっていた。全治1週間。
しかしそれからというもの、あの恐怖感は忘れられない。
「両手両足が使えない状態で、水に飛び込む怖さ」
を僕はその危険な遊びを通じて身をもって知ったのです。

だからこそのパラリンピック水泳の凄さ。

今回金メダルを連続してとった鈴木孝幸選手は、20年前位に僕が時々泳ぎに行っていた東京体育館のプールによくいらしていました。
初めてプールサイドで見た時、正直どうやって泳ぐんだろう?と思いました。率直な気持ちです。
何せそこのプールは、深いところは水深2mの50mプール。それだけでも泳ぎに自信がないと怖いと思う人もいるはずなんです。
彼は両足も右腕も途中まで、しかありません。プールサイドに車いすでやって来られ、入水します。
そして、なんといっても泳ぎも早かった!コース並びでスタートしても早かったことをよく覚えています。とにかくすごいなぁ、と。

僕は今回のパラリンピックで、彼の身体が生まれつきだと初めて知りました。まったく余計なこともかもしれませんが、

<彼が初めてプールに飛び込んだ時、どんなに勇気がいっただろう?>

僕はそんな事を度々考えながら、当時鈴木選手を見ていたことを思い出します。
今回のパラリンピックでも水泳競技の選手入場のシーンから
「人として生きる強さ」みたいなものをまざまざと見せていただけたような気がします。
両腕の無い選手、三輪車で入場する選手‥競うほかの選手たちもそれぞれのスタイルでスタート台につきます。
その光景を見ながら
<ここまで選手たちは、どんな思いをしてこられたのだろう?>
<親御さんはどんな思いで育てられたのだろう?>
そして<どうやって着水してどうやって泳ぐのだろう?>

という興味とともに、様々な思いが怒涛のように胸を駆け巡り、
それが感動なのか興味本位なのか、なんなのか全くわからないけれど、
少なくとも画面から目が離せなくなるのです。

東京パラリンピックが、このコロナ禍にもかかわらず、史上最多の選手が参加したこと、このことこそが今回の唯一「よかったなぁ~」と思えたことでした。

僕にとっての「魔法の言葉」

僕は今年から介護の仕事に少しかかわり始めました。
そのきっかけで車いすのおばあちゃまのお世話をしているきっかけで
世界ゆるスポーツ協会の澤田智洋さんの著書「マイノリティデザイン」を読ませていただき、そこからインスタグラムやFacebookでそうした障害を持たれる方々とのコミュニケーションに興味がいくようになりました。
「線路は続くよどこまでも」の著者 山田千紘さんは、20歳に時に電車に轢かれて左手以外は義足と義手になるという事件に遭遇しています。
それは5体満足な経験をされているからこそが故、想像を絶する体験をされているに違いありません。にもかかわらず、彼のインスタはいつも笑顔なのです。


「まだ左手がある。」

この言葉は僕にとっては金言になりました。

ちっちゃい事でウジウジ悩んでいる自分が本当に馬鹿らしくなりました!
海を見てると小さな悩みがバカらしくなる、とよく言ったものですが、
僕にとっては山田さんのこの一言がすべての悩みを解決してくれる、
魔法の言葉です。

「できないこと、持っていないことに悩むんじゃなくて、自分が今持ってるものを使って前に進むしかないじゃん!」というマインド。

おかげさまで久しぶりにこうしてnoteを書いています。

鈴木選手、そしてその他の偉大なパラリンピックの選手の方々。
色々なドラマを見せてくれてありがとうございます!




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