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#496 大学生のビブリオバトルを観に行ってみた

2023.12.18.
11月の頭に考えた、「2023年残り2か月でやりたいこと」の中に、本を3冊読むというものがある。超スローペースで読む私としては、2か月で(しかも多忙な12月を含む)3冊はまあまあのペースなのだ。
その2冊目を、ようやく読み終わりそう。今回はなんだか刺さりすぎて、読み終わるのが残念なくらいなのだ。いずれまたレビュー記事を書こうと思う。


昨日、とあるイベントを観に行ってきた。その名も「全国大学ビブリオバトル2023」である。

なぜ参加することになったかと言えば、新聞に記事が載っていたのを母優子から教えてもらったからである。その場でQRコードから観覧申し込みをし、それを忘れた頃にハガキで当選通知が来た。


<ビブリオバトルとは>
「ビブリオバトル」とは、立命館大学情報理工学部の谷口忠大教授が考案した、ゲーム感覚を取り入れた新しいスタイルの「書評合戦」である。

<ビブリオバトルのルール>
発表参加者(バトラー)はそれぞれお気に入りの本を持ち寄る。
バトラーは読んだ本について、スライドやレジュメは一切使わず、自分の言葉で5分間のプレゼンテーションを行い、本の魅力を伝える。
プレゼンテーション終了後は2~3分間、他のバトラーや観客と質疑応答し、本の内容やバトラーの思いについて、理解をより深めてもらう。
最後に会場にいるバトラー、観客全員で「どの本が読んでみたくなったか?」を基準に投票し、一番読みたくなった「チャンプ本」を決定する。

全国大学ビブリオバトル公式サイトより
東京都立多摩図書館作成資料


私とビブリオバトルのこれまでの関わりと言えば、
①初任校の教員研修で、ある先生が紹介してくださり、みんなでやってみた。
②2校目で、子供たちが毎年取り組むことになっていた。
の2つである。

②の時は、公式ルールとは異なり、紹介カードを書かせた上で2分間?3分間?のプレゼンをするという流れでやっていたのだが…子供にとっての2分スピーチって、結構ハードルが高かった。本の紹介カードを読み上げるだけだと、20秒くらいで終わってしまうし。

2分の壁に悩む子達には、紹介カードを読み上げる→余った時間でお気に入りの箇所を読み上げるという流れでやってみるよう指導していた。

さて、それの大学生版…しかも、全国大会。どんな書評が聞けるのだろうか。


わーお

場所は三軒茶屋にある昭和女子大学。私立の女子大って、なんてオシャレ。建物もキレイだし、都会だし。日曜日だったので学生の姿はあまり見えなかったが、きっと毎日キラキラ女子が闊歩していることだろう。

開会式

3会場に分かれてセミファイナル

トークショー

メイン会場でファイナル

結果発表&授賞式

という流れだそうだ。配布されたセミファイナルの割り振りを確認し、何となく教育学部の参加者が多い会場のものを見ることにした。


感想①…「大学生バトラーすごい!」

見てどうだったかと言えば…、本当にすごいの一言である。

どんどん続く参加者のプレゼンを聞いて、「さっきの人の方が…」とか、「緊張してるなあ」とか、感じることは色々あるのだが、そんなのは見ている側の本当に無責任な感想である。

まず、こんな多くの大人の前で5分もしゃべるというステージに上がってきたことが素晴らしい。それだけでもう、座って聞いている人たちとは次元の違う経験値を得ることができていると思う。


感想②…「プレゼン能力、大事!」

これは、完全なるスピーチコンテストなんだなと実感した。紹介するものが本なので、一瞬読むというカテゴリも含まれそうな気がするが、話す能力勝負だ。

◆劇団員ばりのセリフで呼びかける人
◆熱弁を振るう人
◆落語風な人
◆力の抜けた感じで自然に話す人

聞く側の好みも大きいだろう。
私、前の2つはちょっと苦手。なんだか作り込まれた5分の台本を演じているような気がしてしまうからかもしれない。本当は緊張していて、妙な質問をされたらボロが出てしまう…とかだと、更にハラハラさせられる。
同じ台本系でも、落語風だったものは落ち着いていて滑らか。掴みから本題へ入っていくのもスムーズに感じた。
きっと、落ち着いたトーンで、心の底からの思いを語るような方が私のタイプなのだ。

優勝したのは、ファイナル参加者の中で一番の熱弁をふるった方。主人公の名前を大声で連呼する様子は、さながら選挙演説のようだった。

紹介する本のチョイス。
どんなスピーチの構成にするのか。
入り方、終わり方。
途中で小道具を使うのか。
1人で演じるのか、聴衆を巻き込むのか。

工夫と努力、凄すぎた!


感想③…「気になる本がありすぎる!」

ビブリオバトルは、その勝負の様子を楽しむだけでなく、みんなもれなくその本を読みたくさせてくれるので、自分の中の読みたい本リストが一気に追加される。いくつかをご紹介。

◆同姓同名/下村敦史
これが優勝した方の紹介した本。

◆妄想銀行/星新一
これは、落語をしている方が紹介していた本。私はファイナルでこれに1票入れた。

◆変愛小説集/岸本佐知子 編訳
かなり変わった恋愛小説を10個集めたアンソロジー。落ち着いたトーンの説明も好きで、セミファイナルで1票入れたやつ。

◆桃太郎/芥川龍之介
みんなの知っているももたろうとはだいぶ違うらしい、芥川版の桃太郎。これを紹介していた方、来年から小学校教員をやるそうだ。

◆1981年のスワンソング/五十嵐貴久
過去にタイムスリップして、まだ発表されていない名曲を楽曲提供しちゃうらしい。

◆フーガはユーガ/伊坂幸太郎
双子が…瞬間移動して入れ替わっちゃう話らしい。特設サイトあった!


ビブリオバトルで聞いた本の中で気になったものはこんな感じ。

そして、配布物の中にはこんなものも↓

小冊子

ムリムリ!読みきれん!


ということで、とってもとっても楽しいイベントだった!

混雑に巻き込まれないように結果発表前に会場を出た私。すっかり夜。
入り口までキュートな昭和女子大

私がビブリオバトルで5分話すなら…選んだ本についての珠玉の替え歌とかを5分かけて歌ったらいいんじゃないかな?しゃべりの台本より替え歌の歌詞の方が断然覚えられそうだし。

…ダメか!笑



#教員エッセイではない
#全国大学ビブリオバトル
#昭和女子大学
#書評合戦

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