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#593 授業実践記録/魚のたんじょう(5年理科)

2024.6.22.
髪の毛を切ってショートにしたら、職場のSSS(スクールサポートスタッフ)さんに「デミ・ムーアみたいですね!」と言われ、よく分からなかったけれど褒め言葉ととってお礼を言った。家で「デミ・ムーア ショート」と検索。えっ!

超可愛いじゃん!これはカラコン入れて積極的に寄せていきたいわ。皆さん、私のことはこのデミムーアをイメージしていただけたらよいかと。(直接会ったら怒られるな。笑)



最近、理科のことばかり考えている。
私が今やっている授業は主に理科で、好きなんだけど、どんどん授業が押し寄せてくるし、教材研究は圧倒的に足りないし、指導書・書籍・ネット…どんな実践があるのか調べたり比べたりすることもなかなかできず、加えて準備がなかなか大変…。

図工専科をやっているとき、「図工人」というサイトを教えてもらい、参考になる情報をたくさん探すことができた。

そして、理科ではよく見るサイトに「板書ノート」というものがある。

知識や経験をもっている方々って、本当にすごいなあ…。まあ、私は今の立場の初心者なので、謙虚な気持ちで、できる限りのことを考えつつ準備しつつ、子供と共に一緒に楽しめるところを目指して日々失敗していくしかない。


◆◇◆◇◆◇

…前段が長くなりすぎたが、そんなドタバタの実践をひとつ。単元は5年理科の「魚のたんじょう」である。学習の流れと私の裏でのパニックぶりが伝われば幸いである。


学習指導要領によれば、この単元の指導事項は「(ア)魚には雌雄があり、生まれた卵は日がたつにつれて中の様子が変化してかえること」である。使っている教科書の指導計画を見てみると…

①メダカの写真資料を見て、気付きや疑問を話し合い、メダカの子どもが生まれるまでの卵の変化について疑問を見出す。
②めすおすの見分け方を知る。
③卵の育ち方を予想し、調べる方法を考える。
④数日おきに卵の観察をする。
⑤卵の変化についてまとめる。サケと比べる。学習のまとめをする。

とあった。なんだか、うまく流せなさそうな内容もあるから不安。しかも、植物は枯らすし生き物はあまり育てたことないしで、分からないことだらけである。


①動物のたんじょう

こちらは「板書ノート」さんより。いきなりメダカの写真資料を見て想起する…のイメージがつかず、動物の子ども産む数クイズから入ることに。

牛、スズメ、サケ、マンボウの順で、どのくらいの数の子どもを産むのか考えさせた。各問題で、3人くらいずつ予想の数とその理由を発表。「アニメで見たから」みたいな理由を挙げている子もいて、牛の出産シーンあるアニメってどんな牧場物語だ?みたいな話になったり。笑

まあその辺りは楽しくやるとして、聞こうと思ったことは、
「なぜ動物によってこんなに子どもを産む数が違うんだと思う?」
「生まれるまでの卵の中ではどんなことが起こってるんだろう?」
である。
ここから、生まれるまでの卵の中の変化や栄養をどうやって得ているかに興味をもってもらいたいな…と思ったのだが、この発問からの今後の学習内容との繋がりがうまくまとまっていなくて、なんかちょっとフワッとして終わった。おいおい。


②めすとおすを見分けよう

教科書だと、めすとおすの見分け方はこうだよ!めすは卵を産み、おすは精子を出し、それが出会うと受精して受精卵になるよ。メダカの飼い方の基本はこうだよ…という感じで、なんだか見分ける→めすおすの役割→飼い方が自分の頭の中でうまく繋がらないっ!

なので、「めすとおすを見分けよう」というめあてをやめて、『子メダカが生まれるまでを知りたいけれど、メダカの卵を産むのはめすだよね、めすだけじゃダメなのかな…?』というところから、「メダカが生まれるまでの、めすとおすの役割を考えよう」としてみた。

まずは見分けよう。じゃあ、メダカのひれの名前を紹介するぜ!
胸びれ〜!(アクション付き)
背びれ〜!(同じく)
腹びれ〜!(同じく)
尻びれ〜…って、ここが尻???(アクションできず)
で、ここが尾びれ〜!(足を上げてバタバタ)
何回か、ここは何びれクイズをしながら、ワークシートを配り、教科書の図を見ながらめすとおすの違いをまとめてもらう。

なんでおすの背びれには切れ込みがあって、尻びれは長いんだろう?実はこれ、上手に活用されていて…【デジタル教科書:卵を産む動画(交尾の様子)】を見る。

ここで、めすとおすの役割を確認し、できる限り確実に受精するようにひれが使われていることを実感してくれるとバラバラの情報が繋がりそう…。

そこまでまとめたところで、「めすおす見分けよう・実践編」!

今回の単元のために購入したメダカ約30匹。これをクラス毎に分けて飼育していくが、めすおすどちらもいないといけないので、みんなに仕分けをしてほしいと話す。

見やすいように観察水槽に2匹ずつ入れてみた。

イメージね

でもこれ、薄い水槽に入れるまでにやたらとメダカを弱らせてしまっている感じがしたし、何より私朝からメダカすくい業務に四苦八苦!そんな上手にすくえない〜〜〜!!!

なので、1回だけ使って、その後はよく洗った小さめのビーカーに1匹ずつ入れて仕分けしてもらうことにした。こっちの方が早く移せる…。

ネットにあった画像で、イメージ。

この、知識として見分け方を知ってから実際に見分ける活動はとても良いと感じた。メダカにも個体差があるから、図の中で見分け方が分かっていても、実際に見てみると「ん…どっちだ?」となることも多い。班に2つずつランダムに渡したので、めすめす班、おすおす班、めすおす班があり、どちらも同じな班は違う班のものを見て「やっぱりどっちもめすだったわ!」などと確信していた。何より、実物のメダカ、可愛い!


というか、メダカが届いてから、水合わせはどうしたらいいのかとか各クラスの水槽環境をどうすればいいのかとか、同様に買った水草の取り扱いとか、調べて夜な夜ないろいろとやってみたが、ポツポツと死んでしまう子が出て、毎朝祈るような気持ちで水槽を覗く生活をしていた私。

活動は楽しいけれど、生き物の管理は難しい!


③受精卵の観察

明日で全クラスのめすおす仕分け授業が終わるなあ…と思っていた日の夕方、私のデスクに小さな箱が乗っていた。なんだこれは。

「メダカの卵が届きました 事務」

うおー!去年も頼んでいたという受精卵、今年も頼んでいたものが届いた。受精卵という形で買えるところがあるのね。まあ、大人のメダカに卵を生ませてそこから観察する…というなんとも準備が難しそうなところを飛び越えさせてくれる商品、ありがたや。

使うのは明後日、明々後日、翌週の授業なのだが、せっかく届いたので顕微鏡で見てみることにしよう。理科支援員さんと共に、理科室へ。

morinokuma7さんのYoutubeより

というか、どれを使えばいいんだ。学校にあるのは、普通の顕微鏡、解剖顕微鏡、双眼実体顕微鏡である。今回は立体のものなので、教科書には解剖顕微鏡と双眼実体顕微鏡が出ている。どっちも使ったことないかもー!

教わりながら、解剖顕微鏡で卵を覗いてみる。
うおーーー!見えた!
目がある!なんか血液っぽいのも心臓っぽいのも見える!

支援員さんと2人、感動しながら顕微鏡を覗き込み、いくつかの卵を確認して私たちは思った。

これ、受精からもう結構日数経ってない???

このままいくと、来週卵の観察を行うクラスでは孵化しちゃってるんじゃないか疑惑が浮上。それは困る。

結論。明日やる予定だっためすおす仕分けを一旦すっ飛ばして、明日もう卵の観察始めよう!…ということで、決断後に自分がやらなければならないミッションがこちら↓

・卵を1つ1つジップロックに入れる(クラスの児童数分)
・観察カードの準備
・顕微鏡の動作確認
・授業の流れを考える

帰れないよ〜。

イメージはこう

皆さん、ご想像いただきたい。デミムーアが白目剥きながらピペットでメダカの卵をジップロックに入れている夜の理科室を…。

で、解剖顕微鏡は結構見えるのに班に1台ずつしか数がなく、双眼実体顕微鏡はどうにもよく見えない。
暇な人が多くなる授業は負け確定なのよー。だったら、待っている間にやる別のものを用意したらいいんじゃないかと思うでしょ?それを作る時間もないのよー。

もう色々諦めて、とりあえず4人に1つの解剖顕微鏡とルーペと肉眼を駆使して観察してもらうことにした。まあまあの負け戦だった。

その日の放課後。一番多いのは普通の顕微鏡なんだけどなあ…これって平面のものを見るのに適してるんだよね。まあ、一応見てみるか。なんて思いながら、藁にもすがる気持ちで顕微鏡を覗く。

こんな感じ(イメージ)

ちょっと待て!普通の顕微鏡で普通に見えるじゃん!というか、解剖顕微鏡よりも見やすい!

そこからは、怒涛の勢いで顕微鏡の動作確認。解剖顕微鏡も合わせたら、4人に3つ顕微鏡が使えるじゃないか。なんで昨日顕微鏡を見てみなかったんだ…。

結局最終的に2人で1つの顕微鏡を一緒に&交互に使うことで、観察の時間は確保されたのだった。

そして、これが初めての経験だったのだが、ジップロックに入れた受精卵、1人1つ持ち帰らせた。「大事に育ててね」と伝えて。

100均のB8ジップロックでいいと思う

この、卵の中で子メダカが成長していく、孵化する、貴重な時期を、タイムリーに観察できるようにするためだ。勤務校にこのやり方をやった方がいたと聞いて、面白そうだなと思いやってみたのだ。

実際にやってみて、なかなか良い取り組みだと感じる。これは観察用なので、孵化したら学校の専用水槽に戻しに来ること、と伝えた。筆箱の空きスペースにしまう子、メガネケースやコンパスケースなどの硬いもので守って扱う子、ハンカチでそっと包んで持ち帰ろうとする子など、メダカも可愛いのだが、それをワクワク眺める5年生が可愛すぎる。

ちなみにジップロック、メーカーによっては簡単に水が出てきてしまうものがあり、1クラス目はそれでプチパニック。すぐに同サイズで別メーカーのものを探しに行き、最終的に100均のものにしたら漏れはなくなった(そっちの方が安いのに)。もちろん、強く押せばどんなメーカーのものでも出てきてしまうのだが。



とりあえず

記事が4000字超えてしまったし、この後進度がバラバラになったのでどうまとめていけばいいのか分からないため、授業実践記録としてはここまで。

とにかく、★めすおす仕分けを実際にやるのは良い ことと、★受精卵ジップロック作戦は良い ことと、★私は日々テンパってる ことが言いたかっただけのこの長文記事にお付き合いいただき、ありがとうございました。



ちなみに、この方の実践もとっても楽しそう!と参考にさせていただいている↓



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