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2年で10名→30名に組織拡大した話

私が現在働いているHubbleは、今年1月に正社員30名を突破した。2年前の2021年1月時点で10名だったことを考えると、ちょうど3倍となった。

改めて、この軌跡を振り返ってみたい。

ちなみにHubbleという会社は、契約書管理クラウドサービス 「Hubble」というプロダクトを開発、販売しており、2023年1月時点での継続率が99.9%という半端ない数字を出している。いわゆるリーガルテックという領域で、市場全体も伸びているのも追い風に、Hubbleのお客様も200社以上、毎月複数社増えている。


さて、話を戻すと、
私がHubbleにJoinしたのは2021年3月で、11人目の社員。
まだ人事もいなかったことから、1人目人事として入社した。

採用に関して言えば、まずはwantedlyの運用から始め、並行して先行プロセスを整理。スタートアップへの転職希望者もここ数年で一気に増えていることから、知名度やお金がなくとも、すぐに一定数の応募がくることとなり、入社初月から動きが出始めた(とはいえ人手もお金もない中で相当苦しんだのは隠しきれない事実ではあるが…)。

結果的に、
- 2021年1月 正社員10名 
- 2022年1月 正社員19名
- 2023年1月 正社員30名
と人員が推移し、会社としても大きく変化していった。

最近は「○○人の壁」とか流行っているものの、妥協した採用を一切行わなかったこともあり、壁なんてほとんど感じず、むしろこの人員増で起こったことはプラスのことばかりだった。

これから組織拡大を検討している人には、夢を持って読んで欲しいし、逆に既に大きく超えてしまったなら、自社でどうだったのか振り返る材料として欲しいと思っている。

2021年1月から2021年12月をファーストステージ、
2022年1月から2022年12月をセカンドステージとして、
それぞれ起こった変化をまとめてみたい。


ファーストステージ(2021/1 - 2021/12)

The Model型の始まり

このタイミングで採用した人たちは、マーケティング、インサイドセールス、フィールドセールス、カスタマーサクセス、エンジニア、バックオフィス、そして人事。ほぼ全職種採用が実現している。

私が入社した当時は、The Model型の組織だったものの、職務を兼任してる人もいたし、また明確な役割ができておらず、一人でリード獲得からカスタマーサクセスまでやる人もいたし、横の連携がこれからという状況だった。それが、毎月のように各チームにメンバーが入社することで、少しずつ組織化していった。

同じ職種でのメンバー増加

各チームに1名しかいなかった組織は、インサイドセールス、フィールドセールス、カスタマーサクセス、バックエンドエンジニア、などようやく同じ職種の人たちが増えてきた

今までは1名しかいなかったので、同じ職種の社員同士のスキルレベルを測りかねていたところが、同じ職種の人が増えることで比較することができ、きちんと評価もできるようになってきた。また、お互いが切磋琢磨することで、積極的にベストプラクティスを共有したり、メールや資料の共有も行われ始め、我流から再現性のある組織への一歩を踏み出すことができた。

マネージャーが増えた

やがて同じ職種の社員が増えてくると、横連携が少しずつ乱れてきた。これは情報ルートをどうするかの問題で、今までは1名だったので「○○のことは△△さんに聞けば良い」で終わっていたことが、2名になると曖昧になり、情報ルートがバラバラになってきた。そういう背景もあり、より密な横連携を作っていく意味でも、マネージャーに任命する人を増やしていった。まだまだ未成熟でありながら、レポートラインを意識していこうと、社長も全体会議で発言し始めたのはこの頃

セカンドステージ(2022/1 - 2022/12)

業務委託の活用が進む

2021年1月の時点でも、業務委託でお願いしてる人が複数名いたが、業務内容が曖昧だった。スタートアップだから、きちんと言語化できないのは仕方ないにせよ、明確な業務を渡せていなかった。しかし、組織化が進んでいく中で、より業務を細分化し、これは社員、これは業務委託、という形でどんどん活用が進んでいった。

大企業出身者のJoinが増えた

会社が少しずつ組織化してくると、今までとは違う層の応募が増えてきたこと、また、新しい役割が生まれてきたこともあり、急に大企業出身の応募者が増えた。

結果的に、誰もが知っているような大企業からの転職組が複数名入社したこともあり、他社スタートアップや人材紹介会社から驚かれたのもこの頃。

大企業出身だから良い、というわけではないが、10-20名規模の組織しか知らない人にとってみれば、5000名以上の規模で働いてきた経験を持った方の知見は、社内に新しい風を吹き込み、より深い議論ができるようになってきたとともに、全体的な底上げが進み始めた。

女性採用が爆速で進んだ

私が入社した時は全員男性。業務委託含めても全員男性。過去に「御社は意図的に男性だけを集めているのですか?」と面接で聞かれたことも、なぜか複数回あります。はい、完全な男子校でした(現在入社してる女性社員に言わせると、「当時はいつも男子校の会話でしたよね」と…苦笑)。

しかし、最初の女性をバックオフィスで採用し、その後広報PRの方も入り、女性比率が2割を超えると、私は声高々に「男女共学」を宣言した。

そして、2022年9月以降、女性が5名入社し、最近入ってくる社員はほとんどが女性となり、大きく会社の雰囲気も変わってきたことも記憶に新しい。


サードステージ(2023/1 - )

違和感の正体

一方で、ファーストステージではあまり感じなかった違和感が、セカンドステージ以降、明確に感じるようになってきた。

1つが、私が勝手に命名している「あの人、誰?」現象。Hubbleでは、コロナになってから一気にフルリモート体制にしたため、現在でも一部の社員は、月次の全体会議を除きフルリモートで働いていたりする。また、リモートと出社をハイブリットで行う社員が大半のため、名前だけでなく、顔、職種、役割などを知らないと一部の社員から漏れ始めてきた。

全体会議で自己紹介してもらったり、notionでプロフィール書いてもらったりしているのに…。でも毎月のように新しく入ってくると、確かにわからなくなりますね。

もう一つが、落ちているボールを拾う人は、いつも一緒ということ。少人数の時には、一人ひとりがカバーしてる範囲が広かったこともあり、自然と誰かが拾えていたのが、組織化し、自身の役割が明確になると、ボールが落ちても拾わないケースが出始め、結果的に、いつも拾う人は同じになっていった。拾う人は性格的なところがあるにしても、これから解決すべき課題。

私はSmartHR創業者宮田さんがブログに書いていた「たらい」が2回まわったら新ポジションの合図 が非常に腹落ちしていて、今後はこういうことにも対応していく必要があるだろう。



まとめ

ロケットに乗っかれ

この2年間で、社員数は10名から30名となったものの、採用がずっとできなかった期間がなかったことと、離職者がほとんどいなかったこともあり、極めて順調に組織化されていったと思う。一方で、まだ顕在化していない様々な問題は残っており、これをいつ手をつけるかは今後の課題かもしれない。

ただ結局のところ、成長している船に乗っているからこそ、多少の問題は気にならなかったり、消えてなくなったりしているからと思う。

当時GoogleのCEOだったシュミットが伝えたとされる下記の言葉は、今でも腹落ちしていている。

「ロケットに乗っかれ! 企業が軌道に乗ってどんどん成長したら、キャリアもそれについてくるさ。企業が上手くいかなくなったらそのとき考えればいい。ロケットに乗って突っ走らないか?と誘われたら、あとは乗っかるだけさ」。

さて、次は目安は50人ですかね。

最近は働き方も多様になってきたので、正社員という概念では語れないかもしれない。業務委託や副業で関わる人が増えてくると、違う壁がまた生まれてくるのかも。


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