だし巻き卵と彼

ある男性と初めて

ご飯を食べに行くことなった。


【男性プロフィール】

30代前半、鉄道会社勤務

一言でいうと優しい。

彼の性格的に自分が好意を持っている人に対して、本当は好きじゃなくても、相手に合わせて好きと言ってしまう。

それといつもどこか空回りをしている。

会話は相手に対して質問系が多い。



今回は初めて行く

恵比寿のカジュアルな鉄板焼きのお店。


駅からも近くて、

お店もわかりにくいので隠れ家のようだ。

どこか遊び心があるお店で名前も秘密基地。


カウンターに案内され、

目の前で全て焼いてくれる。

思ったよりファンキーな店長。笑


早速、シャンパンで乾杯をして

お互いについて話した。


彼「敬語じゃなくていいよー」

私「ありがとうございます。」

個人的にこのやりとりは苦手だ。笑


年齢は5歳差。

というより

初対面の人には普通敬語だと思う。

お互い打ち解けたら自然とそうなるから、少し上から目線は個人的には好きじゃない。笑



彼との会話は

一つの話を広げるというより

すごく質問をされた印象が強い。笑


しばらくして

「だし巻き事件」は起こった。


私の家系は母が甘めの卵焼き、

父がだし巻きと好みが分かれている。


なので、運動会の時や行事の時は

2種類の卵焼きがあるのが普通だった。


小さい頃はお弁当に入っている

甘い卵焼きが好きだったが、

お酒を飲むようなってからは

だし巻きを食べる回数が増えていた。


なので、

どっちかの答えを求めているわけ

ではないけど、家系で変わる

ご飯のちょっとした質問は

私にとって結構、重要だしワクワクする。


例えば

目玉焼きには何をかけるの?

お味噌汁の好きな具は何?

カレーには何が入ってるの?

朝はご飯は?パンは?食べない?

好きなご飯は?などなど

共通の話題や相手の好みも分かるので

結構、盛り上がる。


たまに男性に

「好きなご飯は?」と尋ねると

カレー、ハンバーグ、肉または焼肉!

オムライス、唐揚げ、ラーメン!


気づけばお子様ランチのようなことが多い。

真面目で無口な人でも

「オムライス」とかいうと

たまに愛おしくなる。笑


そんなほっこりする話をする予定だったのに

まさか「だし巻き」で止まるなんて...


メニューに鉄板焼きで作る

だし巻きが目に入った。


私「だし巻き好きですか?」

彼「うん、好きだよー。」


私「メニューにあるとつい頼んじゃうんです。鉄板焼きのだし巻きは珍しいですね。」


彼「そうだね、俺も初めて見た!!」


私「だし巻きの中でも日本酒と白だしが効いた卵からじゅわっと出汁が溢れてるだし巻きが好きなんです」

彼「、、、。美味しそうだね!。」

あれ? 通じてない。


私「ふわふわしてて、箸で切るときに出汁が溢れ出す感じとか♪」

彼とのテンションに差がありすぎて

これはダメだ。と思った。


私の少し熱が入った

だし巻きの話に正面で

鉄板を焼いていた店長が

私の話に微笑みながら頷き始めた。


私「店長、分かってくれますよね?」

店長「美味しいよね〜、

それは美味しいだし巻きだわ〜」

私「ですよね〜」


人見知りをしない私と今まで話を聞いていたかであろう店長とだし巻きで結構、話しが盛り上がった。

見た目はファンキーな人だけど、すごくいい人で面白かった。


彼を置いてけぼりにしたに気づき、

フォローも兼ねて

「もうすぐ花火大会のシーズンだね」と

話題を変えた。


すると彼からチケットあるんだけど

花火大会とかどう?

場所は「神宮外苑花火大会」


チケットは購入済みで

スタンド席で観られるという。


面白いことに

彼女を作るためにペアチケットを

3ヶ月前ほどから購入していたらしい。


すごい気合の入れようだ。


少し迷ったけれど

最近ちゃんと花火をみることが

なかったので観に行くことにした。


だし巻き事件をあとにし

良い人だけど今のところ恋愛対象ではない。


でも、

花火大会に行くことで

何か変わるかも知れない。

もしダメだったとしても

花火をいい席で見られると考えればいい。

そんな気持ちで行ったがネタになるくらい

すごい結果になった。笑笑


続【花火大会 with 空回りBOY】











お洒落なカフェで 刺激的な記事を書きたい☕️