ケーキちゃんの秘密
スイーツパーティーに参加した私は、そこで同い年ぐらいの女の子・ケーキちゃんと出会った。ケーキのドレスとイチゴのティアラを身につけ、イチゴ柄のリボンで髪を結んでいる。それだけでも可愛いけど、さらにケーキちゃんは、自分のことを本物のケーキだと思い込んでいた。
「ケーキちゃんは魔法を使っていないのに、どうして本物のケーキみたいなんだろう?」
私はふしぎに思いつつも、いつの間にかケーキちゃんと仲良くなり、一緒にダンスを踊った。
パーティーの最後には、みんなのお楽しみ・巨大ケーキが登場。ケーキちゃんは目を輝かせて、巨大ケーキにかぶりつき、周りのみんなが驚くぐらいあっという間に食べ尽くした。
お腹いっぱいになったケーキちゃん。突然我に帰ったのか、ケーキちゃんはいきなり、着ていたドレスとティアラを脱ぎ、リボンで縛っていた髪を下ろした。その下は普通の服と普通の靴を着けていた。ケーキちゃんの正体は、私と同じ普通の人間だった。
ケーキちゃんは心からケーキが大好きで、ケーキのために毎日生きてきたんだって。辛いときもケーキのことを考えれば、楽しくなってがんばれるんだ。そのうちケーキちゃんは、ケーキになりたいと思うようになって、見た目だけでなく中身までケーキになりきったんだね。
おわり
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