見えないものは傷つけられない
確かに私は、一人の人間を殺した。
でも、人権も心も傷つけていない。
肉の破片は辺りに散らばっても、
人権の破片は何一つ見えなかった。
血が飛び散る音は聞こえても、
心が壊れる音は何一つ聞こえなかった。
人権も心も幻想だから。
見えないし、聞こえないし、触ることもできない。
だからこそ、それらは決して傷つけられることもない。
もう一度言う。
確かに私は、一人の人間を殺した。
でも、人権も心も傷つけていない。
見えないものを、
どう触れと? どう傷つけろと?
じゃあ、あなたには、
見えるの? 見えないなら、
結局、人権も心も存在しない。
だから、私は悪くない。
おわり
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