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2024年まんが大賞「君と宇宙を歩くために」を全人類に全力でおすすめしたい!

Xで流れてきて、なんとなく開いたら、この作品の第一話が読めました。普段から、漫画はほとんど読まないし、スマホの画面で読むのなんて、小さくて読みにくいと思うのですが、ビビっと来てそのページを開いた自分を今は全力で褒めたい!なんだ、この素晴らしい漫画は…と感動さえしています。続きが読みたいのと、手元に置いておきたくて、即購入。微力ではありますが、一人でも多くの方に興味を持ってもらえるように、レビューを書いてみます。

勉強もバイトも続かないドロップアウトぎみなヤンキーの小林。ある日彼のクラスに変わり者の宇野が転校してくる。小林が先輩から怪しいバイトに誘われているところを宇野に助けられ、その出来事をきっかけに2人の距離は縮む。宇野のことを知れば知るほど彼の生き方に惹かれ、自分も変わろうと行動する小林だったが…。「普通」ができない正反対の2人がそれぞれ壁にぶつかりながらも楽しく生きるために奮闘する友情物語。

君と宇宙を歩くために あらすじより

見るからにヤンキーで、勉強もできなくて、ちゃんと授業も聞いていない小林君。多分、とりあえず高校ぐらいは卒業しておいた方がいいだろうから…くらいの気持ちで近場の行ける高校に入ったのかな?そんなんだから、勉強を頑張るつもりもなくて、バイトに精を出す…と思いきや、バイト先での居心地もあまりよくなくて、いつも長続きしない。見た目は怖いし、仕事は微妙だし…。最初の数ページで描かれているなんとなく想像できると思っていた状況が、小林君の心の声で、知らなかった世界にガラッと変わる。

あぁ、彼も悩んでいたんだ。そうか、頑張っているんだ。どうしたらいいか分からなくて、怖くて、だからそういう態度をしてしまっていたんだ。

小林の学校に転校してきた宇野君は、いわゆる不良の小林君の対極にいるような男の子。真面目で素直そうで、見た目も幼い。空気が読めなくて、要領もよくなさそうで、「いじめが原因で転校してきたのかな?」と思われたりもしている。

そんな、交わりそうにない2人が交わって、生きづらい世界で生きる苦しみに気づき、自分の弱さを自覚して、補い合っていくストーリー。
彼らは「人と同じように生活するのに、人よりちょっと工夫の必要な人」。それを、笑ってバカにする人がいる。安易に傷つける人がいる。自分とは違うと遠ざける人もいる。それも事実。でも、それにも理由があって、この漫画ではそこの人の気持ちも断罪しない。

苦手なことがない人なんていない。小林君や宇野君ほどは工夫が必要じゃなくても、自分の不甲斐なさに落ち込んだり、ガッカリした経験はきっと誰にでもある。それなのに、自分のことを棚に上げて、人に厳しくしてしまった経験だってきっと多かれ少なかれ誰にでもあると思う。同情・反省・共感・驚き・嫌悪・尊敬…ある人のひと言から、ある場面の表情から、いろんなものが飛んできて刺さる刺さる。そして、何度読んでも、私はあるページで号泣してしまう。宇野くーん!!と。

ここ数年、「生きづらさ」にフォーカスされることがとても増えたと思う。でもやっぱり、知っていること・想像できることは限られていて、それを広げるのはとても難しい。でも漫画なら、いろんな人が触れやすい。この漫画は、すぐに息子にもすすめて、「絶対に読んで」と渡した。いろんな人がいる。みんな、いろんな気持ちを抱えて闘っている。分からなくてもいいけれど、想像してほしい。想像できなくても、考えてほしい。息子に伝えながら、自分にも言い聞かせた。興味を持ってくださった方は、まずは下のYou Tubeをご覧ください。私はこれだけでもう泣けます。

そして、5月22日には、2巻が出るそう。予約しなきゃ。

2巻の感想ももしよろしければ。


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